ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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雰囲気はありました。
1940年代の街並みや車の往来等見事に再現していて美術やライティングはかなり見応えはありました。
サスペンス要素が強い人間ドラマでデルトロらしいダークファンタジーのような不気味な見世物小屋も雰囲気満点。
出演者も豪華で配役も文句のつけようがないのですが、150分の上映時間が少々長く感じました。
ブラッドリー・クーパーの演技は見事ですが、やはり外見が立派過ぎる。この役は野心はあるがうだつの上がらない風貌のさえない奴が徐々に成りあがって栄光を掴んだかに見えたが徐々に闇に落ちていき最後は無残な・・・。という方が感動できたかもという我儘な感想を言いたくなりました。
見る価値のある良心的な作品です。デルトロ監督作品が好きな方には特にお勧めです。
人間の欲望の果てに…
2018年に『シェイプ・オブ・ウォーター』で、アカデミー賞の作品賞を受賞した、鬼才・ギレルモ・デル・トロ監督が描く、上質なサスペンス劇場。ギレルモ監督らしい、最初から最後まで、暗く、もの苦しいトーンの中で、ストーリーも背景も展開していく。しかし、各シーンごとの映像は、隅々まで洗練されていて、ダークな中にもインパクトある色彩映像として心に刻まれていく。
舞台は、暗雲が世界を覆いつくそうとする、第2次世界大戦に突入する1940年代のアメリカ。
父親に対してトラウマを抱えた男・スタンが、人獣の見世物を売りにするカーニバル一座と合流し、団員の女性・モリ―と恋に落ちる。一方で、カーニバルの団員から読唇術を学び、都会での読唇術ショーを目指し、モリーと共にカーニバルから抜け出す。そして、スタンが備えたカリスマ性から、ショーは成功を収める。
更なる、高みを目指したスタンは、モリーの心配をよそに、魅惑的な心理博士・リリスに唆されて、大富豪や政治家を相手に、読唇術を活かした、インチキ霊媒を始めるのだが…。そこには、あまりにも悲惨な闇が、スタンを待ち受けていた。
ストーリーの前半では、田舎の怪しげなカーニバル一座のステージを描き、後半では、派手やかな都会のショー・ビジネスのステージを描くことで、明暗分かれる正反対のステージで構成されている。しかし、主人公・スタンにとって、どちらが明で、どちらが暗だったのかを交錯させるところも、監督の演出の面白さ。人間誰もが持つ、心の奥底にある強欲や傲慢を引き出し、その哀れな姿を訴えかけてくる。
本作では、出演者も豪華。主演のスタンには、『アメリカン・スナイパー』をはじめ、男くさい演技で定評のあるブラッドリー・クーパーが。それ以上に、作品を盛り上げているのが、ウイリアム・デフォー、ケイト・ブランシェット・ト二・コレット、ロン・パールマン等、それぞれ個性が強く、一癖も二癖もある俳優が脇を固めることで、耽美で、怪奇で、それでいて鮮やかなギレルモ監督がねらう物語を演出している。
ラストシーンは、最初からの布石から、何となく予想されたが、二時間半に及ぶ大作にもかかわらず、中弛は感じず、ギレルモ監督らしいサスペンス映画となって仕上がている。
サスペンスでもミステリーでも無い
哀しい1人の男の人生を覗く作品であり、ハラハラドキドキを期待せずにゆったりと鑑賞するのが正解。
終着点は凡そ予想がつき、楽しいものでは無いが、良い意味で古くさい感が漂う映画に浸りたいときもあるものですわ。
今度は因果応報譚
少しオールドファッション過ぎやしないだろうか、プロットも演出も。
「シェイプ・オブ・ウォーター」が『大アマゾンの半魚人』の更新であったように、今作は昔ながらの因果応報譚の再解釈に思える。ブラッドリー・クーパー演じるスタンの顛末(円環またはらせん構造)は端的にそれを現してるよね。
しかしデルトロに、『大アマゾンの半魚人』に対するような愛情があったかは疑問…。そこら辺りが出来に影響している気がする…カーニバルに対する愛情はたっぷり感じたけれども。
デルトロにはもっと偏愛を前面に出した作品を期待したいな。
悪夢小路へ行ってらっしゃい😎
豪華な俳優陣と美術で描かれるのは、ある男の数奇な運命
観客となり、めくるめく因果応報のストーリーをシートに釘付けになって眺めれば、
やがて自分の中の欲望にも否応なく向き合わされて悪夢小路(映画館)を後にすることになります
さあアナタも悪夢小路(ナイトメア・アリー)へ行ってらっしゃい😎
普通にオーソドックスにアカデミー本命と思う。胡散臭さと真実の境界線上。(前半は魑魅魍魎ちみもうりょうな不気味の魅力・作りが細かい)
とはタイトル書いているが、昨年が単なるドキュメンタリーに毛が生えた作品だったし、
全然関係ないけどノーベル文学賞も、テキトーな歌詞の「あまり深く考えてるとは思えない」
歌しか作れないボブ・ディランが受賞するええ加減な時代だから・・・ボブは歌手としては優秀ですよ。
また「メッセージ性がどうたら・・」
そんなことはどうでもイイんだよ💢「話題賞」でも与えれば良い。
そういう意味で、この作品ストーリーも
細かい装飾品にまで至る背景の作り込みも申し分なく
普通にオーソドックスな「作品賞」「撮影・美術賞」だと、あくまで個人的な意見で思った。
ただ蛇足知識だけれども、ケイト・ブランシェットと「トニ・コレット」の事前無料リーフ
(このサイトにも使われている)写真が瓜二つだったの懸念したが
ストーリー上の交錯も無く、動いている雰囲気は別人なので杞憂であった。
前半は昔のお楽しみ、縁日の「見せ物小屋」みたいな
カーニバルの猥雑さ、魑魅魍魎なんでもありの奇っ怪さが「怖いもの見たさ」を
満たしてくれた。
後半は、読心術だかの、インチキか、真実かの境界線上
をブラッドリー・クーパー演じる主人公が
いかにも妖しげなケイト・ブランシェットの心理学博士に乗せられて・・
境界線上を突き抜ける。
最後は因果応報のオチ付き。理解度は観客各人により違うだろけど
誰でも基本的なラインは理解できる親切さ。
プラス「1941=パールハーバー=余裕をかます、アメリカ万歳」も怠りがない抜け目さ。
嘘発見器がお久しぶり、ワシ的には「睡眠学習機」を連想させる胡散臭さ最高。
そもそも、今は無いだろけど、昭和時代は確かに「ニワトリ生きたまま食らうヘビ女🐍」の
見せ物小屋あったし
主人公が重要人物を陥落させる術は「新・興宗・教」の典型的な
騙しのテクニック。怪しいDAI・・・のメンタルなんとか、江・・のスピリットなんとかに通ずる
今も生きているテクニック。
人間は不安定だから真実と嘘の境界線上のものが、「自分だけが気づいた奇跡」
と思い込んでしまうと思う。あくまで以上は個人的な独断的見解。
でも、怖いもの見たさの好奇心満たしてくれて、起承転結の運びもよく
本来なら星⭐️⭐️⭐️⭐️🌟5つ。でもアカデミー外れたら困るから▼0•5。
いやでも最低でも「美術賞」確定だと思い込んでます。
映画らしい映画
全く内容もジャンルも知らない状態での鑑賞です。
ちょっと、いやかなり変わったストーリーですね。
スタンが怪しげなカーニバルの一員となり、そしてその先に待っていた運命が…
見終わったあと満足出来る映画でした。
しかし、最初のシーンは意味が良く分からないなぁ〜。
ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラーってもうキャロルやん、と...
ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラーってもうキャロルやん、と思いましたが、さほど二人の直接対決はなし。途中でオチが読めてしまったけど、それでも安定のおもしろさでした。
新境地に挑むこととファンの期待に応えることを両立させることの難しさ
デル・トロという監督と題名から、もっと「悪夢」のような、「迷宮」のような映画を期待して観たが、いささか肩透かし。ホルマリン漬けの胎児や、血だらけの幽霊のシーンには「デル・トロらしさ」を感じられるものの、明らかに物足りない。
そもそも、ペテン師が破滅していくだけの話を、これだけ仰々しく、もったいを付けて描く必要はあったのか?その割りには、伏線があからさまで、早くから結末が分かってしまうのはどうしたことか?いかんせん、ミステリーやサスペンスに必須の、ストーリーとしての「驚き」が欠落してしまっているのである。
別に、ファンタジーじゃなくても、モンスターが出てこなくても構わない。新境地を開きたいという作り手の意気込みも、分からないではない。それでも、デル・トロには、「何かやってくれるはず」というファンの期待に応えて欲しかったと思うのである。
自分が一番わかっている。
最初からの伏線で
最終的に自分が獣人になるのは
当然の報いであるということが
本人の顔から滲み出てたのが
最後、心に残った。
時代が古いのもあり
感情移入はまったくないが
物語としてすんなりと頭に入ってくる感じがした。起承転結に加えて伏線回収がはっきりしていた。
人獣よりもケダモノみたいな人がやばいのだ‼️❓
多分、アカデミー賞に評価されたのは、映像と音響と美術と豪華なキャスト。
獣人のオチは落語レベル、主人公は小賢しいが、大事なとこは白痴レベル。
大金持ちのヤバいやつ、心理士、全て、クソ人間🧑
多分、キリスト教根本主義で、悪のいく末は、地獄、そう、めでたし。
でもね、現実には、日本では、主人公は役所で、悪の限りを尽くして、バレそうになると、部下を自殺させて、のうのうと生きる。
だから、この映画でも、宿命と言いながら、うまく生き延びるんだよね。
せめて、変態富豪は殺されて良いじゃ無い。
なんの共感も感動のかけらもない映画ですが、退屈のかけらもありませんでした。
映画の最先端を🎞🎟知るために是非。
一時期でも"この世のすべて"が手に入るなんて絶対に思わないほうがいい危険なゲーム = (雰囲気/トーン込みで)大人の"見世物"
ギアがかかるのに時間がかかる。そして、お酒飲みたくなくなってチョコ食べたくなる。本格的に面白く盛り上がってきたときには少し"遅いよ"って言いたくもなったけど、それはそれで、いざ見終わってみると実尺より短く感じたかも。
と、デル・トロ監督の素晴らしいフィルモグラフィーにおいてベストな作品ではないかもしれないけど、胡散臭いインチキ商売で人を踏み台・食い物にしてきたツケがやがて巡り巡って回ってくる教訓に満ちたダークな内容で、例えば『クリムゾン・ピーク』よろしくゴシックホラー・ミーツ・ノワール的な魅惑的雰囲気を堪能できる。本編始まってからなかなか一言目を発さない(!)謎めいた男が経験する立身出世からの盛者必衰、人間の欲深さの成れの果て。オリジナル未見ながら、まるで"当時の作品をカラーでしたらこんな感じ"といった趣がどこかあった。それを助けているのは、メイクや衣装の力もあって普段より白黒モノクロ映えしそうな往年のスター顔 & ファム・ファタールな役回りケイト・ブランシェットなど役者陣あってこそ。
あと、いちいち力の入った人体破壊描写(技術の進歩!)、暴力描写の生生しさなど随所のグロ味にもデル・トロっぽさがあって、オリジナルより本編尺が長く伸びているのは偏に"そういう部分に力を入れるためか?"などと勘繰ってしまいそうでもある。そういう面からも何処かB級映画的内容をA級オールスターキャストで描く醍醐味。しかも使い方がなかなか豪華で、製作も兼ねる主演ブラッドリー・クーパー等ごく一部の人以外はさながらロードムービー的に各々のパートだけで個性(と主人公への影響)を残していく。悪夢の小路に迷い込む…。とは言ってもやはり『シェイプ・オブ・ウォーター』や『パンズ・ラビリンス』のほうがやはり好きな気持ちもある。
勝手に関連作『時計じかけのオレンジ』
人間の弱い面をついたある意味、恐怖映画とも思える作品。
時代を第二次世界大戦開始直前に設定したことが、この作品に恐怖映画の側面を与え深みを増している。
主人公は読心術師として、そこそこの成功を得た。成功の秘訣は観察眼と人間の深層心理(精神分析)に熟知している事である。読心術の肝は、人間の夢や希望、不安と恐怖である。もちろん、欲望も。これらを利用して、人の心を操ることも可能だと読心術の師匠は諭す。
より多くの富と名声を得るため、主人公は師匠の教えを裏切り、一線を超えてしまう。前半、ヒトラーやチャーチル及びルーズベルトの政治家の名が出る。私はこれら政治家が読心術を使って、私たちを操る寓意物語かと感じた。
戦死した1人息子を想う母親、大富豪で権力者でありながら、死別した恋人を想う老人、その想いが多くの女性を傷つけたようだ。どんな境遇にいても、人間に悩みは尽きない。その悩みに付け込む人がいる。詐欺師、政治家、宗教家、ある意味これは恐怖映画ではないか。詐欺師の成功転落物語だけとは思えない。
上映時間が3時間近い。退屈はしなかったが、2時間くらいにして欲しかった。また、伏線がよく貼られ結末が予想できてしまう。ちょっと残念だ。
意外だったのは、映画化は2回目で初回は主人公をタイロン・パワーが演じた。美男子過ぎて、役に合わない。クーパーの方が似つかわしい。でも、ちょっと歳を食っているかな。
チャップリンの「殺人者」でのセリフ。「1人殺せば殺人者だか、100人殺せば英雄だ」。第二話世界大戦の開始だ。時代を移動した効果がでている。
映像を見る限りかなり豪華だが
あんなインチキ霊媒師に騙されるんだろうか?
まさか幽霊の仮装までさせるとは?マジか?
映像を見る限りかなり豪華だが、話の本筋は貧弱に思える。
サスペンス感も、あまり感じなかった。
因果応報・自業自得
結局は欲張るとろくなことがないということなんだろう。
身の丈を越えると破滅するという教訓めいた内容で、それなりに面白かったと思う。
ただ…。
獣人って…。
どう見ても獣じゃないよ(笑)
そして、登場人物は、もう一回り若い人がやらないと…。
あまり魅力を感じず、そういう意味で説得力がなかったかも?
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