「ジェシカ・チャスティンの演技をこそ楽しむべき映画。」タミー・フェイの瞳 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ジェシカ・チャスティンの演技をこそ楽しむべき映画。

2022年3月17日
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鑑賞方法:VOD

①アンドリュー・ガーフィールドも好演だが、やはりこれはジェシカ・チャスティンの恐るべきなりきり演技をにやにやと楽しむべき映画。どのシーンでもスクリーンを支配しているその存在感と演技。②映画としても悪い出来ではないと思うが、何せこちらはクリスチャンではないし神(GodもJesusも)を信じてもいないので、どうしても信仰を利用して金や権力を手にしようとする詐欺師(ベーカー夫婦だけでなく)の話としか写らない。すぐ神の名や福音を口にし、またそれにすぐ感動するキリスト教徒の姿には驚くというか呆れるというか。ただ、彼らに全く信仰心がないわけではないのがややこしいところ。これはどの宗教でも言えることだろうけど。盲信と信心とは違うのだが、継母の愛が欲しくて神がかりになった(あれは絶対演技だと思う)少女時代から信仰と共にあったタミーは神のため自分に言い聞かせているうちに一線を越えていることに気づかなくなったのでしょうね。④ただ、歌や踊りを楽しみ、「聖書」に書いていないからと同性愛者といった人々を排斥する原理主義者達とは違い、「神は隣人を愛せよ」と云われたからと差別・偏見を持たなかったという意味では深いところでは信仰の本質を理解できていた人であったのかも知れない。⑤そういう複雑な内面を持ちつつ人前ではあくまで陽気なおばちゃん伝道師として振る舞うタミーを見事なメイクアップを味方に演じあげたジェシカ・チャスティンに拍手。シリアスものでも文芸ものでもアクションものでも何でもこいの人ではあったが、それほど好みの女優さんではなかったけれど、本作の演技には改めてたいした女優だなと圧倒された。

もーさん
NOBUさんのコメント
2022年4月1日

今晩は
 先日は多数の共感、ありがとうございました。
 いつも、含蓄溢れるレビューを拝読させて頂いております。
 明らかに、私よりも遥かに多数の映画を観ていらっしゃるレビューの数々。
 時に、辛辣に。時に映画愛溢れるレビュー。
 とても、勉強になります。
 これからもよろしくお願いいたします。あ、返信は不要です。では。

NOBU