「小学生の頃の、朝の通学路の一コマを思い出しました。」よだかの片想い The_Winnieさんの映画レビュー(感想・評価)
小学生の頃の、朝の通学路の一コマを思い出しました。
顔の左側に青アザが有る女子大学院生が、書籍になった自分の経験談を映画化したいと申し出た若い監督に、恋心を抱くまでの心情を描いた映画です。
私が小学生低学年の頃、毎朝の通学路に、顔に大きな火傷の跡が残る女の子が、クラスメートと思われる女の子と、談笑しながら通学している場面を、ちょくちょく見かけました。
私の最初の印象は、ひどい火傷の跡に、気持ちが悪くなりましたが、日を追うごとに、そのような気持ちが薄れてきて、普通に、その女の子を見ることが出来るようになりました。
当時の私は、顔に大火傷の跡を残したまま、その後の人生を送る女の子の悲しみや苦しみにまで、思いが至りませんでしたが、この映画は、顔に大きな醜い跡を残した女の子の、現実の人生のワン・シーンを描いているように思いました。
ラスト・シーンでの、主役のアイコに巧に光をあてた美しい映像を見て、とても清々しい気持ちになりました。
そして、小学生の頃の、朝の通学路に出会った女の子は、今、どうしているのだろうか、等と思いながら、映画館を後にしました。
上映されている劇場は、そう多くは無いようですが、この映像化された純文学を、大勢の方に観て頂きたいと思いました。
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