劇場公開日 2022年3月25日

「I was born for it」ナイトメア・アリー marさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5I was born for it

2024年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

もう何から何まで豪華な映像で描かれた
グロテスクで美しい、ある男の数奇な人生。
大きく分ければ3部構成で、
第1幕では特に美術の作り込みと美しさに目を奪われてしまった。
栄華を極めるほど深みにはまっていく第2幕を経て
そんでクライマックスを迎える第3幕。
焚き火を囲んで腕時計を差し出すところの哀しい美しさからの
狂気的な「I was born for it.」。
ここはほんとラストシーンとして歴代最高だったかもしれない。

mar
R41さんのコメント
2024年4月10日

この作品の素晴らしさは、単に脚本にあるのではなく、その構成がすごいと思います。
すべてを明らかにせず、謎を謎のまま残していることで、おぞましというのか気持ち悪さが残るのです。
あの「エノク」はこの物語の象徴です。
そこに付随するのがあの女心理学者の胸の傷跡です。
タイトルであるナイトメアアリーは、アルコール依存症を捕まえる場所であり、タイトル通り「悪夢」を意味しますが、それそのものが主人公の人生になっているのです。
物語としての型そのものはオーソドックスでありながら、脚本と構成と映像美によって最高傑作となっています。

R41