「見て楽しめる作品」雨を告げる漂流団地 alidonさんの映画レビュー(感想・評価)
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テーマ性や整合性など気にしたらダメなエンタメ作品。
主要人物のキャラクターが丁寧に描かれており感情移入もしやすい反面、物語の根底に何が有るのか読みとり難く、とりわけキーとなるノッポの意志、思いと、作中で起きている非現実に関連性が終盤まで全く見られずにストレスになる点もある。ミスリードさえ存在しないキーマンの存在は短編ならうまく活用できるだろうが長編では観客を置き去りにしてしまう。
加えて主人公たちが経験する非現実と、元の世界、現実との整合性も取ろうとしていない点も不満点の一つ。特にヒロインが母と再会するシーンは、この冒険が行われている間のそれぞれの世界の時間経過について説明が一切無いために違和感を覚えてしまう。
ただ、そうした細かい、面倒な点を一切忘れて映像と芝居に引き込まれる力は有る作品なので、親子等家族で見るのも悪くないだろう。
まあ、一言で言えば何も考えずに見ろ、そして見終わったら何も語らずに忘れろ、と言うジャンルの作品だ。見ている間だけは楽しめると思う。
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