「【”神への信仰心を全ての人に与える筈が・・”ジェシカ・チャスティンの驚くべき七変化演技に魅入られた作品。】」タミー・フェイの瞳 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”神への信仰心を全ての人に与える筈が・・”ジェシカ・チャスティンの驚くべき七変化演技に魅入られた作品。】
ー 1976年から1987年にかけ、ジム・ベイカー(アンドリュー・ガーフィールド)は、妻のタミー・フェイ(ジェシカ・チャスティン)と共演したテレビ番組"PTLクラブ”(People That Love)というキリスト教テレビ番組を制作し、テレビ伝道師として活躍していた・・。ー
◆感想
・作品としても、実在したジム・ベイカーと、妻になったタミー・フェイが出会い、最初は純粋に神への信仰心をアメリカの多くの人々に伝える様が面白い。
ジムが、徐々に信仰心よりも世間の誘惑及び自らの虚栄心から、身を持ち崩して行く中、タミー・フェイは夫の愛を求め、当時忌避されていたエイズ患者の言葉に涙する。
- タミー・フェイは幼年期、母が離婚した子だという理由で、教会に行けなかった。故に信仰心は篤かったのではないか・・。-
・序盤、タミー・フェイを演じた子役から少女時代を演じた女優さんが、ジェシカ・チャスティンと気付くまで、5分ほど時間を要した。
劇中でも言われているように、声色がベティーちゃんのような甘ったるい声で、厚化粧で、派手な衣装で・・。鼻の形を観て、漸く気付いた・・。
・ジェシカ・チャスティンと言えば、「ゼロ・ダーク・サーティ」での化粧っ気のない気の強い女性捜査官や、「女神の見えざる手」での、辣腕だが孤独なロビーストで女優としての本領を発揮し、近作ではアクションにもチャレンジしていたので、今作の役との余りのギャップに驚いた。
衣装だけではなく、"PTLクラブ”で歌うシーンや、スージーというパペットの声など、今までのジェシカ・チャスティンのイメージを完全に覆す、見事な演技に驚いたのである。
<ラスト、世間から忘れられていたタミー・フェイの家に掛かって来た且つて"PTLクラブ”でボランティアで働いていた女性からの、大学での講演依頼。
そして、相変わらず派手な衣装ながら、張りのある伸びやかな声で、大観衆の前で、見事に歌い上げた賛美歌。
ジェシカ・チャスティン、今更ながらであるが、凄い女優である。>
■アンドリュー・ガーフィールドも、頑張ってました。