「愛の力が勇気を与える」聖闘士星矢 The Beginning 加田瀬恋さんの映画レビュー(感想・評価)
愛の力が勇気を与える
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前提:原作未読
娘を信じる父親と、制御を失う母親。
その争いに巻き込まれる、姉を失った少年。
しかし愛の力によって、今運命が動き出す。
アテナの生まれ変わりである娘シエナは、自身の運命を受け入れ、その時を待ち続けている。そんな運命を同じく受け入れつつも、運命が変わることを望む父アルマンは、娘を守る聖闘士を捜索する。一方、母グラードは、両腕を失ったことを機に自身を制御する心も失い、娘の殺害を計画する。両者による長い争いの結果、星矢は姉と生き別れ、代わりにアテナを守るという使命を与えられる。
最終的に、星矢は聖闘士としての使命を、シエナは自ら運命を変える力を、グラードは娘を信じる心と自身を制御する心(両腕)を手に入れる。
しかしながら、物語における小宇宙(コスモ)や聖衣(クロス)などに関する説明が不十分であり、物語の軸も主人公ではなく、悲惨な運命を背負った養子を巡る夫婦喧嘩である。その結果、巻き込まれてしまった主人公という側面が強く、主人公に感情移入しずらい。シリーズ化を見据えた一作ではあるとは思うが、主人公の物語が蔑ろになっている点が残念である。
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