「贔屓目なのは承知で」弟とアンドロイドと僕 タカシさんの映画レビュー(感想・評価)
贔屓目なのは承知で
まず私は阪本順治が好きで、力強い感覚を楽しんできた。前作の一度も撃ってませんでは、ジャンル映画としてのハードボイルドを年上転がしの阪本らしいメンツで楽しんだ。そんな阪本がトヨエツとまた組んでSF作品を作ると聞いてから今日を楽しみにしてきた。クールな質感の映像は、エクスマキナとかを思いださせる。しかし、どうにも合っていないように思う。映像と物語の一致によるグルーヴ感が薄く、無理してカッコつけているようにみえてしまった。そもそも泥臭い感覚を持っている監督なんだから、泥臭い物語にすればいいのに、そこをなんというかアラン・ロブ・グリエっぽい感覚で撮っているのだ。意外と阪本順治はこういう質感も好むのかと驚いた。キノフィルムはよっぽど阪本順治を気に入っているらしいが確かに気に入ってしまうぐらい阪本順治は魅力的だ。お旦をちゃんと楽しませる感覚がある。
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