「手紙で気持ちを伝えることの大切さ」雨とあなたの物語 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
手紙で気持ちを伝えることの大切さ
今年207本目(合計271本目)。
※投稿が遅れていますが、調査に時間がかかったためです。
さて、こちらの作品。今では当たり前のスマホやインターネットがおよそないような、せいぜいいわゆる旧世代の携帯電話(折り畳み式携帯)が日本や韓国であったころのお話です。
この関係で、郵便(文通)によるやり取りも多く描かれます。
日本と韓国では「雨」に関する感情というか、価値観というか、それに対する考え方って似ているところも違うところもあるようです(映画内では詳しく描かれていますが…)。
ただそこは隣国という事情もあるので「多少違うがまったく異なる点はない」程度です。
また、最初に「これは待つことにまつわる物語」と表示されるように、同時に「待つこと」に関しても焦点があてられます。1か月や2か月ではなく、数年単位というお話なので、いかに「待つこと」が辛抱強く求められるのか、そしてそのあと何が得られるのか(ここはネタバレになるので回避)という点は、さすが恋愛もの韓国映画という感じで一ひねりも二ひねりも加えられているなぁという印象です。
単純に恋愛映画という分野になると思うので、考察はしにくい(というか、無理?)のですが、下記のようにしました。
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(減点0.2) 上記の通り、この物語は「郵便」による意思疎通、換言すれば、文通が一つのキーワードとなります。今と違いSNSやLINEもないので、本当にポストに手紙を投函するというようなお話です(その点では、「ヴァイオレット~」と似たところもある)。
ところが、この「郵便ポスト」は何度も登場する割に、日本語訳が何もないんですよね…。
ポストへの投函口は2つあるので、日本だと「大型郵便/手紙・はがきなど」というようになるのですが、国が違いますから、例えば「市外/市内」だったり「速達/一般」というようになっている可能性もあり(そして、「この郵便物は市外へ届けてくださいね?」って配達員(たまたまポストにいた)に尋ねるシーンもある)、やや不親切かな…とは思えます。
※ これに限らず、街の看板の翻訳漏れは結構ありますが(ちゃんと出る場所もある)、この部分、つまり「「文通をテーマにする物語」である以上、郵便関係の翻訳漏れ」は結構まずいかな…という印象です(何とでも解釈が可能になり理解が困難になってしまう)。
(減点0.1) 物語の中盤あたりで「誕生日が12月31日で、年があけるとすぐに2歳になるから…」という表現が出ます。要はここって数え年の考え方です(日本では満年齢を採用)。日本でも数え年の文化は残っていますが、いわゆる「厄払い」などに残るのみではないか…と思えます。
この点は、日本でも風習としてある程度残っているので推測は可能ですが、その範囲も少ないですし、その「残る部分」がこういったある種特殊なところになりますので、見る方の年齢層によっては「何をいっているかわからない」という可能性はあるように思えます(私が見たときは女性の方が圧倒的に多かったのですが、20代の方と60代の方とでは、この点に関して理解の差が生じるのは容易に推知できる)。
(減点なし/判断不能) このストーリーでは「56」という語がなぜか登場します。小学校の算数の授業で「4と8と14の最小公倍数は何か」という問題を出されて答えられなくて「廊下に立ってろ」というシーンがあり、10年ごしくらいか(主人公たちは、(数え年の件を度外視しても)18~20なので、これらの小学校シーンが10歳(日本では小学4年程度)としても、10年くらいの差がある)に、「あの問題の答えは56なんだよ」というシーンが登場します。
ただ、この映画のストーリーとして「小学校の思い出」というのは大きなファクターになりますが(詳細はネタバレになるので回避)、「算数の問題の答えとなる「56」」を10年越しに言ってくるということは、韓国国内では「56」という数には何か特別な意味があるのか…と色々調べたのですが(大阪市立図書館など)、特にないようです。
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