「ギレルモ・デル・トロ監督らしさ満載だがダーク・ファンタジーではない、運命と人間性を軸に描いたダークなサスペンス・スリラー映画。」ナイトメア・アリー 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
ギレルモ・デル・トロ監督らしさ満載だがダーク・ファンタジーではない、運命と人間性を軸に描いたダークなサスペンス・スリラー映画。
「シェイプ・オブ・ウォーター」が第90回アカデミー賞で作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞と最多4冠に輝いたギレルモ・デル・トロ監督の最新作。
本作でも第94回アカデミー賞で作品賞に加え撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞の計4部門にノミネートされています。
本作は「パンズ・ラビリンス」や「シェイプ・オブ・ウォーター」のような❝ファンタジー要素❞を出来るだけ排して、1940年前後の現実世界を舞台に、運命と人間性を軸に描いているデル・トロ監督の新境地的な作品となっていました。
そして、その難しい世界観を映像化すべくブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラなどの演技派俳優陣が脇を固めていて彼らの演技力にも引き付けられます。
物語自体は良くも悪くもデル・トロ監督風味が満載の「ダークさ」が根底にありながら、淡々と進んでいきます。
とは言え、華やかなショービズ界が舞台になっているため、トリックの心理戦やウラ話などがあり、興味を引き続ける手法は流石でした。
映画の完成度は高いものの題材等も含め、割と好みが分かれる作品でしょう。
デル・トロ監督の新境地として見ておきたい作品だと思います。
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