ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
全280件中、161~180件目を表示
自らの欲望に翻弄され、皮肉な運命をたどる男の物語。
ギレルモ・デル・トロ監督作品ということで、映画として、まったく問題はありませんが、ここまでくると、男が、なぜ父親に恨みを持ったかというところまで描かないと、見ごたえに欠ける部分があるかもしれません。
しかし、そうなると上映時間が3時間前後になり、個人的には旧作を観たことも、原作も読んだこともないため、それができるのか、できないのかは、考察することができません。
旧作から変わっているのは、ラストシーンだけのようです。
映像に、ストーリーに、まったく問題になるところはないのですが、何か、もの足りなさがある…、そんな感じでしょうか。
…とはいえ、完成度は高いといえる作品です。ぜひ、劇場でご覧ください!
ギレルモの世界(暗い絵画のような影像)満載 闇・夜・時代・・
映画は全編、独特の色合い(ホラー映画にでてくる館内部のような古い館の中のトーン、壁に掛けられた絵画)の世界の出来事のような画像で進行していく。前半は、主役スタンがカーニバル市座(悪辣な見世物小屋)に入って、タロットカード、読心術などなど闇の世界での処世術を身に着けていくサマをホラーサスペンス的に描き、後半はそれら処世術でランクアップしていき、リリスなる精神科ケイト・ブランシェット登場より、闇ホラーからサスペンス路線になり、本映画の見せ場、大富豪からの最大の詐欺へと結末へ進んで成功か?駄目か?→後、終わりかと思いきや→イレギュラーな事が・・・。サスペンス・ホラー要素がありますが、本作の本質は人間のドロドロした欲の極みに近づいた者(スタン、カーニバル舘の主など)の末路(因果報酬)を本人と、欲に近づく者、その者達にに巻き込まれた人(モリー:もう少しスタンとの生活をえがいてほしかった)を観せていく。
★Digital5.1ch観賞
★重低音 △
★音圧 △
★分離度 ○
★移動音 ○
★サイド、後(活躍度)△
★サラウンド ○
近代の泥濘
この作品の時代背景は1939年頃である。近代という時代が人間の欲望を目覚めさせ、近世までの牧歌を駆逐し、人を欺いてまで欲を満たそうとし、戦争を繰り返す泥沼の時代だ。その欲望に突き動かされて主人公は父を殺し家を捨てて街に出てくる。そこで彼を待っているのは激しい雨と泥濘(ぬかるみ)である。私の子どもの頃までそうだったが道路や地面はまだ舗装されていなかった。雨が降ると砂利の敷いてないところは泥濘になった。主人公は泥にまみれて見世物小屋の天幕を畳む手伝いをする。そこに泥にまみれた傷だらけの獣人もいるのだ。「宿命だ」と最後に声を振り絞って自嘲する主人公を通して描かれたものは虚飾の泥濘にまみれた近代の断末魔の姿なのだ。
サスペンス海外ドラマのように堪能、新鮮味は無い
予告編から、ベタであまり興味を持てなかったが、見た。
やはり、とても凡庸だった。
見世物小屋というのも、どこかで見た感じで新鮮味がない。
獣人にしろ、小さい人にしろパンチの効いたフリークはいない。
ケイト・ブランシェットは、昔美しかった時代の美輪明宏のようで(しゃべり方も似ていた)、容姿は完璧だけど、ただの飾り物のよう。
それに、主人公の老親に対する虐待シーンにしても、救いがなく気が滅入る。
連続サスペンス海外ドラマとして見るなら、結構面白がってみるかもしれない。
わざわざ劇場で見る作品か?
重いけど好き
時間が経つにつれてより面白く思えてきた…
フリークショウな前半とケイト・ブランシェットをファムファタルとしたフィルム・ノアールな後半、テイストの全く異なる話が語られるのだが、全体を貫いているのが〝獣人〟。獣人をキーワードに全体が微妙に入れ子構造になっている。
ブラッドリー・クーパー演じるスタンは獣人の口上に釣られカーニバルへと入って行く。そこで座長の口から語られる「獣人の作り方」を後半でブランシェットが実践して行く…。
タイトルが示す通りスタンは〝悪夢の小道〟にはまり込んでしまうのだが、その悪夢は誰が見ている悪夢なのだろうか…?
全く救いの無い暗く重い話なので好き嫌いは分かれると思うが、スルメみたいな魅力が有り、時間が経つにつれ段々面白さが見えて来る作品である…。
スタン、恐るべきペテン師と思いきや
これまであまりギレルモ・デル・トロ監督作品には縁がなかったが、先日のアカデミー賞にもノミネートされていたので、見に行ってみた。
ブラッドリー・クーパー演じるスタンと言う読心術を操る男の成功と失脚の話で、その手口たるや、ペテン師。華やかな栄光を目指すも、その過程で落とし穴に落ちて、どうにもならない様が、巧く描かれていた。
注目点は女性だった。ケイト・ブランシェット演じる心理学士(だったかな?)、サーカスショーで知り合い恋に落ちたモリー、そして最初に嵌めようとした判事の妻など、殊女性がポイント。
ジーナという女性もそうか。
彼女たちを手玉にとれるようなら、完璧なペテン師になりえたスタン。しかし、その彼の翻弄され具合がこの映画の面白いところ。
音楽や雰囲気が、ちょっとオカルト映画かなと思ったが、人間の心理描写を巧く描いた作品になっている。最後のシーンですべてが集約されていたと思う。
観ていてドキドキする、楽しい、というより、今こうやってレビューを書いていると『なるほど』と思い出すところがあって、余韻を楽しむには良い作品だった。
_φ(・_・勘違い
カーニバルの背徳的な雰囲気、、、、日本にもありましたよね、見せ物小屋。
なかなか雰囲気を出していて良かったかと思います。
私も小学生の頃高い金払ってヘビ女見に行きました。怖かったなぁ、、、この映画の獣人と同じように蛇食べていましたよ。
映画はこの見世物小屋の獣人の話ではなく、読唇術を使う男の物語というか顛末というか。
相当勘違いしてました。
エレファントマンみたいな展開か?移動遊園地のサクセスストーリーか?と思ってましたが全く違っていて驚きの連発。
読唇術の男の顛末はあまりにベタで眠くなってしまいました。
特に自分の愛人に幽霊の役をやらせるの、、、そりゃバレるってと冷めてしまいました。
メンタリストの危険な賭け
ケイト・ブランシェットはちょっと厚めにメイクするだけで普通に恐い
父親殺しの浮浪者がたどり着いのは気味悪い見世物小屋もやっている移動遊園地(カーニバル)。
ピートの手帳に書いてある読心術のコツを番号付で何度も繰り返して読み上げるシーンがキリスト教の七つの大罪に対応するように感じられ、読心術とインチキ降霊術で人を操るペテン師がやがて獣人の見世物に身を落として行く因果応報的なストーリー(ミイラ捕りがミイラになるみたいな)がなんとも説教臭くて、いやーな感じだった。キリスト教とくにカトリックの人はどんな風にとらえるんでしょうかね。
そんな解釈でいいですか?
まぁ、あんまり、楽しくない。
ブラッドリー・クーパーの青い瞳は如何にも異界の住人らしくて、怖くもあり、美しくもあり。
ケイト・ブランシェットとトニ・コレットは普通に恐かったです。
奇形のホルマリン浸けの標本はもっとおどろおどろしい本物をたくさん見せて欲しかった。
あと、見世物小屋といえば、やっぱりヘビ女。生きたヘビを食べる半裸の女。メズゥーサのお化けみたいな。
ルーニー・マーラの電気椅子の場面が色っぽいので釣られて見ましたが、予告編だけでも充分だったような。
ルーニー・マーラが三谷監督のマジックアワーでの深津絵里の雰囲気に似てるなぁなんて思って見ていましたが、ディズニーでしたか。なるほど。
個人的にはもうちょっと、大人の映画にしてもらいたかった。R15+ぐらいの。
気になったのはウィリアム・デフォーから見世物小屋を受け継いだ新店長が首からさげていたのは保安官のお母さんの形見のブレスレットたったような。もしかしたら、保安官も酒浸りになって獣人にされて殺されてしまったんじゃないか?と考えるとスタンの罪深さが倍加しますね。
因果応報。
アリーちゃんは出て来ません。
小路:alley だからね。
真ん中に中黒入れるのは如何なものか、、。
さて、クリーチャー出ないけど見せ物小屋の話だからフリークスとデルトロの傷口フェチも炸裂。
ある意味話の結末は中盤に主人公も観客も知るんだけど、そこに向かってわかってても突き進んでしまう人間の欲望というか、主人公の因果。
デルトロは「エノク」という奇形胎児の液浸標本を何度も象徴的出してる。主人公の偽千里眼、偽降霊術のメタファーだろうか、、、?
ウィリアムデフォーとロンパールマンは何時も通りだから影薄い。周りがえぐいので今回ルーニーマーラは清純派。トニコレットとケイトブランシェットの二本柱が主人公に絡む。特にケイトブランシェット、これはまり役だと思った。彼女以外考えられないわ。
主人公も最後笑顔だったような気がするんだけど、観てた自分も何故か笑顔になった納得の結末2時間半。
メッチャ面白かったー!自分的には結末が2回あった感じで大満足(笑)
前情報一切無しの鑑賞がお勧め。
本作の監督のアカデミー受賞作。
清掃員が半魚人に恋する作品の世界観が好きで期待して観賞。
本作の世界観も良かったけど何よりもストーリーがとても良かった!
ブラッドリー・クーパーさん演じるスタンが「謎」の読心術を使い金儲けするストーリー。
読心術と霊媒師的な事をしながら金持ちから金儲けする展開。
精神科医リリスのポイントが高目。
謎の読心術が雪だるま式にどんどん深みに嵌まって行く展開にドキドキハラハラ。
後半のどんでん返しに見事な結末!
このどんでん返しに伏線があったのに全くノーマークだった自分が悔しい(笑)
と、思ったらその先に新たな結末があった(笑)
本当の結末がお見事!
これで満足度が益々上昇⤴️
ラストに喋るスタンのセリフ。
「あっぱれ!」を差し上げたい(笑)
亡霊を召還するシーンは流石に無理が有りましたね( ´∀`)
純粋な瞳に悪は宿る
彼はその無垢なる瞳とともに、人々を魅了しつつも、多くの悪をなした。それは「騙す」という不義。
観ていて不安しか起こらない展開が続いて、ようやく肝心なセリフ。「あなたは金のことしか考えていないチンケな男なのよ」。この映画も悲劇的ではあるが愛についての物語だったのだ。
しかしついに自分を騙し続けることが不可能であることを悟り笑いだす。「宿命」という言葉が落ちかと思うと、これに2時間を使ったことに軽く絶望的な気分になり席を立った。
彼が妻を心から愛することができなかったことに胸が痛む。「騙す」とは「愛する」と対極にあるらしい。
ともかく、常に金儲けを考えている自分にとって必要な映画であることは間違いない。
ダークな世界に魅入ってしまう
夢であって欲しい世界
サーカス🎪の残酷な部分を知らなかった子供の頃はサーカスが好きで,楽しみに親に連れて行ってもらってました。
見る者に不思議や夢やドキドキを与えてくれる特別な時間と空間。それがまさに映像の中に美しく残酷に描かれていてドキドキしました。
前半のサーカス内で助け合いながら仲良く生活しているところまでは満足でした。
成功を掴んだ傲慢さが導いた破滅へのアリー。
ラストがまさにナイトメアでぞっとしました。
また、どうしてもケイト・ブランシェット様がドスのきいた声を出されるとロードやホビットのガラドリエル様に見えてしまって恐ろしかったです。
ルーニー・マーラ、大好き。
ブラッドリー・クーパーもハンサムさん。
ウィレム・デフォーの変わらない癖の強さも魅力的です。
豪華で綺麗な映像とケイトの美しく怖さを満喫できた作品でした。
よかった
大金持ちをだましてお金を取るなら、そこに到達したら逃げるというようなゴールを設定しておくべきだ。上限なしにやっていたら破綻するのは当然だ。そしてゴール金額を設定してもらった方が見ているこっちもハラハラできる。
ラストで人獣になることを「宿命だ」と受け入れ、人殺しの末路というような話で、教訓みたいだ。
主人公のキャラが薄くて、もうちょっと愉快な側面などがあったら感情を揺さぶられただろう。薄くて応援する気にもならず、かと言ってさほど憎くもない。遠い存在として眺めているようだ。
タロットカードで、おじいさんを殺した犯人であることは分からないものだろうか。
怪獣じゃないデル・トロ
全280件中、161~180件目を表示