レイジング・ファイアのレビュー・感想・評価
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香港映画はまだ生きてます!
舞台となっている香港の街をみてると、
「あー、香港であって、もう香港じゃないんだなぁ〜」
なんて気持ちでいっぱいになっちゃいました。
デニス・ホーさんも逮捕されちゃって、、、
哀しい、、、哀しすぎます。
まぁ、政治的な発言は控えます。
さて、本作。
ちょいと中弛みを感じる面はありますが
なんとかこんとか気持ちを持続させておけば
クライマックスに向けて盛り上がれます。はい。
でもって、とにかく!ビバ☆ヒール!!!っす。
敵役さいこーなんすよー。
ドニー・イェンからどことなく漂うイップマン感が
僕の邪魔をするのですが、そんなの吹き飛ばして
くれるようなニコラス・ツェーの素晴らしさ。
切ないよー、哀しいよー、つらいよー、
で、強い!!!!ビバ!
いやいや、やっぱ陰陽が共に濃いと良き!
特に影が濃いのは本当にいい。
共に頑固者だからぶつかりも半端ない。
重厚な仕上がりになりますね。
前述しましたが、物語の展開上の仕掛けが
たくさんあるのですがテンポ的に僕好みでは
なかったので中弛みを感じたのですが、
展開自体は面白いです。どうなるどうなる?
ってなっていきます。
しっかり描かれている二つの正義
(いや、組織の正義を入れると3つか?)の
どちらに感情移入しちゃうかなぁー?
でもって、忘れちゃいけない香港アクション。
錆びちゃいませんぜ、変わっちゃいませんぜ、
なんだったら進歩してまっせ!ここにありです。
堪能できますよー。
個人的にはナイフアクションが大好きです
香港の政治的な今を考えると、本当に辛いのですが
香港映画は楽しめるうちに楽しんできたいですね。
あぁ、変わらないでほしい。無くならないでほしい。
最後に、ベニー・チャン監督 合掌。
香港映画の王道
GAGAの配給作品ということで外さないだろうと思ってたが、期待以上に楽しめた。
カンフーを織り交ぜながら、派手な銃撃戦。いかにもベニー・チャンらしいアクション映画。
カーチェイスは狭い香港市街地でさすがにハリウッド映画のようなド迫力というわけにはいかなかったが、効果的なVFXと巧みなカメラワークで上手くカバーしている。
香港映画らしい少し鼻白むような人情話もちょっと間違えれば、ただ青臭いだけのチープなものになりかねないのに丁度いい匙加減にまとめている。
人質の首に取り付けた時限爆弾が静脈連動型で心臓を止める(殺す)ことでしか停止させられないとか荒唐無稽な設定もあるが、そんな細かい事はどうでもよく思えるほど、テンポも良く濃密な展開。
少し、グロいシーンもあるが、充分に老若男女が楽しめるエンタメ作品だと思う。
めちゃくちゃ面白かった! 人情派で硬派な警官vs元警官。香港の街中...
ラストクレジットに感涙
自分で判断すること
香港の警察物。体を張ったアクションは様式美的でありつつ迫力があり、銃撃戦やカーチェイスシーンも緊張感が素晴らしい。
「ただ悪より救いたまえ」のレビューでよく言及されていたので興味を持ったが、正直観るか迷っていた。映画の中と現実は区別すべきと思うが、警察が法執行の名の下で民主派市民を抑圧している現状で、警察ドラマで何を描こうと欺瞞でしかないのではと。
本作が撮られていたのは国安法の香港適用(2020年6月)以前だが、公開は適用後であり、政治批判を含む余地があるとは考えられない。むしろ、監察の査問で上官が法をまげてでも容疑者を捕らえよと示唆するシーンには、お上も無慈悲ではないことを示すプロパガンダ臭を感じた(上司が主人公の法を超えた行動に見て見ぬふりをするのは警察物の定番だが、上司個人の信念というより部下たちの請願も受けて上司3人が合議で決めた、これがこの国の民主だ!みたいな)。
このシーンを除けば、作品は警察官としての正しさ、人としての正義、組織のあり方の間での葛藤を核とする、伝統的な警察ドラマと映った。
劇中の人物も、たぶん制作陣も、様々な制約のある中で、自分のなすべき仕事を全うしようとしている。その中で何が正しいかを自分で判断することが重要で、それを伝え続けることに、この地で映画が創られ続ける意味があるのではと感じた。
アクション分野の神作
ノンストップなクライムアクション映画。
正統派香港アクション映画
忘れかけていた置き火の行き場
正・統・派!!
クライムアクションです。
ストーリー、展開、アクション、ラストまで。
変な演出、展開が無い分、悪く言えばありきたりで、良く言えば安心して観れます。(悪く言う必要無いけど!(笑))
これでもかの銃撃戦
ラストの「SPL」を彷彿させる警棒とナイフのアクションも最高!!
個人的にドニー・イェンのアクションが、もう少しあればと。
只、ニコラス・ツェーの復讐の動機?
完全な逆恨みでやりすぎな復讐。
裁判シーンで如何にも、やらしい感じの演出で、銀行の頭取や副総監が証言してますが、事実ではあるんですよ。(トップ同士の癒着的な保身的な問題はあるにせよ。)
そこでドニー・イェンに証言で便宜をはかってくれたら助かったと言う発想自体、考え方が上の連中と一緒なんですよね。(焦らされたとは言えやり過ぎは間違いない。)
なので、例えば完全に罠に嵌められた、無実で投獄されたって設定の方が復讐の動機としては説得力があるかなと。
まあ、作品の言わんとしているところは、分かるんですけどね。
日本の方がよっぼど犯罪者に甘いと思いますよ。加害者の権利とか何とかで擁護するマスゴミども含めて。
追記:余談なんですが、ニコラス・ツェーって女性人気高い?(イケメンですけど。)アクション映画なのにやたら女性客が多くて、カップルとかではなく一人。
考えられるのがニコラス・ツェー位しかなくて。
ドニー版「ポリスストーリー」
うわあ、身も蓋もないタイトル付けちゃった。
けど観終わった感想が正にコレだったんだよなあ。
以前から公開を待ち望んでいた作品。
お気に入り監督ベニー・チャンの最新作。
悲しい事に本作は遺作でもあるが、無事公開されたのはやはり嬉しい。
けど公開館数少な過ぎないか。「イップ・マン4」や「燃えよデブゴン」は結構沢山の劇場で架けられたと思うが、映画館が活気を取り戻した途端にこの扱いってのは、実に納得がいかない。
まあここでブツクサ云っても状況が変わりはしないだろうから、大人しく感想書きます。
本作は久々にドニーさん本人がアクション監督も兼任していて、アクションが素晴らしいのは当然なのだが、脚本が上手いなと思った。
?よくあるギャング対警察物じゃないの。と思う方も多いでしょうが、元警官がギャングになった原因が主人公に有って、主人公の揺るぎ無い正義に対する信念が凶悪な敵を作るというのが上手い切り口だし、単にキャラ紹介と思えた冒頭のお茶のシーンが伏線になっていたのは実に見事だと思う。
何より今の中国政府の検閲の元で、警官を悪者にした現代劇の脚本を創るというのは必要以上に頭を働かせねばならない事だろう。それでいて最近の中国映画に付き物のプロパガンダ臭がまるでしないのも実は凄い事だ。
ベニー・チャンは脚本も担当していて、その苦労は想像に難くない。
やはり、惜しまれる貴重な才能の人だった。
ドニー・イェンとベニー・チャンはてっきり初タッグだと思っていたが、ドニーの知名度を国内で上げたTVドラマ「精武門」で組んでたんですねえ。ウン十年振りの組み合わせだが、完璧主義者同士というのは喧嘩にならないのだろうか。
中盤の裁判シーン。己の信念と仲間を救いたい思いの中で葛藤する主人公を、ドニーは見事に演じている。まるで演技派俳優の様だったが、ソチラに行くのはもう少し後にしてもらいたい(笑)。
そしてベニー・チャン組と言っても過言ではないニコラス・ツェーは、相変わらずアクションはキレキレだわ演技は上手いわ顔に傷着けてもイケメンだわで、最早嫉妬する気も起きません。
けど脚本的には狂気が産まれるシーンが有れば尚良かったかな。
そんなこんなでアクション以外にも見所の多い本作。
公開館数は少ないが少しでも多くの人に観て貰いたい。オススメ。
おまけ
個人的ベニー・チャン監督オススメ作品5選。
「新少林寺/SHAOLIN」
傑作。いや大傑作。我が人生ベストムービーの1つ。
「コネクテッド」
ハリウッド映画「セルラー」のリメイク。
こちらの方が上かも。傑作サスペンス。
「香港国際警察/NEW POLICE STORY」
言わずと知れた2000年代のジャッキー映画の代表作。当時53歳のジャッキーが跳ぶ!
あとジャッキー歌唱の主題歌は神曲。
「インビシブル・ターゲット」
出世作「ジェネックス・コップ」のセルフリメイク的な作品。勿論全てがパワーアップ。ジャッキーJr.ジェイシーも好演。
あとウー・ジンが強過ぎ。
「ジェネックス・コップ」
この作品で初めてニコラス・ツェーを知った。香港映画界は若手俳優をしっかり育てていた事を世に知らしめた重要な作品。
ジャッキーが出落ちで出演。
大好きな映画ばかりだ。
"ご冥福をお祈りします。" なんてのは少し違う気がする。
多謝、陳 木勝 多謝!!
組織のために身を粉にして働く全ての人の魂を浄化する突き抜けたヴァイオレンスに貫かれた大傑作
東九龍警察本部のボンは数々の大事件を解決した凄腕の警部だが、部下からの絶大な信頼を集めるがその頑なな正義感ゆえに上司に疎まれ出世の機会に恵まれずにいた。大企業の御曹司が起こした交通事故の揉み消しも毅然として断ったことから凶悪犯ウォン・クワンとベトナムマフィアとの麻薬取引現場を急襲する作戦への参加を妨害されたボンは何とか現場を割り出して急行するが、そこは何者かによって襲撃され覚醒剤が強奪されていた。友人のイウ警部を殺され執念を燃やすボンの捜査線上に浮かんだのは密売組織のボス、マンクワイ。ウォンの覚醒剤を強奪してマンクワイに流したのはンゴウ率いるグループ。彼らはボンの元部下で、ボンとンゴウ達の間には断ちがたい確執があった。
香港映画の底力を見せつけられるような圧倒的な作品。ボンを演じるドニー・イェンとマンクワイを演じるベン・ラムとの戦いは名作『ドラゴン危機一発’97』での死闘を彷彿させる壮絶な一騎討ちですが、それすら名刺交換程度しか見えないほど壮絶なヴァイオレンスがパンパンに詰まっています。もちろんメインディッシュはドニーとンゴウ演じるニコラス・ツェーの激突。そこに至るまでのドラマをグツグツに煮込む演出がバカみたいに分厚い。ンゴウは自身の正義感を上層部に利用されて道を踏み外し、ボンはその正義感ゆえにンゴウを救えない。凄惨な過去を時折振り返りながら対峙する市街戦からのクライマックスはあからさまにも程がある『ヒート』リスペクトに満ちていますが、盛大に通行人を巻き込んで暴走していく凶悪さはほぼ怪獣映画。壮絶な殺し合いの果てに辿り着く終幕に被さるニコラス・ツェーが歌う主題歌の訳詞を呆然と見送っていると本作が組織のために身を粉にして働く全ての人に捧げられたレクイエムにも見えました。
本作はベニー・チャン監督の遺作。『レクイエム 最後の銃弾』、『香港国際警察/ NEW POLICE STORY』、『コネクテッド』といった骨太のフィルモグラフィの最後に本作のような傑作が加わったことに感無量です。
ほとんど見所しかない作品ですが、さりげなく登場したサイモン・ヤムが物凄く痺れるセリフを添えるカットに往年の香港映画ファンは溜息をつくことでしょう、血塗れで凄惨なのに壮絶に爽快なヴァイオレンスが楔のように胸に打ち込まれて客電が点いても暫く立ち上がれませんでした。圧倒的な存在感を放った大傑作です。
ドニー・イェンさん。初鑑賞。 普通のオッサンなのに凄いアクション!
攻めてる
物語もアクションも見応えあった。
特にアクションやスタントの偏差値と言ったら…当代随一なのではなかろうか。
技もシステムも気概もちょいと異次元。
大陸のアクションは素晴らしい。
時折、不意に顔を出す武術的なエッセンスが効いていて、鍛錬を積んだ人々って設定を明確に映し出す。ほんの一瞬なのだが、この一瞬を挟めるかどうかでは雲泥の差に思う。
なんていうか、危険だからやめておこうという領域を果敢に踏み込んでる感じがする。
今、だから出来るのか?
これが水準になっていく土壌が出来上がるのか?
アクション史に残る足跡を付けようとしているようにも思える。
上映時間としては若干長く、出演者達の眉毛が立派すぎて…京劇のDNAも感じたりする。
京劇のオーディションに落ちた人達がオリンピック選手になるって噂は本当なのだろうか?
それ程の影響力がこの作品にもあったのかしら。
物語の内容も攻めてたなあ。
アクション同様にスリリングだった。
とにかく随所に挟まれるアクションが高水準過ぎて、大満足な一本でした。
ガチ感
アクション多めの王道ドニー・イェン
「追龍」ではアクション抑えめ、「デブゴン」ではコメディタッチで、直近のドニー・イェンは今ひとつ満足できない映画が続いていた。本作はハードボイルドな雰囲気の警察モノでアクションシーンもたっぷり。久々の王道ドニー・イェンを堪能した。敵役のニコラス・ツェーもカッコよくてイカれててハマっていたと思う。
格闘シーンがとにかくすごくて、ニコラス・ツェーとのラストのバトルは本当に見応えがあった。警察モノだから銃撃戦が多くなるのは仕方ないが、カーアクションでもかなり見せ場があったのは嬉しい誤算。おいおい!とツッコみたくなるくらいにありえないカーアクション(子どもを救うあのシーン)を見せられてちょっとニヤついてしまった。
ただし、話は今ひとつ。ニコラス・ツェー演じるンゴウたちが復讐を目的にしているのか、金儲けを目的にしているのかが曖昧だから、作戦が中途半端な感じがする。そもそも復讐するくらい恨みを持つきっかけは自業自得な部分もかなりあって、あまり同情できるものではなかった。あれでは2人が闘わなければならない切なさが薄まってしまう。
でも、ドニー・イェンのアクションを十分に楽しんだのだから文句は言えない。
こちらも完全に…
【香港市民に向けて】
ベニー・チャンの遺作なのだけれども、この映画には、実は、彼のメッセージが込められていると思う。
最後の決着は、カンフーで正々堂々ととか…、古き良き香港映画の良さを残しながら、でも、本当は筋立てに意味が隠されているように感じる。
この作品を観た12月29日、香港のネットメディア・立場新聞が、中国共産党に対して批判的だとして摘発され、資産数億円相当が差し押さえられ、発禁、全従業員の解雇に追い込まれた。
(以下ネタバレ)
分断されたチョンとンゴウは、民主派と親中派に分断された香港市民そのものではないのか。
香港市民の香港警察が民主派を取り締まって、香港経済界の多くは、実利のために、民主派を実は疎ましく思っている。
中国政府は高みの見物で、もし指導部がポカしたら、それをすげ替えれば良いのだから。
アクションは目を見張るし、迫力もあるけれども、内容はギリギリのストーリーのような気がする。
なんとか香港市民が融和できるような状況が訪れることを祈るが、なんか、この映画のストーリーや結末のように、事態は簡単ではないことは明らかで、民主主義国家は、声を上げ続けなくてはならないと思う。
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