「「気にしない」から「受け入れる」に自らを解放した主人公が美しい」よだかの片想い tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
「気にしない」から「受け入れる」に自らを解放した主人公が美しい
最も印象深かったは、小学生の頃の「琵琶湖」の思い出の場面。主人公をかばおうとした先生の振る舞いが、逆に、主人公を傷つけていたというエピソードで、自分も、知らないうちに誰かを傷つけているのかもしれないと、少し複雑な気持ちになった。
主人公は、顔のアザを隠そうとしていないし、それを気にしていないようにも見える。だが、小学校の先生のような悪意のない言動によって、これまでに何度も嫌な思いをしてきたことは想像に難くなく、だからこそ、心に壁を作って、「本当に信頼できる人」としか付き合って来なかったのだろう。
ラストシーンが解放感に満ち溢れているのは、そんな主人公が、心の壁を突き崩して、すべてを受け入れたからに違いない。「気にしない」という消極的(否定的)な姿勢から、「受け入れる」という積極的(肯定的)な姿勢に自らを解放した主人公が、とても強く、美しく感じられた。
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