「ギレルモ・デル・トロ監督の悪夢のルーティーン」ナイトメア・アリー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ギレルモ・デル・トロ監督の悪夢のルーティーン
ギレルモ・デル・トロ監督らしい、「罪と罰」あるいは「天国と地獄」を描く。
現生を生きつ戻りつ彷徨う男の因果応報の話。
1939年。
見世物小屋(電気オンナand小人and獣人(ギーク)と言ったオドロオドロシイ見せものたち)
その中に紛れ込んだ罪深い男スタン(ブラッドリー・クーパー)
彼は見せもの小屋の霊媒師から、技の秘密を書いた手帳を盗み心霊術師に化ける。
《人の過去と運命を読む術を身に付けた》心霊術師のスタンは、
助手のモリー(ルーニー・マーラー)を従えて、成功の階段を駆け上る。
しかしそこには、悪魔のルーティーンのような陥穽(落とし穴)が待ち受けていた。
ギレルモ監督の仕掛ける美しい罠(ケイト・ブランシェット)
大恐慌のさなかの不穏な情勢の中。
一度は貧しさから抜け出たと思った。
罪から逃れられるとも思った。
罪を犯した男・スタンは一度は見た天国から、因果応報=地獄を見ることになる。
《ホルマリン漬けの一つ目の新生児。》
《鶏の生き血を啜る獣人(ギーク)》
《命を奪う安酒のメチルアルコールの匂い。》
舞台装置はオドロシイオドロシイ。
ギレルモ・デル・トロ監督の世界観が色濃く滲み出る怪作。
(なのに何故か怪奇譚の魔法にかからない私)
天使のようなルーニー・マーラーを、今ひとつ活かせきれず!!
強烈なラストにも、なぜか心が震えず!!
酔えず!!
ギレルモ監督作品にしては、仕掛けがこじんまりした印象。
スタンという男の、罪の重さを描ききれなかった!!
(偉丈夫・ブラッドリー・クーパーの押し出しの良さが、
(良し悪しだった!)
過去鑑賞
そうなんですよね、せっかくの見世物小屋パートがなんだか小ぢんまりと何かに配慮したかのような普通さで、もっとアカンの出てこい!と思ってしまいました。デル・トロは暴れてナンボ、次に控えるモンスター映画に期待ですね。
琥珀糖さん、コメントと共感ありがとうございます。
しかし配信も何だか早い気がしますね。忘れられないうちに早めに出さないと視聴されないぐらいに競争が激しいのかもしれません。
Amazonは古い映画を観るときに使ってましたが、新作を観るのもいいかもしれません。
この映画はもうひとつ何かが物足りなかった印象があります。
またレビューを読ませていただきます。