「宿命ではなく、宿業?」ナイトメア・アリー 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
宿命ではなく、宿業?
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『宿命』は、その人に生まれながらに与えられたものだと定義すると、
同じ宿命を持っていても、そこから這い上がる人と
流される人に別けられる
その宿命に翻弄されるのも、踏み台にして行くのも本人の努力次第
でも、この映画でテーマにしているのは『宿業』のような気がする
単なる努力では、変えられないもっと深いもの・・・
アル中の父親を蔑み、あんな男にだけはならないと決心したスタン
そのためにも「絶対に飲まない!」と頑なにずっと飲まずにいたのに、
とうとう手を出した時から、壊れていく
次々と人を56し、冷酷に正当化していく性(さが)
「獣人(ギーク)」の哀れさを見て、途中その場を離れるも
人生の最後には、自身がその「獣人」に落ちぶれていく
好きになった女性モリーが
「電気人間として芸が出来たのは、自分の限界を知っていたから。
無理だと思ったらすぐやめるの」と意味深な発言をしても、
それを自分への啓示だとは気がつかずにスルーし
転落していく
でも1番ヤバいのは、精神科医リリスだと思う
研究対象としてスタンを利用したのも彼女
患者の秘密の情報を漏らしたのも彼女
スタンがお酒を飲むように仕向けていったのも彼女
完全犯罪をもくろみ、警察にスタンを追わせたのも彼女
セラピストや精神科医なんて、個人的に(怪しい存在)としか
思っていなかったけど、やはりね
手を抜かない見世物小屋等のセットや衣装は必見の価値あり
そして、3人の女優の演技力と妖艶さに拍手
メリーゴーランドや観覧車的な大規模な見世物小屋が各地を転々と移動しながら
警察の眼を縫って営業していたことに驚いた
木下サーカスもビックリだよね
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