私は白鳥のレビュー・感想・評価
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☆☆☆★★★(ちょい甘で) 心臓に糖尿病、おじさんなのにパートナー...
☆☆☆★★★(ちょい甘で)
心臓に糖尿病、おじさんなのにパートナー不在。
更には白鳥の映像集め。
(こちらはテレビ番組等をダビングしたディスクの山の処理に頭を抱えている。もとより映画の円盤に本の収集等がとんでもない量に)
だからこそスクリーンを眺めながら、、、
「もう1人の俺じゃねえかよ〜!」…と💦
これはもう、、、完全なる恋愛映画でありました。
白鳥に恋して恋して♬ 恋しちゃったのよ〜♬と。
おじさんのフラれてもフラれても、もう1つフラれても離れられない切ない恋物語。
途中で、白鳥の行方が分からない…その時!
「落ちたんか〜い!」(^^;
※ 白鳥の最後の映像がなかったのは何となく想像するに、(おそらくは)カメラを回せなかったのだろう。(それとも既に朽ちていたのか?)
本当に愛する【人】の最期はなかなか記録出来ないもんでしょうね。
2021年12月12日 ユーロスペース/シアター1
※ 私も2020年の末に母親を亡くしましたが、写真や映像は一切残さなかったので。
何となくですけど、写真を1枚でも撮ってしまうと《魂を吸い取られてしまうそうで、、、》
【”私は人間の形をしてますが、自分は白鳥だと思ってます。と白鳥を愛し続けるオジサンは言った。”翼が折れたためにシベリアに帰れない白鳥とオジサンが起こした奇跡を4年に亘り、捉えたドキュメンタリー作品。】
ー オジサンの名は、澤江弘一さん(2018年当時、57歳)。一人暮らしだが、キチンと親から引き継いだ商店を経営しながら、富山に毎年飛来する白鳥たちの面倒を見ている。
だが、2018年の春、一羽だけ翼が折れたために、シベリアに帰れない白鳥が居た。ー
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・オジサンは、その白鳥を見て普段の餌遣りを一匹の白鳥の為に行い続ける。
・暑い夏の中、披露していく白鳥のために寝床を作るオジサン。
・オジサンはその白鳥に名前を付けない。それは、且つて同じような状況になった白鳥にリリーという名を付けたが、その白鳥は動物に食べられてしまったから・・。
ー オジサンが、哀しくて見れなかったその姿を久しぶりに見た時の涙声。因みにオジサンの家には、白鳥を映したテープが山の様に積まれている。-
・オジサンは、シベリアから戻って来る且つての仲間の姿を喜ぶとともに、”その白鳥”も一緒に飛び立つことを期待するが、ナカナカ敵わない。
ー それだけ、シベリアに戻る事が過酷なのだろう。-
■だが、”その白鳥”には、パートナーが出来るのである。
そして、或る冬、オジサンが見た”その白鳥”に似た幼鳥の姿・・。
<今作は、子のいないオジサンが白鳥たちを我が子の様に慈しみ、愛し、懸命に支える姿が沁みるドキュメンタリーである。
オジサンは言う。”生きていくって大変だけども、お互いに頑張ろうな。”
今作は、「はりぼて」で世の度肝を抜いたチューリップテレビが長年掛けて撮影した(後半はオジサンが単独で撮影)した、稀有なるドキュメンタリー作品である。>
タイトルなし
「白鳥が白鳥を世話している」「とにかく命を楽しんでほしい。私も命を楽しむ」。
ひたすら素晴らしい映像だったのだが、“挫折を体験した男やもめが寂しさ故に白鳥にのめり込んでいる”という筋にしようという制作者側の意図があるように見えて、その点がちょっと残念だった。(もちろんそういう要素がないわけではないだろうし、そういう橋渡しがないと見てもらえないという事情はあるのかもしれないが。)生命の中にあって生命を慈しむということに、そんな世間の目線や人間界の都合みたいなものなど入れ込む必要ないと思った。
白鳥推しの澤江さんの生き様。
毎冬飛来する白鳥に魅入られた男性が、ある年に羽根を骨折してシベリアに戻れなくなった白鳥を見守る様子をメインに追ったドキュメンタリー。
見終わって思うのは、白鳥のドキュメンタリーというよりは、この還暦近い男性、澤江さんの生き様を追ったものだったんだなと思う。
澤江さんは白鳥をただ見て愛でるだけではなく、自然や野生への介入に慎重になりながら、必要と思うところではひっそり手を差し伸べ、必要と思う設備(8万円のボート!)を買ったり、車をだめにしたりしながら白鳥を見守る。白鳥に自分を重ねたり、感情移入して涙を流したりしながら。
今風に言うなら澤江さんの白鳥への想いは、アイドルやキャラクターに対するのに似た「推し活」なんだと思う。
澤江さんは話し方やその内容を見るからに善良な方なんだけど、還暦近くで自営業で家族がおられなくて、だからかある程度自由に白鳥の様子を見に行ったり、食べ物を与えたりする。
「私は白鳥」というのは澤江さんの言葉だけど、ここからもわかるように、飛べずに仲間と離れて一羽で過ごす白鳥に澤江さんはかなり自己投影されていて、何だか観ていて切なくもなってしまった。
誰かの幸不幸は他人が測れるものではないとわかりつつ。
あと一つの劇場公開作としては、ドキュメンタリーとはいえもう少しテーマや主題を明確にしてほしかった気もする。ラストはここで終わり!?という感じは否めかった。
【とにかく独り言です/なんか納得がいかないこと】
「グランド・ジャーニー」と言う映画があって、人間の過度な開発によって、通常のルートの渡りが難しくなった雁の群れを、別の安全なルートで導こうとする家族の物語が描かれていた。
この作品は、映画や澤江さんに納得がいかないわけじゃない……。
こうした鳥の羽の折れる原因は、張り巡らされた電線だったりすることが多い。
僕は都会の電線のある風景が嫌いじゃないのだけれど、逆に地方の方から、電線の地中埋没工事を優先してあげれば良いのにと思ったりもする。
そうしたら、渡鳥が怪我をしたりすることは少なくなるだろうし、ドローンの宅配だってより便利になって、将来の高齢化社会の宅配の不便さも軽減されるような気がする。
僕が納得がいかないのは、こんな渡鳥が羽が折れて渡りが出来なくなったら、もう少し行政がどうするか考える方が先なのではないのかということだ。
こんなことを言うと、仮に電線が原因だとしても、自然の摂理だとか言う人が必ず出てくることも実は腹立たしかったりする。
人間の張り巡らした電線のせいでもだ。
実は、映画のこの白鳥の羽の骨の折れた原因は定かじゃないけれど、とにかく、かわいそうで見ていられない。
途中、つがいになった白鳥と少し幸せなように見えたけれど、やはり野生は厳しい。
一人で大変だろうけど、澤江さんはどう考えているんだろうかとか、そんなことも考えてしまった。
なんか、この白鳥も人間に重なって、映画は、澤江さんが、あの安倍晋三や菅義偉の「自助、共助、NO公助」の被害者のように思えて、腹立たしくなった。
考えすぎなのは分かっているけれど…。
澤江さんは白鳥🦢💖
もう、澤江さんの白鳥バカー!のひと言でしかない😊
無駄になってしまった6万のボート
白鳥探しに夢中になりすぎてお釈迦になった愛車
等など、結構ニコニコしながら観ちゃいました。
でも、怪我をした白鳥さんへの想いで
めちゃくちゃ一生懸命な澤江さんを見ていると
笑ってばかりいられない。
ひゅーい君が言ってた様に、
澤江さんが変わっている人なんじゃなくて、
自分の、こちら側の方こそおかしいのでは?とも思えます。
生命をとても大切に考えている澤江さん。
筋トレも白鳥を見習う程、自分と白鳥をリンクさせて
がんばれ、がんばれ!って応援してて、
切なさとは少し違う、暖かい気持ちが込み上げて
泣けてしまいました。
エンディングのひゅーい君の歌声は
まじでヤバい!涙腺崩壊です💧💧💧
トークイベント&
ひゅーい君のスワンソング(弾き語りVer.)
澤江さんからのメッセージ貰って
スゴく楽しそうなひゅーい君。
澤江さんへの愛が溢れてて可愛かった♥️
多くの方々に見ていただきたい作品です。
さすがチューリップテレビ制作作品です。
「はりぼて」に続いての傑作です。
群れから離れたオオハクチョウと
一見エキセントリックで変わり者と言われそうな
澤江さん・・・二つの「異」が描かれる
「変わらぬ日常」の物語です。
そこで描かれるのは生きていること、生き抜くことの
素晴らしさであり、感謝であり、継続するからこそ
生まれる奇跡の存在なのです。
「一生懸命に【今】を生きていこう」
なんてメッセージが聞こえた気がしました。
チューリップテレビのカメラはさしずめ
定点カメラのようです。
(上映後のトークで多大なる工夫と努力の
結果であったことがわかりましたが(笑))
付かず離れず、一定の距離感を持って
オオハクチョウと澤江さんを3年にわたり追います。
そこには妙な使命感があるわけでもありませんし、
面白い映像を捉えたいという下心すらないです。
見守るのみです。淡々と見守った結果の作品です。
その距離感はまさに澤江さんとオオハクチョウの
距離感に他ならないのですね。ですから手垢に
まみれた映像なんてない、事実しかないのです。
それだけで上質なドキュメンタリーです。
そして、そこに映されるのは「生き抜く」という
努力の結果がもたらす混じりっ気のない
出来事(奇跡)なんですよね。
前述しましたが、その奇跡って、生き抜いていたら
味わえることなのかもしれません。
生きていればいいことある。きっとある。
大事なものに心血と愛情を注ぎ、
毎日を真摯に過ごしていたら、きっと。
真摯な撮影スタッフとカメラの前に
「変わらぬ日常=奇跡(が生まれる)」が
訪れたのかもしれませんね。
そんな素敵な一本です。
是非是非、老若男女多くの方々に
見ていただきたいです。
傑作。
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