ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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見世物小屋
いつまで経っても始まらないなあと思ってた。いつの間になんでモリー好きになだたんだろ??スタンの心の動きが終始説得力に欠けるのでなんで??の連続。長いイントロとちょろっとの盛り上がりでラスト。
破滅するほど悪いこともしてないし、運命の歯車というには散らかってるように思った。毒親のクズだったなら後悔もしなくていいし忘れちゃえばいいのに。
ケイトブランシェットはもう生き物として完璧ですごい
。身のこなしも表情も。顔の筋肉レベルで鍛えていそう。付け焼き刃の知識より博士号!ってことなのか…?
見世物小屋の猥雑な雰囲気が好きなので、きれいすぎて物足りず。最終的にモーリーの旧友みたいな位置付けになってたし。
120分ならさくっと楽しめる佳作になったのでは。出演者が豪華すぎるのかなあ。
観覧車は回る、運命の輪の如く
ギレルモ監督にしては珍しくファンタジーな設定は皆無、フリークスも全てまがい物、でもそこがギレルモらしくもある
ヴンダーカンマーよろしく眉唾物のガラクタを口八丁手八丁で真と見せるは映画、いや全てのフィクションに通じることでもあり、ギレルモ監督が原点に帰ったようにも見える(標本の胎児は初期作品のデビルズバックボーンを思わせる)
作中一番哀れな存在の獣人が復員兵なのも自身の作品で反戦を訴え続けるギレルモらしい
ストーリーとしては流れ者が見世物小屋で読心術を覚え精神科医とグルで権力者に取り入り…というものだが、観終わって真っ先に浮かんだのはカポーティの『冷血』と映画『モンスター』だった
主人公のスタンは一見すると人当たりもよく機転もきいて好人物に見える、でも少しでも彼と深く関わればその仮面の下に典型的な自己愛とエディプスコンプレックスにまみれた破滅型の人格が覗く、犯罪者としての行動も場当たり的で考えも浅く状況を楽観的に見すぎている
端から見れば作中何度も踏みとどまる機会はあったのに絶対ろくなことにならんだろ~馬鹿~てことに猪突猛進するスタンだが、本人は俺は誰よりも切れ者だから全員出し抜ける、て考えてそうなとこがすごく冷血ぽい、犯罪者心理だわ~
スタンはこの悪夢のような袋小路から抜け出して成功してやる!と思っているのだろうが、無駄だね、その何処にも通じていない暗がりはスタンの中に在り、関わった人間をスタン共々引きずり込んでいく
ラストのオチも元から犬畜生にも劣るスタンには相応しい
暗く丹念に作り込まれた映像の描く、輪廻・因果応報の叙事詩
これが見世物小屋だ
大人のためのダークなお伽噺って感じかな。悪いことを企んだものに因果が巡って、最後に地獄に堕ちていくという寓話。
途中で主人公に感情移入してるので、スタン(主人公)の悪巧みが上手く行くといいなと思ったりもしたけど、予想通りの結末になっちゃった。大金持ちが騙され大金を失ったってその後の生活に困窮するわけでもなく、心が癒されるならそれはそれでいいんじゃないの、なんて思いながら観てました。残念ながらそうはいかなかった。悪いことはできない。悪は滅びて、めでたしめでたし?というところなのかな。でもやっぱり残念でした。詐欺師スタンに感情移入してたからね。
見世物小屋のおどろおどろしさ。あのダークな雰囲気。それなりに面白かったです。4に近い3.5というところかな。
エセ霊媒師の成れの果て
金に執着する動機が見えない
ダークで美しい世界に入り込める体験
落ちぶれてカーニバル座の見せ物であった人獣として舞い戻るとのストーリーは悪くないのだが
自宅を燃やす導入の映像は鮮やか。その前に事実上の父親殺しをしたことが後に明かされるブラッドリー・クーパー。彼がカーニバル一座で努力して得たものを糧に、看板娘(ルーニー・マーラ)を連れて独立してショービジネスで成功。しかし、危ない相手に詐欺を働いて殺人、落ちぶれてカーニバル座の見せ物であった人獣として舞い戻るとのストーリーは、最初の方のエピソードが良く効いていて悪くない。ただ結果的には、大きな期待もあってかも
しれないが、今一つの印象であった。
第一に、美しく可憐なマーラーが強く止めるのも聞かず、大富豪相手に超能力で死者と交流できるとの詐欺にドンドンのめり込んでいくクーパーに、説得力をあまり感じることが出来なかった。妖艶で美しい心理学者(ケイト・ブランシェット)に魅せられたということも有る様だが、そこまでの魔性的美しさは感じられなかった。
第二に、大富豪リチャード・ジェンキンスとブランシェットの関係性は、治療者と顧客以上の関係性を示唆している様に見えるが、詳細は明らかにされておらず、彼女の裏切り理由が判然とせず、モヤモヤ感が残ったまま。ノワール映画の伝統芸とは言え、今風にスッキリとさせて欲しかった。
ただ、ルーニー・マーラ、半裸に近い彼女が電気に痺れるカーニバル芸の見せ方は、彼女の美しさと相まって、なかなかに良かった。ずっと禁酒していたクーパーが大富豪を殺し、マーラにも逃げられ酒をあびる様は、アリー/スター誕生の印象もあってか、何だかとても似合ってもいた。
ギレルモ・デル・トロ監督(2017年シェイプ・オブ・ウオーターでアカデミー作品賞と監督賞を受賞)による米国2021年公開の米国映画。原作はウイリアム・リンゼイ・グラシャム。1947年「悪魔の往く町」に続く2度目の映画化作品。脚本は監督とキム・モーガン。撮影はダン・ローステン、音楽はネイサン・ジョンサン。
出演は、ブラッドリー・クーパー(リコリス・ピザ等)、ケイト・ブランシェット(ブルー・ジャスミンでアカデミー主演女優賞)、ルーニー・マーラ(マグダラのマリア等)、トニ・コレット、リチャード・ジェンキンス(大富豪役)。
I do love you
リリスのこの台詞で気付くわけね。
確かに前半がちょっと長いかも。
まさか獣人になって終わるの?と思っていたら、本当にそうなってどっと疲れました。
「あなたは人を騙せてはいない、相手が勝手に騙されてるだけ」
冒頭、何やら毛布に(多分、人?)包んで家ごと火を点けて立ち去る男。
そして湿気の多い、不衛生そうなサーカス村へ。
見世物小屋(子供の頃、近所の神社のお祭りを思い出した)の獣人が「こんなはずじゃないんだ、、、」 と繰り返し言うセリフ。
異常なホルマリン漬けの瓶の数々。
前半のスタンは獣人にタバコをあげたり、真面目にサーカス場で働き、警察からのピンチを救ったり、客がいっそう驚くアイデアを出したり。
そして清純なモリーを連れ出し、明るい希望を抱いて新天地に向かってゆく
しかしまあピートがなくなった時も、駆け寄らずに群衆の隙間をぬって、心は別の思いがあるなぁーと。不穏さは残しつつ、、、
読心術のノウハウで、リッチな社交界にのし上がってるけど、モリーには手厳しい彼の圧力を感じながら後半へ。
欲深くなってゆくーというより、本性がじわじわと現れ、ピートや父親の死因にまつわる過去の悪行をあぶり出す感じが良かった。
グロいシーンが多いので、ジーナのタロット占い通り、「逆さ吊りの刑」なのかと思いきや!!なるほど〜納得。
この作品は大好きな女優さん達が目白押しで、見応えありました。
「キャロル」のケイトとルーニーの2人は、言わずもがな。
トニ、コレットは「エマ」では主人公の内気な友達役だったのに、もう存在感ありの大女優さんです!!
そして旧作「悪魔の往く町」も観たくなりました。
見やすいノワール作品
ダークな雰囲気が良いですね。セットの雰囲気がいいですね。舞台となる見世物小屋はじめ、終始「いかがわしい」「胡散臭い」感じが最高に好きです。結局人間なんて猥雑でいかがわしくて胡散臭い欲望の塊なんです。大体の人(若干名以外)が脛に傷を持っていて訳ありなんです。そう!みーーーんな悪い人なんですよ(笑)そんな人たちが企みをぶつける話はいいですねぇ
原作はノワール小説とのことです。しかし、そんなにドロドロした物ではなく結構軽い印象でした。それはストーリーのテンポが良かったからかもしれません。トントンと話が進んでいき、わかりやすい振りと落ちがあるので納得のいく終わり方でモヤモヤ感があまり残らないのです。なんだろうなぁ、海外のダーク童話を読んだ後のような感触でしょうかねぇ?
作品で描かれる世界観がセット、衣装含めばっちりと具現化されているから、この物語自体がチープなお話に見えないのでしょうね。ストーリー自体はとてもわかりやすいのです。まぁ、そうなるんだろうなぁと思いながら鑑賞していましたが、それが気にならないくらいに世界観に引き込まれていきます。それは十分な作り込みがなされているからなのかもしれませんね。派手さはそんなにありませんが楽しめます。
悪夢の小路に迷い込んだ男の末路
タネも仕掛けもあったほうがいい
ギレルモ・デル・トロ
メキシコ出身の
今隆盛を極める映画監督
特殊メイクから映画の世界に
飛び込んだ変わり種で
ファンタジーからホラー
まで幅広く日本のアニメ
漫画にも造詣が深く
「ロボット」と「カイジュウ」の
激突を真っ向から描いた
「パシフィック・リム」でも
広く知られる事となった
世界情勢は不安定だとなかなか
映画も観に行く気が失せてきますが
デルトロ監督のやつだしという事で
重い腰を上げて観に行きました
話的には
不況のアメリカで
不思議な興行師旅団に入り
読心術に興味を持った野心的な
主人公スタンが出世するごとに
深みにはまってどんどん
堕ちていく
笑ゥせぇるすまんや
世にも奇妙な物語の
話にあるようなやつ
感想としては
原作が古いだけあって
シナリオが与える印象はあたかも
古典的に感じます
終盤のめまぐるしい展開は
見ごたえあったんですが
そこまでがちょっとモタモタ
した感じもありましたが
さすがの作りこんだ世界観
には圧倒されます
要は興行ってのは
タネも仕掛けもあってそれで
お金をもらってるんだけど
見る側の心を奪って
のめり込ませてしまう
ところがあるという事
ホストにいれあげてしまう客
マジックのネタバレした
Mr.マリックに本気で怒りだす客
テレビのやらせに怒る視聴者
いるんです
テレビやゲームをやり過ぎると
現実と空想の区別がつかない
とか言ってるジジババがまだ
いますがその昔
「おしん」の両親役をやっていた
泉ピン子や伊東四朗に
なんであんなかわいそうなことを
するんだと食って掛かる人が
いたそうなので
分別が付かない人は昔から
つかないのです
まあケイト・ブランシェット
演じる心理学者もいまいち
何がしたかったのか怪しいところ
だけど心理学を通じて
スタンの奥底にある
父親への負の感情とかが
出てきちゃうとことかは
押井守っぽかったね
ちょっと前に園子温監督の
プリズナーズオブゴーストランド
も予算がちゃんとつけばこういう
のをやりたかんだろうなぁ
と思ってしまうほどガッツリ予算
かけたセットは素晴らしかった
コロナ禍もあって本国では予算に
対してコケちゃったらしいけど
こういう映画作れるってのはやっぱ
強いですね
40年代フィルムノワールの雰囲気
最初は「エレファントマン」のような見世物小屋でのおどろおどろしい話かと思ったが、中盤以降は1940年代のフィルムノワールの雰囲気。
移動遊園地のセットがよくできていて、7つの大罪のところなど、もっとよく観たかったくらい。陰影をつけてオレンジがかった映像も怪しげ。音楽もミニマル風で良い。
しかし、物語としては、中盤以降、かなり無理な展開になっていく。さすがに、幽霊を実際に出すなんてね。小説として読むなら面白いだろうが、映像になると陳腐に見えてしまったのが、正直なところ。
役者陣は豪華だが、BクーパーもKブランシェットも、あまりハマった感じはしない。出番は少ないものの、Dストラザーン、Mスティーンバージェン(久々!)といった脇役が印象深い。
ラストは、なるほどと腑に落ちるが、見終わったところで、果たして作り手は何を描きたかったのだろうか、という疑問は残った。
全体として、技巧に走りすぎていて、あまり感情に響いてこない、といった感じ。
予告に騙された(アリーって人名じゃないのね)
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