「原作の魅力を引き出しているとは言い難い」聖闘士星矢 The Beginning tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の魅力を引き出しているとは言い難い
神々と人間との壮大な戦いの物語かと思いきや、娘を亡き者にしようとする母親と、娘を守ろうとする父親との「夫婦喧嘩」の話になっていて、スケール感の乏しさは否めない。
だったら、こうなる前に、いくらでも話し合いで解決することができたのではないかとも思ってしまう。
「聖闘士」がsaintではなくknightであったり、「聖衣」がclothではなくarmorであるのは致し方ないものの、聖闘士星矢の最大の魅力である「星座」や「ギリシャ神話」のモチーフがまったく活かされていないことには、物足りなさを感じざるを得ない。
最初の地下格闘場のシーンやマーク・ダカスコスの格闘シーンには見どころがあるものの、アクションもVFXも徐々に既視感が強くなっていって、ラストのフェニックスとの決闘シーンが一番つまらないというのはどうしたことだろうか?
新田真剣佑の堂々たる主演ぶりや、流暢な英語の台詞回しは、確かに素晴らしいとは思うのだが、星矢のキャラクター造形に成功しているかと言えば、残念ながら、あまり魅力を感じることはできなかった。
星矢の姉の所在など、解決されていない謎が数多く残されているが、続編を楽しみにしたいとは思わなかった。
コメントする