ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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自業自得をただひたすら2時間かけて見せてくれる。
まぁ、いわゆるよくあるペテンの自業自得映画で、このありふれたテーマで2時間越えはしんどいかなぁ。。前半の見世物小屋パートが冗長で、物語の方向性がいまいち見えない前フリにいよいよダルくなってきた所で、ケイト・ブランシェットの登場。そこからやっと展開にアクセルがかかってくるが、それでもやっぱり目新しさがない。結局は主人公をミステリアスに描き過ぎていて、こういう自業自得的なテーマの作品は、主人公の動機にもう少し面白い所が見えてこないと、作品全体の推進力と厚みに欠けてしまう。「異形への変質的ともいえる愛」が特徴のギレルモ・デル・トロらしさも今作では期待していたほどではないし、ブランシェットのゴージャスで圧倒的な存在感が唯一の見もの。
小さい頃の思い出がよみがえる
ギレルモ・デル・トロ監督のダークファンタジー作品。 ブラッドリー・クーパーをはじめ豪華俳優陣が出演。 主役の男の自己中心的な行いによって 最後はこうなってしまうのか・・・と悲しくなってしまった。 小さいころ見世物小屋を観に行った思い出がよみがえり 見世物小屋に出ていた人たちにも人生が色々あったんだなと 感傷に浸ってしまいました。
2023 10本目
当初ディカプリオが主演と聞いたときから観たかった作品。 デル・トロだしホラーかなと思ったらサスペンス!?まったく怖さはなかったです。ラストはやっぱりこうなるのねと、、 ん~、期待ほどではなかったですねぇ。 ディカプリオ出なくて正解だったかも笑
人の闇を真っ直ぐに。
「デビルズ・バックボーン」「パンズ・ラビリンス」「クリムゾン・ピーク」「シェイプ・オブ・ウォーター」などなど…ホラー、ファンタジー、SFの形を借りながらでも、人間こそが最も恐ろしいことを描いてきたデル・トロが、それらの形を借りずに人間ドラマの方で真っ直ぐにその恐ろしさを描いてみせた。ノワール的な作品としては、カーティス・ハンソンによる「L.A.コンフィデンシャル」以来かと思われるようなハイクオリティな映像的な肌理をもった作品となっている。幻惑的な映像にひたすら酔いしれながら、同時に深淵を覗き込むような恐ろしさに震える。 しかしながら、やはりデル・トロの人間描写は非リアルなものとの対比のなかでこそ、もっとも冴えるような気もしてしまったのが正直なところ。こういうのも悪くはないけど、デル・トロの表現の真骨頂は他にあるような気がします。
ちょっとヒチコック風
ちょっとヒチコック風?のサスペンス。見世物興行のシーンとサスペンスのシーンがちょっと乖離してる感じですねえ。繋ごうという努力が途中にちょっと挿入されていてほほえましい。 最後のオチは良かった。アルコールに関するエピソードは思わせぶりだったがあまり意味がなかった(私が理解できてないのかも)。映画全般としては丁寧な造りで、まあよくできていたともいえるがストーリー的にはデル=トロ監督向きじゃなかったように思う。要はこの監督ならもっとファンタジーの方が好きだってこと。 K.ブランシェットは完璧だと思っていたが、アップになった手指が意外にダサかったな。 ルーニー・マーラ。ブランシェットとセット販売? まあ二人とも売れっ子なんだね。あまり魅力感じない。
現実と妄想が重なる瞬間…
じっちゃんの言葉はやはり重かった。 前半から後半にかけて、すこし分かりづらいまま進むが、それは、見る人の前提を作る我慢の時間。物語は、その後の1つの成功事例が思わぬ副作用を起こすところから事実上始まるといっていい。 しかも、加速度がすごい。 ある意味、全て仕組まれていたとも取れる (取れるんじゃなくて、仕組まれてたってストーリーなんだっけ?) あれ、今、自分は仕組みを作っている側か?、 いや、やはり、仕組みの中の一つでしかないのか、、。 そんなことを考えさせられる映画でした。
ギレルモ・デル・トロ監督の悪夢のルーティーン
ギレルモ・デル・トロ監督らしい、「罪と罰」あるいは「天国と地獄」を描く。
現生を生きつ戻りつ彷徨う男の因果応報の話。
1939年。
見世物小屋(電気オンナand小人and獣人(ギーク)と言ったオドロオドロシイ見せものたち)
その中に紛れ込んだ罪深い男スタン(ブラッドリー・クーパー)
彼は見せもの小屋の霊媒師から、技の秘密を書いた手帳を盗み心霊術師に化ける。
《人の過去と運命を読む術を身に付けた》心霊術師のスタンは、
助手のモリー(ルーニー・マーラー)を従えて、成功の階段を駆け上る。
しかしそこには、悪魔のルーティーンのような陥穽(落とし穴)が待ち受けていた。
ギレルモ監督の仕掛ける美しい罠(ケイト・ブランシェット)
大恐慌のさなかの不穏な情勢の中。
一度は貧しさから抜け出たと思った。
罪から逃れられるとも思った。
罪を犯した男・スタンは一度は見た天国から、因果応報=地獄を見ることになる。
《ホルマリン漬けの一つ目の新生児。》
《鶏の生き血を啜る獣人(ギーク)》
《命を奪う安酒のメチルアルコールの匂い。》
舞台装置はオドロシイオドロシイ。
ギレルモ・デル・トロ監督の世界観が色濃く滲み出る怪作。
(なのに何故か怪奇譚の魔法にかからない私)
天使のようなルーニー・マーラーを、今ひとつ活かせきれず!!
強烈なラストにも、なぜか心が震えず!!
酔えず!!
ギレルモ監督作品にしては、仕掛けがこじんまりした印象。
スタンという男の、罪の重さを描ききれなかった!!
(偉丈夫・ブラッドリー・クーパーの押し出しの良さが、
(良し悪しだった!)
過去鑑賞
現実悪夢の中で繰り返す…己の罪と運命
ダーク・ファンタジーやSFの印象が濃いギレルモ・デル・トロがノワールを手掛ける。意外な気もするが、本人にとっては念願だったという。
過去の監督作の中ではゴシック・ミステリー×愛憎劇の『クリムゾン・ピーク』に近い系統に思えるが、全く違う。
人の心の暗部に迫り、その顛末をダーク・ファンタジーの雰囲気をまぶして魅せる。
あたかもデル・トロに心を読まれ、突き付けられているような…。
大まかな話自体はシンプルだ。一人の男の栄光と破滅。
そこに野心や欲、“読心術”や“深層心理”が絡み、見る者を翻弄し、この悪夢のような世界に誘っていく…。
大恐慌時代のアメリカ。訳ありの放浪者、スタン。
とある駅に着き、一人の小男の後を何気なくついていき、流れ着いたのが、巡業中のカーニバル。
奇妙な催しや見世物が売りのこのカーニバル。奇術や獣人ショー。
ひょんな事から裏方雑用の職を貰い、働く事に。
働きながら、カーニバルのからくりを知る。
相手を透視するジーナとその夫ピート。本当に透視能力がある訳ではなく、ピートが“読心術”でターゲットの情報を合図でジーナに知らせる仕組み。“読心術”の術を学ぶ。
獣人も本物ではなく、頭がおかしくなり、行き場の失った浮浪者を仕立て上げ。
犯罪スレスレの行為や知れば何て事の無いタネ。が、それを取得し、“見世物”にするのは非常に難しいが、スタンはすっかりこの世界に魅了される。
アル中のピート。彼に懇願され、酒を飲ませるが、急死。(スタンのトラウマの一つになる)
警察が踏み込み、廃業の危機を救ったのが、スタン。覚えたての読心術と話術で警察を抑える。
秘められた才能が開花。自分がやりたい事が見つかった。
カーニバルの若い女性キャスト、モリーと恋仲になっていたスタンは、ピートの読心術のメモを手に入れ、彼女と共にカーニバルを去る。
2年後、スタンは都会のショービジネス界で読心術師として成功し、華やかなスポットライトを浴びていたが…。
我々は開幕からスタンの動向を見ている。
読心術さながら、本人より知っている…かのように。
一見、放浪者からの成功者。が、彼の背景は…
開幕シーンのある“罪”。カーニバルでのトラウマ。
どん底に居た者がそこから這い上がり、手に入れた地位と名声。
その甘美や陶酔は麻薬そのもの。
こういう男こそ、愚かにも罠にハメられ、騙され、犯した罪と共に堕ちていくのだ…。
あるショーの最中、心理学者リッター博士の横槍が入る。
即興の読心術で切り抜けたスタン。
それがきっかけでリッターから関心と興味を抱かれる。読心術ではなく、スタンという男自体に。
リッターの患者の判事。リッターからの情報で判事の読心術を行う。
判事夫妻の亡くなった息子の霊を呼び寄せ、声を伝える。
無論、インチキ。が、成功し、判事夫妻は心が救われ、スタンも更なる名声と金を得る。
これが、一線を超えてしまったその後の顛末への境界線…。
次なるターゲットは、資産家。
リッターも手を焼くほど猜疑心が強く、心を開かない。
亡くなった妻への罪悪感。降霊させ、合わせると約束するが…。
資産家の亡き妻とモリーは似ている。モリーにカツラやドレスで演じさせようとするが…、モリーは協力を拒否。こんなのはただの騙し。愛する人を失って未だ悲しむ人を騙してまで金を得ようとするなんて…。
いつまで経っても降霊を行わないスタンに、資産家を痺れを切らす。
準備もままならないまま、降霊当日。直前になって逃げたモリーを説得し、連れ戻し、降霊を行うが…。
デル・トロのビジュアル・センスは言うまでもなく健在。
ダークな映像美、こだわり抜いた1940年代のアメリカやカーニバルの美術。
奇怪なカーニバルの雰囲気を醸し出す獣人メイクや奇形児のフリークス・デザインは、デル・トロの手腕が冴える。
だけど今回はビジュアルよりも、美と残酷の悪夢の中に誘う語り口。スリリングで救い無く。後味は悪いのに、いつの間にか話に引き込まれていた。
成功からの転落、野心と欲、愚かさ哀れさを体現したブラッドリー・クーパー。
可憐なルーニー・マーラ、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス、常連ロン・パールマン、デヴィッド・ストラザーン…演技巧者が演じた一癖二癖あるキャラが織り成す極上のアンサンブル。
中でも、ケイト・ブランシェット演じるリッター博士。終盤強烈なインパクトを残し、妖艶なファム・ファタールぶりは作品にぴったりで、さすが!
資産家の思わぬ行動で、インチキがバレる。
スタンのインチキをバラし、今の地位から失墜させると激昂。
スタンは衝動的に資産家を殺す。主人を助けようとしたボディーガードをも殺す。
スタンが抱える罪。開幕シーンで殺めたのは、憎んでいた自分の父。
故意か過ちか、カーニバルでも…。
罪に罪を重ね、またさらに罪を重ねる。
これがスタンの本性。読心術師、成功者、野心家ではなく、罪人。“獣”のような…。
モリーは完全にスタンの元を離れる。
逃げるスタンは逃走資金を得ようと、金を保管しているリッター博士の元へ。
ここで知る衝撃。
お金に興味が無いと言っていたリッターだが、密かに横領。
スタンはビジネスのパートナーであり、お互い惹かれ合う相思相愛と思っていたが…、リッターにとっては彼もまた“患者”。全て彼女の手のひらで踊らされていた。
話術と読心術で彼女を丸め込んだあの時から、実際はこちらが“かけられていた”のだ。
彼女も殺そうとするが、警備員が駆け付け、逃走。
街を抜け出し、姿を消す。
もはや皮肉だ。
罪を犯し、流れ着いたのは、再びカーニバル。
物語の始まりと一見同じ。違うのは…
読心術師として雇って貰おうとするが、そこの主催者は興味ナシ。読心術で客は入らない。
客が見たいのは、奇妙奇怪なもの。
一つだけ仕事がある。身も心もボロボロ、アルコールに溺れ、頭がおかしくなり、行き場を失った浮浪者にしか出来ない仕事が。
かつてのカーニバルで自分にとって“運命”と感じたのは、読心術師ではなかった。
見世物フリークス・ショー。“獣人”になる事が、自分の運命…。
心理学分析。
読心術師として傲慢に溺れ、トラウマと罪を抱える男に甘い誘惑をちらつかせた時、どんな行動に出るか…?
自身の罪と運命から決して逃れられぬ。
転落と破滅の現実悪夢へ…。
本作はギレルモ・デル・トロ史上、最も残酷で恐ろしい作品であった。
主人公が異常だったけど、衝撃的だった。
『ナイトメア・アリー』鑑賞。 *主演* ブラッドリー・クーパー *感想* 劇場で観たかった作品がディズニープラスで配信されていたので、鑑賞しました。 ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェットといった豪華キャストでもありますし、監督がギレルモ・デル・トロ!作品は観たことがあったので、ずっと気になっていました。 いやぁ~これは、なんていうか、、主人公がなんかずっと良い印象が持てなかった。色々と異常だった。(^^; 放浪者だったのに、読心術のショーと出会ったことがきっかけで、流されるようにショーの仲間と交流したり、獣人をいじめたり、ヒロインのモリーと恋に落ちて、スタンが徐々にプロの霊媒者として昇り続けていくのですが、ある出来事がきっかけに雲行きがだんだん怪しくなる感じや不気味な雰囲気など、登場人物たちの先の展開などが気になり、つい惹き付けてしまいます。 終盤は、確かに衝撃的でした。 総じて、悲しくもあって、不気味なんですけど、サスペンス感もあって、主人公がちょっと異常だったけど、衝撃的でした。 どうでもいいことですが、スタン(ブラッドリー・クーパー)がシーン毎にずっと煙草を吸っているのが気になりました。。肺が心配です!(^^; ケイト・ブランシェットの妖しさ満点の演技が素晴らしかったです! あと、モリーが可愛かったです。
予告編で得たイメージとは異なる内容の映画だった
さぁさぁ!寄ってらっしゃい、見てらっしゃい! 貴方は"罪"を見る側か、見られる側か?その目はきっと見逃さない、あなたの業を。因果応報とはまさにこのこと。どう表現してよいか分からないけど、ただただ不気味で背筋が凍るような雰囲気がぬらっと漂う映画。 予告編だと、獣人と人の関わりがあるのかな?と 『シェイプ・オブ・ウォーター』に引きずられて、思ってしまったけど、 実際に観てみると予告編で観た印象とはだいぶ違っていた。 なので、予告編を観て、内容を期待した人にとっては少し期待はずれかも。 私はこういう因果応報感がっつりの作品は大好きなので、 結末を含め、良い意味で心えぐってもらった映画だった。 因果応報って仏教用語だけど、この言葉で表現できてしまってるということは、西洋(アメリカ文化圏と呼ぶべきか)にも「因果応報」なるものが存在するんだね。
トニ・コレット推し
予告にすっかり騙されて、怪物が出ると思って観ようと思ってたら 先に観た友人から そういう映画ではないと教えられ 見送っていたのですが、ディズニー+で速くも配信されたのでそちらで観ました。 (怪物モノ欲求は『ハッチング』☆☆☆☆☆で満たされました) 特筆すべき感想としては、ブラッドリー・クーパー対ケイト・ブランシェットもたしかにすごかったですが、ケイト・ブランシェット対トニ・コレットとしても楽しめました。(共演シーンはないです)そして軍配はトニ・コレットに上がったのです。 俳優陣の中ではウィレム・デフォー推しでしたが、素敵なトニ・コレットを見れる映画として記憶していきたいです。
この消化不良はきっとクリーチャー不足のせいだ
前情報なしで鑑賞。夜のガーデンで起こる山場に行くまでが少々退屈でしたが、オチ含めて話はよくまとまっていた印象です。 ただ、エノクだけじゃクリーチャー不足が…。 確かにサーカスのシーンはデルトロ節が随所に感じられました。しかし個人的にデルトロの過去作「シェイプオブウォーター」や「パンズラビリンス」、はたまた世間の評価はあまり高くない「スケアリーストーリーズ」のクリーチャーが際立つ路線が大好きなので、どうしても物足りなさが残ってしまいました。異論はあるかもしれませんが、頭の中で「デルトロ=不気味なクリーチャー」を期待して観てしまっています。 今作でいえば、むしろデルトロ作品と知らずに見たらもっと高評価にしていたかもしれません。 12月のデルトロのピノッキオでは、好みの路線が見られるのでは!と勝手に期待しています。
鬱
予告で興味を持ったものの劇場に行く隙を逃し、そうこうしているうちに早くも配信が始まった。 ならば配信でいいや、と考えてしまったのは哀しいけど、観ている途中で「これを映画館で観るのはしんどいな」と感じてしまったことはもっと哀しい。2時間半は要らなかった。 どんでん返しは必要ないジャンルの映画だけれど、それにしても想像を超えてはくれないラストだった。 しかし、色彩はうつくしい。ダークな雰囲気に沈んでいく最初の1時間が良かった。でもその部分は本筋に大して必要ではなかったように思う。
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