「スタン、恐るべきペテン師と思いきや」ナイトメア・アリー じーたらさんの映画レビュー(感想・評価)
スタン、恐るべきペテン師と思いきや
これまであまりギレルモ・デル・トロ監督作品には縁がなかったが、先日のアカデミー賞にもノミネートされていたので、見に行ってみた。
ブラッドリー・クーパー演じるスタンと言う読心術を操る男の成功と失脚の話で、その手口たるや、ペテン師。華やかな栄光を目指すも、その過程で落とし穴に落ちて、どうにもならない様が、巧く描かれていた。
注目点は女性だった。ケイト・ブランシェット演じる心理学士(だったかな?)、サーカスショーで知り合い恋に落ちたモリー、そして最初に嵌めようとした判事の妻など、殊女性がポイント。
ジーナという女性もそうか。
彼女たちを手玉にとれるようなら、完璧なペテン師になりえたスタン。しかし、その彼の翻弄され具合がこの映画の面白いところ。
音楽や雰囲気が、ちょっとオカルト映画かなと思ったが、人間の心理描写を巧く描いた作品になっている。最後のシーンですべてが集約されていたと思う。
観ていてドキドキする、楽しい、というより、今こうやってレビューを書いていると『なるほど』と思い出すところがあって、余韻を楽しむには良い作品だった。
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