「期待しすぎたか…。」劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編 こけさんの映画レビュー(感想・評価)
期待しすぎたか…。
アニメ、OVA(漫画は未読)と追って映画化決定が決まりかなり期待していたが微妙な所というのが本音である。他のレビュアーさんが言っているようにスペシャル版などでTV、サブスクリプション配信でも良かったのではないかと感じた。
物語的にはアニメと変わらず主人公最強、THEなろう系の全てを集約した中二病心をくすぐりまくりの作品であった。痛快、爽快なアクションはそのままに物語がとんとん拍子で進んでいった。が、しかし、このとんとん拍子感が行き過ぎて白けてしまった感が否めない。まあ何もかもが上手くいくアニメとしてこちらも身構えていたので腑に落ちてる感があるが、初見で何も分からない人が観賞すると違和感を覚えるだろう。一つ上げるとしたら、「ヒイロ」、「トワ」がどちらも生き返るというのがどうも気に食わなかった。作品の途中途中で'命を捧げても大切な人を守り抜くんだ!'という様なメッセージ性は感じられたが欲を言えば、どちらかが相手の為に命を捧げてこんな自分の為に命を捧げてくれたのだから'そいつの分まで強く生きよう'という様なもう一段階踏み込んだメッセージ性が欲しかった。
仲間達に感謝を伝えながら石化していく「ヒイロ」のシーンでウルっときていたがティアラの力で生き返り、次にその「ヒイロ」を生き返した代償に魂事消滅した「トワ」が悪魔ヴィオラによって生き返る。そのシーンで'都合良すぎだろ!'とツッコミを入れたくなった。まあ、浄化機能をもったティアラという存在と契約通りに遂行出来なかった悪魔のごめんねの意味を込めた謝罪の意として生き返すというのは辻褄が合って上手くまとめられていたと感じた。
総合的にはアニメ版の延長線上で楽しめたが、わざわざ映画館まで足を運ぶ程ではないかなと感じた。(配信を待つのが無難かな…。)
漫画もアニメも何も手を付けてない人は予習をして作品の空気感を掴んだ後に見る事を強くお勧めする。