「他人事じゃない」茶飲友達 soleilヾ(´ε`○)さんの映画レビュー(感想・評価)
他人事じゃない
最後のシーン、主人公が警察に「自分の孤独を他人の孤独で埋めるんじゃない」って言葉にハッとした。
松子さんも、利用されてるとわかっていたけど誰かに必要とされたくて売春に甘んじていた。
春を売った直後、シャワーから出てきたら客が自殺してそれを放置して逃げた松子。
1人で死にたくなかったのよ、ただ生きているだけって…というのは、高齢者誰しもが思うんじゃないかな。
同時に、親に縛られた主人公(とはいえ、親の愛情表現だったと思う)や、不倫と知らずに身籠った両親のいない女子、脱サラパン屋を廃業した車中泊の親、などそれぞれ抱える孤独や無知など、フォローしてくれる親や友達がいないという問題もあるんだろうな。
高齢者や若者の孤独を、表面だけのビジネスファミリーじゃなくて、もっと違う形でファミリーにする力があったんじゃないか…煎茶だけの本当の茶飲友達から再婚とかのマッチングサービスとか。
と思うけど金銭が発生することによって自浄作用が生まれることもあるだろうし、毎回必要とされている、社会の一部になっていると感じられるんだろうな、、と考えてると、ただのマッチングサービスも足りないのかなぁ。
結局ふんわり繋がっている人間関係のセーフティネットって大切だよね、と思いきやヤバくなったらみんな手のひら返して逃げちゃうし、主人公が築いたものはなんだったのか。
色々考えさせられる作品だった。
あと、松子さんが万引きしてる最初の顔と、売春始めてからの生き生きとした顔と、ホテルから逃げて来ちゃった時のティーハウスでの顔が全部違う人に見えて女優さんってすごいなーーー!!と感心。
あとあと、松子の最初のお客さんが最初ガッついてたけど、松子が一呼吸置かせてからゆっくり接吻を始めた時に、「私はいなくならないから安心して」って言ってるようで、それをお客さんも無言で理解したように思えて、切なくなった。
受け入れてもらえる安心感はいくつになっても必要なんだな…。