茶飲友達のレビュー・感想・評価
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「承知です」
なかなかきつく、居たたまれないストーリーと画作りであり、現実に起こり得る内容である
自分もそうだが、何故人は寂しいのか、そしてそれが年齢を重ねる毎に加速されていくのか、『人生100年』なんてそんな悪夢をよくもキャッチフレーズにしてしまうこの世に恨めしさしか思い浮かばない
そんな寂しさの中の人間達を冷徹に撮り続ける目線が本当に痛々しい
ただし、構成的に間延びしてしまった感が窺える もう少しコンパクトに仕上げてもよかったのではないだろうか?
妊娠の件、パン屋の件は、差込む事で重層感を演出したかったのは理解出来る ならば、あの家のファミリー感を演出するシークエンスはしつこくなってしまったのではないだろうか ラストの母との対面も、残念ながら違和感を禁じ得ない
なんだか、否定的感想が続いてしまったが、着想や妙齢の方のベッドシーンの連続はチャレンジングで大変素晴らしく、今後の超高齢時代の未来を描いてみせた先進的作品として称賛を送りたい
高齢化社会が抱える闇
高齢化社会をおける問題点を実際の事件を基にした社会派ドラマ。寂しさを埋め合う秘密の関係を見事に描いている。高齢者売春クラブは確かに違法行為ではあるがそれを知っていても寂しさには勝てない思いに共感した。まさに高齢化社会が抱える闇である。主演・岡本玲の演技力も素晴らしく彼女に感情移入し引き込まれた。
2023-57
【”砂上の楼閣上の新たなる高齢者セーフティネットと疑似ファミリー。”今作は、老人の生と性と死を軸に描きながら、人間の孤独や家族の本質について、観る側に問いかけてくる作品なのである。
ー 高齢者専門の売春クラブ”茶飲友達”を営む佐々木マナ(岡本玲)は、厳しき実母とは反りが合わず、家を出て売春をした後に、”茶飲友達”を立ち上げる。
独りで寂しき想いを抱える老人を対象にし、クラブを運営するマナ。そして、町でも高齢者には優しい。クラブの運営者達や、”ティー・ガールズ”と呼ばれるコールガールも彼女を頼りにしている。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・当初から違和感を感じていたのは、マナが”茶飲友達”では優しく微笑んでいるのに、独りになると虚ろな表情をしている所であった。
・マナは、スーパーで死んだような目でボサボサの頭の老女松子が半額のおにぎりを盗もうとした際に、咄嗟に彼女を庇う。そして、彼女を”茶飲友達”の”ティー・ガールズ”として迎える。
ー この彼女の行為は、後半、彼女が病に倒れた実母に涙を流しながら言った”一度でも、頭を撫でた事がある?””褒めたことが有る?”と言う彼女自身の母に愛されない寂しき人生の代償行動であろう。ー
・そして、松子はクラブの売れっ子になって行く。男性と肌を重ねるうちに、ドンドン綺麗になって行く松子の姿。
ー 70代の老人の7割が性欲があると語られる。-
・又、妻を亡くした男や他の初老の男も松子と抱き合う事で、生の実感を得て行く姿。
ー だが、一人の男が松子がシャワーを浴びている間に首を吊る。松子はそれに気づいていても止めない・・。問い詰めるマナに彼女が言った”貴女には分からないわよ・・。一人では死にたくなかったのよ。”
そして、全てがここから瓦解して行くのである。-
・警察が介入する前、”茶飲友達”のスタッフや”ティー・ガールズ”は逃亡。相手に認知してもらえない妊娠をした女性スタッフも金庫の金を全て持ち逃げする。
ー 残ったのは、松子とマナ。そして、松子が言った言葉”貴女になんか、会うんじゃなかった・・。”マナの自分の寂しさを癒すために造った”ファミリー”はアッサリと崩壊するのである。-
■警察の取調室で、マナは女性警官に”ルールに捕らわれない正義がある”と主張するが、”ルールはルール”と相手にもして貰えない。
マナの方に心が行っていたので、”そーいう杓子定規な対応をしているから、高年齢化社会の現状は変わらないんだよ。!”と内心思う。
そして、面会者が来る。マナの実母である。実母が言った言葉。”家族でしょ。”
物凄い、シニカルな展開である。
<劇中、”自分の孤独を他人の孤独で埋めるな!”という台詞があるが、マナの行為が正にそれである。
けれど、きっと、マナは本当に孤独な老人たちに生の喜びを与えたかったのだと思う。
だが、法を犯した報いは大きい。
マナたちが新たな客層として目を付けた老人ホームの男性達はホームを追い出されると、婦人警官は素っ気なく言うのである。
今作は、老人の生と性と死を軸に描きながら、人間の孤独や家族の関係性について、観る側に問いかけてくる作品なのである。>
<2023年4月16日 刈谷日劇にて鑑賞>
佐々木マナ、いい仕事してるな。違法だけど。
2023年映画館鑑賞18作品目
4月9日(日)フォーラム仙台
リピーター割引1100円
監督と脚本は『ソワレ』の外山文治
高齢者女性をコールガールに仕立て上げ高齢者男性向け会員制派遣型風俗店を営む若い女性の物語
主人公佐々木マナは母親とうまくいかずなかなか実家に帰らない
それでもやっと帰ったが母親とは和解できず
やっぱり家族は茶飲友達のみんなだ
しかし松子のミスで警察に摘発され佐々木マナらは逮捕され組織は解散することになる
茶飲友達(ティーフレンズ)のシステムは高級な茶葉を購入しホテルなどでティーガールズにお茶を入れてもらい飲むわけだがあとは自由恋愛というシステム
平たくいえば売春である
メシ奢ったんだからやらせろってのも原始的な売春といえなくもないし所詮ポリ公たちの気分次第である
平凡な男性諸君には残念なお知らせ
この日は三本観たがいずれも性風俗絡みでしかも背中程度で乳首お尻ヘア無し
日活ロマンポルノとかじゃないわけだしスマホでいくらでもエグいのが観れる時代だから逆にいいかもしれない
女性俳優の腕の見せ所といえる
ババアの裸なんて見たくないという男性もいるだろうけど
ババアというより明らかにおばあちゃんもいた
それでも自分としては見たくないといえば嘘になる
千佳演じる海沼未羽の芝居が良かった
医者に産む決意を語るシーンとマナに妊娠していることを告げるシーンが特に良い
ティーガールズの中ではカヨ役の岬ミレホが良かった
パチンコ狂でありながら「施しを受けるほど落ちぶれちゃいないよ!」という心意気は見習いたい
パンツ一丁の若い男をほったらかしにしてガールズトークをしているシーンが画像的に面白い
映画のスクリーンであれだけドアップで扇情的にもっこり観たら自分はあの男のパンツ下げたくなっちゃうな
いや下げる前に先っちょ当てゲームと銘打って触りたくなる
マナが瓶をラッパ飲みするシーンであえて警察を出さずカメラワークで警察に声をかけられた感を出すあれは大好き
逮捕されたマナが取り調べを受けたが刑事にむかついた
僕もどちらかといえばアウトロー側の人間なんだな
己の下半身も管理できない連中が民衆の性を取り締まるとは笑止
交番に火炎瓶を投げ入れるほど警察を憎んでいるわけではないが
どうせ違法なら特殊詐欺より喜ぶ人が多い分だけ絶対にこっちの方が良い
どうかお目溢しを
配役
茶飲友達の代表者で元風俗嬢の佐々木マナに岡本玲
半額のおにぎりを万引きしたところをマナに助けられた縁で茶飲友達のティーガールズとして加わった国枝松子に磯西真喜
茶飲友達のスタッフで妻子持ちの男の子供を孕んでしまう朝倉千佳に海沼未羽
茶飲友達の客で妻に先立たれ一人暮らしの時岡茂雄に渡辺哲
ティーガールの人気ナンバーワンの道子に瀧マキ
パチンコにハマっているティーガールのカヨに岬ミレホ
眼鏡のティーガールの鞠子に長島悠子
白髪のティーガールの千鶴子に百元夏繪
ティーガール梨々花にクイン加藤
ティーガールの多恵に海江田眞弓
ティーガールの花子に楠部知子
ティーガールズの京子に石川佳代
マナの参謀役の茶飲友達スタッフの鷹木匠に中山求一郎
茶飲友達スタッフ内藤良樹に鈴木武
松子に1番キレていた茶飲友達スタッフ葛西淳に佐野弘樹
茶飲友達スタッフの鶴田智美にアサヌマ理紗
茶飲友達のスタッフの橘みのりに中村莉久
茶飲友達のスタッフの谷口雄一に牧亮佑
元弁護士で法律に詳しい茶飲友達スタッフの中町慧に光永聖
マナの弟の佐々木孝太郎に重岡サトル
マナの母親の佐々木千草に名越志保
マナの取り調べを担当した刑事の菊池弥生に福田温子
脱サラをしてパン屋を始めたが失敗し今では車内生活をしている内藤良樹の父の内藤良雄に吉澤憲
茶飲友達の客でティーガールズに説教を始める藤田徹に吉田茂樹
妻帯者なのに千佳を孕ませてしまった挙句に責任を放棄する森嶋拓哉に荻野祐輔
生殖機能喪失した者同士の性行為に社会的にどんな問題があるかを改めて考えてみたくなる。
最初は老人同士の違和感を感じるが、
我が身を考えると思わず納得してしまうビジネスモデルである。
と言うことで、ビジネスならば未だに花街があるではないか⁈
ただ、高齢者専用ではなく、デリバリーではないと言うことだ。
ならば、買い手を送迎すれば成り立つかも知れない。
そんな花街付き老人ホームが出来るかもしれない。
などとつまらぬ事を考えてしまうぐらい需要のある商売かもしれない。
お粗末でした。
とても多くのことを考えさせてくれるいい映画でした。
故に多くのことを言い過ぎた作品でもありましたので星は4.5です。
2013年10月に高齢者売春クラブが摘発された事件を元に、
超高齢化社会の現代日本が抱える閉塞感や寂しさなど、
さまざまな問題を反映して描いた群像ドラマ。
老後に待ち受ける大きな「孤独」
配偶者の死、子どもからの「無視」「放置」、あるいは独りで迎える死、 孤独の中で生きていかなくてはならない日々が、私たちにもいつか訪れる
寝たきりにならない、ボケないための健康雑誌がたくさん売れても、孤独を解決する方法はみつからない そういう悩みの特効薬、特に男性にとって寂しさを埋めるのは性的関係であり、女性にとっても、その場限りでも自分が必要とされていると実感できる場面であろう
この作品の題材となった「事件」は、性的関係が高齢者の孤独を解決する特効薬であることで「大ヒット」するも、世間の常識から逸脱していることで「犯罪」となった
「カジノ」「パチンコ」「パチスロ」を導入した要介護者向けのデイサービスが脚光を浴びている 健康、体力づくり、食事、入浴、おしゃべりや創作活動よりも、射幸心、ギャンブルといった「本能」に着目したデイサービスが評価され、一方でこつこつと地道な「介護」は事業者間の差別化の中埋没していく感がある 「本能」に働きかけることで表情が変わっていく本作の高齢者を観て、いつか訪れる孤独への処方箋が性やギャンブルといった「本能」にしかないのかとも思った 岡本玲さんはCMでは馴染みがあっても、単発出演が多く、連続ドラマ・映画ではあまり見かけなかったが、娘の顔・組織の顔・姉の顔、そしてファミリーの顔と恐ろしくもなるような演技をみせてくれた もっと評価されて欲しい方だ また若いスタッフの父親との関係、母親との関係、シングルマザーの話は、今の若者の置かれている不安や葛藤でもあり興味深かった また子育て支援に我が国の首相は熱弁を振るっているが、職員も予算もない住民に近い自治体窓口の対応がよく描かれていた (3月29日 シネ・ヌーヴォX にて鑑賞)
寂しい心をどう埋めるかという普遍的課題
高齢者の性
「ルールはルール」
私には、ただ孤独を深掘りしただけの映画 そこに希望は見出だせない。
やや不自然な点もあるものの、好印象。
今年88本目(合計740本目/今月(2023年3月度)23本目)。
もともと1つの映画館だけで「細々と」やっていた作品が口コミなどでひろがって、今では大阪市でも見られるようになりました(それでもミニシアター中心)。
実際の事件をもとに作られた、いわゆる「高齢者売春」を扱う映画です。ただ、それは一見すると本筋であるように見えますが(公式サイト等)、実はサブになるのは「産む・産まないの選択権」「ギャンブル等依存症」、もっといえば「高齢者の孤独問題」(孤独でなく満足に生活していれば、今回のようなことにはならないことは明白)に論点があることはすぐにわかります。
一応、PG12扱いなので「発言の一部において」やや不穏当かなと思う点もあるものの、描写「それ自体」に関しては配慮があります。
この映画をどう解するかは難しく「売春行為は何が何でもダメだよ」という見方はおそらく表面上のものではなく「高齢者福祉がどうあるべきもなのか」、もっといえば「困っている人に対して(年齢を問わない)、福祉行政はどう接するべきなのか」という「福祉行政の在り方」が問題提起されているように思えます。これ自体は「福祉「行政」」といっても行政書士の資格持ちがどうこうできる範囲を超えてしまいますが、そのような「行政側の不作為」(ある事象について、何もしないことを「不作為」といいます。要は「棚上げ・先延ばし」と一緒)が論点・問題提起にあるのだろう、ということになります。
採点に関しては下記が気になったので、4.7を4.5まで切り下げています。
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(減点0.3/ストーリーが不自然な点がある)
・ この映画を実際に見ていただくとわかるのですが、この「茶飲友達」の組織に、妙なまでに法律に詳しい人がいます(少なくとも行政書士以上の資格持ちでないといえないようなセリフを出してくる人がいます)。この映画は先に述べた通り、「参考にしたもとの事案」がある事件ですが、そちらのニュースではそのようなことは書かれていないのですよね(当時の報道による)。
ただ、そうした資格持ちがこうした「明らかな法律違反」に加担していれば、登録していればもちろん業務停止処分等、登録していなくても「いい加減にしろ」と言われるのは明白で、なぜに「妙に法律に詳しい人」が出てきたのかは謎です(登録者=開業者はもちろん、合格者でもこんな「明白に法律違反」と言えるものに加担することはないので)。
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タイトルなし(ネタバレ)
妻に先立たれ、古家でのひとり暮らしの70代の男性(渡辺哲)。
侘しく寂しい毎日の中、大手新聞社の三行広告で「茶飲友達、募集。」と見つけた。
電話をして、相手方指定の喫茶店へ赴くと、小綺麗な初老の女性の横に、30歳前くらいの若い女性(役名、マキ。岡本玲扮演)が付き添い、若い女性のほうから会の説明を受ける。
マキが言うには、喫茶店などで世間話をする煎茶コースと、それ以上の大人の関係をつくる玉露コースのふたつがあるらしい。
男は、なにやら微妙な期待を含めて、玉露コースを選ぶ・・・
といったところからはじまる物語で、「茶飲友達(ティー・フレンド)」という会は、高齢者向けの性的サービスを斡旋する会なのだ。
映画はその後、ひとり暮らしで、スーパーで半額シールの貼ったおにぎりを万引きするぐらいまで精神的に追い込まれた初老の松子(磯西真喜)とマキの物語が中心となっていくのだけれど、その間にも茶飲友達の婦人たちや運営側の若いひとびとの様子も描いていきます。
実際にあった事件に着想を得てつくられているらしいが、会を運営する側を若い世代にしたことで、映画的な多層性が出、面白みが増しました。
特に、妻子ある男性と交際し、妊娠してしまう千佳(海沼未羽)の、母親になる決意はあるものの経済的に困窮して行き場がなくなってしまうエピソードが痛々しく、会が摘発される寸前に売上金を持ち逃げしてしまう顛末は、やるせない。
その他、脱サラしてパン屋を開業し廃業した父親を持つ送迎担当の青年の、ホームレスとなった父親やパチンコ依存の茶飲友達婦人との間で板挟みになるエピソードも印象深いです。
会を立ち上げたマキが事あるごとに「ファミリー」と口走るのは、老年世代から若年世代へと脈々と受け継がれてきた「家族幻想」「家族という呪縛」なのだが、そんな幻想や呪縛にでも縋るしかないあたりが、いまの日本の現実なのかもしれません。
観終わって脳裏に浮かんだのは、年初に公開された『ファミリア』。
本作の方が「ファミリア」のタイトルが相応しい。
また、『夜明けまでバス停で』も想起しましたが、希望を感じた『バス停』と比べると、やるせなざが残ります。
なにせ、映画のラストでは、冒頭の初老男性が崩折れますからね。
茶柱勃ったらスタートです。
アナログの広告、新聞に掲載する「茶飲友達募集」、実態は高齢者売春倶楽部の会員を集める為の広告だった。
売春倶楽部と知らずに電話する高齢男性達と倶楽部で働く高齢女性、経営者(マナ)の家族の話。
コースには煎茶コース、玉露コースが選べる。煎茶だとお茶しながらの会話、玉露だとそれ以上のサービスがある。
とりあえず会員1000人を目標に頑張るマナと倶楽部で働く男女、目標の1000人へ達成した時に問題が!
万引き、自殺と人生諦めてた若葉(源氏名)、倶楽部で働き始めてすぐに店のナンバー3。
客の一人がコースの時間中に自殺。
自殺した客を放置し帰ってきてしまって問題に。
倶楽部も摘発されて経営者マナも警察に捕まるんだけど、マナ演じる岡本玲さんの捕まる前と捕まった後の演技のギャップが凄いな!っていう率直な感想。
岡本玲さんって全然メディアで見る事ないけどもっと露出してもいいのでは?と思った。
キレイだし演技も捕まった後の警察に怒鳴るシーンも迫真の演技!
あと気になったのが「承知で~す」っていうワードを使うティーフレンドの人達、聞き慣れない為か、面白いのと、何かキモい!という絶妙な感じ(笑)
あと個人的な意見だけど年齢関係なく男が好き、女が好きって、自分を輝かせる為にも必要な事よね!と思う。
実際こういう人のほうがカッコいい、キレイな人が多いのも事実。
評価は3.5だけど飽きずに面白かったです!
高齢者風俗ではなく家族を問いかける
ちょっと前に女性の友人(40歳代)がマッチングアプリをやっていたときがある。いいねのくるのが60代や70代ばかりで40歳代女性の婚活の厳しさを実感していると話していた。20年前の70歳代に比べると今の70歳代は元気なんだろうと思う。活動的だし、見た目も若々しい人が多い気がする。もちろん性欲もまだまだって人も多いんだろう。
本作は、高齢者向け風俗を描いているんだけど、違うものが見えてくる映画だった。高齢者の孤独、シングルマザーの苦悩、若い世代の運営サイドのチームワーク。高齢者の性というよりは、家族って何?というテーマを問いかけてくる。
寂しさを埋めるかのようにティーフレンドにハマる高齢男性たちの姿は、とても孤独で切なくなる。でも、同時に彼らがとても元気だってことに感嘆してしまう。「性欲は生きる力」ってセリフがすんなり入ってくる。
高齢者向けの風俗という視点が面白いと思っていたら現実に摘発された風俗だってことに驚いてしまう。やたらとリアリティがあるのもわかる。映画で出てきた売春行為は犯罪だ。でも、それで救われる人がいたことも確かだと思う。善悪、正しいかどうかだけでははかれないものが世の中にあるってことも考えさせられる。なかなか奥の深い映画だ。
主演の岡本玲がとてもいい演技だったことも付け加えておく。もっと他の映画も観てみたい。
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