劇場公開日 2022年1月14日

「どん詰まりの衰退大陸。ヨーロッパ。」エル プラネタ t2law0131さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5どん詰まりの衰退大陸。ヨーロッパ。

2022年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公の母娘は、未来を全く喪失&イメージできないヨーロッパのメタファー。日々その瞬間を即物的享楽的に時の流れをやりすごし、目の前の解決すべき問題を、先の無い対症療法で順応していく母娘。破綻への崖っぷち、塀の上をヨタヨタと毛皮のコートで歩いていく。この異常などん詰まり感は、奇しくもこの前の時間に観た「アネット」の監督の出世作「ポンヌフの恋人」のデッドエンドに共通する。ヨーロッパの、歴史に押し潰されて血反吐を吐いてるような終末感が溢れる。スクリーンで、街の風景に行き交う人々は、ほとんど圧倒的な高齢者ばかりなのも、そんな意味を現している。

t2law