「素晴らしいB級おバカ映画でした」宮田バスターズ(株) 大長編 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしいB級おバカ映画でした
短編で作った自主映画が短編映画祭で好評だったのでそれをまた自主で長編化したと
個人的に今年一番面白かった映画、映画大好きポンポさんの言葉を借りるのですが、「泣かせ映画で感動させるより、おバカ映画で感動させるほうがかっこいいでしょ?」
これにつきますよね
B級おバカ映画を自主でやってる宮田バスターズ(株)は圧倒的にカッコいいですね
ただし、星が普通なのは感動して泣くほどのラストには、残念ながら届いてなかったからです
こころざしの部分を買っての星3.5でした
広い意味では自主映画でこれを作ろうとした監督さんがいることに感動してるんですけどね
これで感動して泣けるほどのストーリーテリング、脚本の技術まで備えたら完璧ですよ
監督さんには、とにかくハリウッド大作や韓国映画とかアカデミー賞脚本賞レベルのシナリオを勉強してもらいたいなと思いました
邦画は自主も商業もとにかくシナリオのレベルが低いので参考にはしないで欲しいです
邦画の特に他の自主映画系監督の作品は、雰囲気だけの恋愛映画や青春映画、感動したって言わざるを得ないマイノリティが主役の映画、暴力的なゴア系映画、それらがほとんどですからね
誰かと同じような3パターンぐらいの自主映画作って、自主映画祭も同じような映画ばかり入選させてますから、個性もクソも無いですし、マジで終わってますよね
宮田バスターズ(株)がそういう映画祭に入選してないのはそもそも応募してないのか、落とされたのかが気になりました
後者ならホント、日本の映画界は自主映画界から終わってるんだなと感じます
本当なら東京国際映画祭のコンペ部門で入選させて、監督は文化庁の映像作家育成枠で育てないといけない逸材ですよ
褒めすぎも気持ち悪いので気になったこともいくつか
宮田バスターズ(株)のステッカーはシールタイプじゃなくてマグネットタイプじゃないと納得出来ません
町の水道屋をイメージしてたので、冷蔵庫に貼るマグネットじゃないなんて許せないと思いました笑
あと、脚本について
大きく1つ
前川コンサルティング?が宮田バスターズ(株)に合流してきた展開
あれが???でした
壊せる美術セットが予算的に宮田バスターズ(株)の社内でラストだったから脚本上でそうしたんでしょうけど、それがストーリーとして面白くないです
テーマが中小企業(人)VS宇宙生物なのに中小企業(人)VS暴走ロボットにすり替わってしまってる
この辺が感動できない理由かもしれません
市販の光線銃が発売されたから専門職である宮田バスターズ(株)の仕事が無くなる、まではほぼ勝ちゲームみたいに面白い展開だっただけに余計にミスった気がします
あと、それに付随して面接来た変な男の子のサブプロットが不要です
あれで笑う観客もいなかったし、メインプロット、必要なストーリー展開の邪魔でした
伴って回想の面接シーンも不要
女の子が憧れて宮田バスターズ(株)に入ったのは時間飛ばしても分かったから、わざわざ回想を入れるのは無駄です
回想にするぐらいなら時系列順に編集したほうがマシです
あと、市販の光線銃の初登場シーン及び説明が旅館なのに、そのすぐあと駆除に向かった喫茶店で素人が光線銃使ってるシーン、この構成が失敗してます
喫茶店で市販の光線銃の存在を知ってショック受ける、そして説明シーンならばキャラクターの気持ち優先で感情移入出来ますが、説明が先にあると、キャラクターの驚きもこっちの驚きも減少します
だから、旅館のシーンか喫茶店のシーンか、そのどちらかが余計ですし不要です
他にも細かいことはもっとあるんですが、すぐ思い出せないし、とにかくB級おバカ映画作ったことが素晴らしいのであんまりダメ出ししても仕方ないので、この辺で