ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
全224件中、181~200件目を表示
一時期でも"この世のすべて"が手に入るなんて絶対に思わないほうがいい危険なゲーム = (雰囲気/トーン込みで)大人の"見世物"
ギアがかかるのに時間がかかる。そして、お酒飲みたくなくなってチョコ食べたくなる。本格的に面白く盛り上がってきたときには少し"遅いよ"って言いたくもなったけど、それはそれで、いざ見終わってみると実尺より短く感じたかも。
と、デル・トロ監督の素晴らしいフィルモグラフィーにおいてベストな作品ではないかもしれないけど、胡散臭いインチキ商売で人を踏み台・食い物にしてきたツケがやがて巡り巡って回ってくる教訓に満ちたダークな内容で、例えば『クリムゾン・ピーク』よろしくゴシックホラー・ミーツ・ノワール的な魅惑的雰囲気を堪能できる。本編始まってからなかなか一言目を発さない(!)謎めいた男が経験する立身出世からの盛者必衰、人間の欲深さの成れの果て。オリジナル未見ながら、まるで"当時の作品をカラーでしたらこんな感じ"といった趣がどこかあった。それを助けているのは、メイクや衣装の力もあって普段より白黒モノクロ映えしそうな往年のスター顔 & ファム・ファタールな役回りケイト・ブランシェットなど役者陣あってこそ。
あと、いちいち力の入った人体破壊描写(技術の進歩!)、暴力描写の生生しさなど随所のグロ味にもデル・トロっぽさがあって、オリジナルより本編尺が長く伸びているのは偏に"そういう部分に力を入れるためか?"などと勘繰ってしまいそうでもある。そういう面からも何処かB級映画的内容をA級オールスターキャストで描く醍醐味。しかも使い方がなかなか豪華で、製作も兼ねる主演ブラッドリー・クーパー等ごく一部の人以外はさながらロードムービー的に各々のパートだけで個性(と主人公への影響)を残していく。悪夢の小路に迷い込む…。とは言ってもやはり『シェイプ・オブ・ウォーター』や『パンズ・ラビリンス』のほうがやはり好きな気持ちもある。
勝手に関連作『時計じかけのオレンジ』
人間の弱い面をついたある意味、恐怖映画とも思える作品。
時代を第二次世界大戦開始直前に設定したことが、この作品に恐怖映画の側面を与え深みを増している。
主人公は読心術師として、そこそこの成功を得た。成功の秘訣は観察眼と人間の深層心理(精神分析)に熟知している事である。読心術の肝は、人間の夢や希望、不安と恐怖である。もちろん、欲望も。これらを利用して、人の心を操ることも可能だと読心術の師匠は諭す。
より多くの富と名声を得るため、主人公は師匠の教えを裏切り、一線を超えてしまう。前半、ヒトラーやチャーチル及びルーズベルトの政治家の名が出る。私はこれら政治家が読心術を使って、私たちを操る寓意物語かと感じた。
戦死した1人息子を想う母親、大富豪で権力者でありながら、死別した恋人を想う老人、その想いが多くの女性を傷つけたようだ。どんな境遇にいても、人間に悩みは尽きない。その悩みに付け込む人がいる。詐欺師、政治家、宗教家、ある意味これは恐怖映画ではないか。詐欺師の成功転落物語だけとは思えない。
上映時間が3時間近い。退屈はしなかったが、2時間くらいにして欲しかった。また、伏線がよく貼られ結末が予想できてしまう。ちょっと残念だ。
意外だったのは、映画化は2回目で初回は主人公をタイロン・パワーが演じた。美男子過ぎて、役に合わない。クーパーの方が似つかわしい。でも、ちょっと歳を食っているかな。
チャップリンの「殺人者」でのセリフ。「1人殺せば殺人者だか、100人殺せば英雄だ」。第二話世界大戦の開始だ。時代を移動した効果がでている。
因果応報・自業自得
予告編からファンタジーだと思ってたのに。
思ってたのと違った!
2022年劇場鑑賞73本目。
予告をちらっと見たイメージで、心を読める探偵が魔性の女に振りまわされながら事件の謎を解き明かしていくストーリーだと思ったら魔性の女しか合ってなかったぜ!吹き替えの予告のハードボイルド感がそういう誤解を産んでしまったのか・・・。
そういう展開になると思っていたので前半は「いつそういうところに行きつくんだ?」と考えながら見ていたのもあり、途中からそうじゃないことに気づく頃には前半戦が終わっていましたが、前半の見せ物小屋の部分の方が「マイナーなお仕事紹介ムービー」になっていて面白かったという。後半になって勘違いしていた展開にやや近づくのですが、同じギレルモ監督のシェイプ・オブ・ウォーターでも感じた意地の悪い展開が自分にはあんまり好みじゃないなと思いました。
オチは皮肉がきいてて良かったけど嫌だなと複雑な感情。
時間の流れをじっくりと味わえます
予告もポスターも高級感があってすごく面白そう。試写会を除き、久々にちゃんと映画館で映画を見る。なんと3月12日のウェディング・ハイぶり。ただいま、映画館と言うのに相応しい作品だろうと思い、公開初日に劇場へと足を運んだのだが、かなり期待を裏切られてしまった。思ってたんのと全然違う。シンプルに面白くない...。
孤独な男が変貌していく姿はそこそこ面白く、予想通り品と重厚感のある作品ではある。ラスト20分間はえげつないほど緊張したし話としても結構良くて、締め方も悪くない。ただ、そんな映画ありふれている。
最大の欠点としては魅力的なキャラクターがゼロだということ。なんだこれと思っちゃう始まり方で引き込み方は弱いし、主人公が終始好きになれず感情移入出来ない。痛い目に遭おうが、苦しんでいようが、他人事にしか思えない。サーカス会場の3人は結局なんの意味も齎さずに退場。もっと親密に絡んでくれよ。
とにかく長い。一分一秒と時間が流れるのがしっかり感じられてしまう。時が経つのが遅すぎて本当に苦しかった。演出だけ一丁前で中身がスカスカ。何が起こるのか予想出来るし、何が起こってもふーんって感じ。もっと捻りのある映画だと思ってた。こんなシンプルでつまらないことあるのか。
ハラハラドキドキワクワク皆無。
人を楽しませようとする気があるのかこの映画は。中盤からミステリー要素が垣間見えるけど、結局は主人公の自己中映画。どう楽しめばいいんだ、これ。
平凡な映画過ぎて何を語ればいいのか分からない。ただただ時間が過ぎるのを待っていた。少し言いすぎましたが、雰囲気としてはすごく好きです。ショックに感じたのは予告が煽りすぎていたからかな...。もったいない気がしました。
※追記
レビュアーの方からご指摘を頂きました。
多くの映画に対して、大変失礼なことを書いてしまったことを謝罪いたします。申し訳ございませんでした。上記の内容は削除させて頂きました。
そして歴史は繰り返される。
予告編がミスリード
〝芸は身を助く〟ではなく〝芸が身を滅ぼす〟映画です
スタンは野心家なんかではありません。
ただ、お金が欲しいのと、自分の詐術の凄さを見せつけたかった、今で言うところの〝承認欲求〟が強いあまりに、判断力を欠いたまま、方向性を間違った人です。
野心家というのであれば、判事やあの大富豪とは、一時的な報酬で終わる関係ではなく、セレブの世界での地歩固めに活用する方を選ぶはずです。
野心家というからには、チマチマとした稼ぎを繰り返すのではなく、一定の名声と近い将来の地位(例えば、ゴッサム市長になるとか…あ、違う映画だ😂)への執着があるとかのイメージです。
チラシやサイトのあらすじ紹介で、〝野心溢れる青年〟なんて書くからガッカリしてしまうのです。
映画からの情報だけであれば、『シャーロック・ホームズばりの観察力と洞察力を身につけたが故に、その技に溺れて身を滅ぼした』男の話だと思います。
あれほどにも清楚で可憐なルーニー・マーラと恋仲になれたのだから、後は彼女を悲しませない程度の収入があれば、もう十分に幸せなのに❗️
野心とも呼べない程度の目先の欲得で転落した男の話なので、さして感動することはありません。
ただ、3人の大物女優の存在感、美術、衣裳、カーニバルの不気味な雰囲気などを味わうだけでも映画館で見る価値はあります。
※チャップリンみたいなドイツ野郎っ❗️
には笑えました。
わかりやすいんだか、わかりにくいんだか……
超豪華な見世物小屋映画ですが、
凄い豪華なキャストだ。テーマは見世物小屋裏町人生、みたいなのだけど。日本でもこういうテーマのコミック、小説いくつかあるな。やっぱりデルトロと日本カルチャーは通じるところはあるのかも。
個人的にはあまり乗れなかった。見世物小屋にあまり禍々しさがなかったんだよな。装置も人も。この辺うまい映画は邦画でも過去にもたくさんあるし。そして早々にたぶんラストはこうなると思える通りのラストになった。でもこういうラストのアメリカ映画はあまりない。原作がそうだからだろうか。悪夢小路、いいタイトルだ。
前半からの人のさばきかたがあまりうまくない。逃げ込んできた罪人と悪夢古路の住人との連結があまり印象強く繋がらない。なんとなく接点となる何かがカットされてるくらいに。大好きなルーニーマーラもそんなによくなかった。1時間であそこを飛び出させなきゃいけないので端折ったのだろう。それは失敗な気がする。
結局、ルーニーマーラとケイトブランシェットとのドラマが勝負どころだったと思うし。
それにしてもキャストが豪華だった。メアリースティンバージェンまで!だった。
観に行くのか、観られに行くのか動物園
全224件中、181~200件目を表示












