「出口のない貧困に姑息な手段で抗う母娘の偽りのキラキラを一切の色彩を廃して見つめる微笑ましくも痛ましい作品」エル プラネタ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
出口のない貧困に姑息な手段で抗う母娘の偽りのキラキラを一切の色彩を廃して見つめる微笑ましくも痛ましい作品
スペインの北岸にある小さな町ヒホンにも容赦なく押し寄せる貧困を美しい街並みと同時に捉えた風景の中で淡々と続けられる虚飾に塗れた母娘の生活を見つめるモノクロ作品。色彩が取り除かれたことによってその空虚さがくっきりと浮かび上がっています。そんな生活がいつまでも続かないことを自覚しつつもあらゆる姑息な手段を尽くしてその期限を先延ばしにする痛々しさと微笑ましさが、その自堕落があっさり断ち切られた終幕の後もふわふわと余韻として残ります。
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