僕が愛したすべての君へのレビュー・感想・評価
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話が穏やかすぎて物足りない
2作のうち、こちらは後に観た。
「君を~」のラストシーンから始まるということもあって、「君を~」よりも物語に入り込みやすく、内容も単純で、分かりやすかったように思う。
幽霊の栞を定着させる肉体に宿っていたもともとの虚質(魂?)はどうなったのか?といったことなど、「君を~」で感じた疑問もほとんど解消されて、すっきりする。(おそらく、逆の順番で観ても、後に観た作品で、同じように疑問が解けるのだろうが・・・)
何よりも、「君を~」で、エンドクレジットの後に声だけで描かれた66年ぶりの再会を、たっぷりと堪能できるのが良い。やはり、このシーンこそ、2作を通じたクライマックスと言っていいだろう。
ただ、幸せな人生の物語である反面、ストーリーに起伏が乏しく、穏やか過ぎることに物足りなさも感じてしまう。だからこそ、栞の転送先の世界として選ばれたのだろうが、例えば、唯一の事件らしい事件である通り魔のエピソードなども、もっと別の描き方ができたのではないだろうか?
それから、和音が度々口にする「野良犬から助けてもらったこと」とは、暦が、死んだ犬に会うためにパラレルシフトした先の河原での出来事だと思うのだが、もう少しちゃんと説明してほしかった。
青→赤、赤→青でみるか、それが重要?
今年296本目(合計571本目/今月(2022年10月度)10本目)。
※ 私は青→赤でみました。映画の趣旨的に両方にレビューを書くとネタバレ度合いが高くなってしまうので、こちらのみにします(上記、本数にはカウント済み)。
私は青→赤でみました。
このルートは「ちょっと切ない結果」なのだそうです(公式サイト参照)。
この映画、特に「赤」のほうで明示的に出ますが、「大分市」が舞台です(作者の方が大分県出身のため。どちらの映画でも「特別協力:大分市/大分市商工会議所」というのが出る)。このため、特に「赤」のほうはそれが顕著で、「そこそこ」地元枠ではないかな…という気がします(府内城、JR大分駅前(南側・北側)、アーケード街、さらにニュースの「都町で飲みすぎて…」という話など。「都町」は大分市内の繁華街)。
※ ほか、「白いソニック」「中津(行き)の電車」などからもわかります。というより「JR大分駅前に左折」など明示的に「赤のほう」では出る。
一方、原作小説(文庫版?)を見ているのが前提かなという部分も結構あります。主人公(誰を主人公にとるかは、赤・青それぞれでも難しいけど、あの男の子ととるのが妥当?)をはじめとした登場人物の自己紹介パートなどはあるし、無駄に人は多く出てこないので、登場人物が覚えにくいということはないと思います。
ところが、赤も青も、もとは原作小説の固有名詞なのですが、タイムシフトといった話がどんどん飛ぶため、原作小説を知らない場合、ベクトル空間論等の知識を援用してみる必要が生じるので結構難易度は高いです(その知識でみれば、一応つじつまはあうっぽいです)。ただ、それができるのは理学部の理系共通数学を選択した学生さんなどではないかなぁ…というところです。
あとは…。どちらの映画でも「総務省」という語を聞くとは思いませんでした…。マニアすぎる…。法人(一般社団法人など)を管轄するのは総務省ですが、その総務省です。架空のお話なので何とも言いづらいですが、タイムシフトなんていうことを管轄するのも総務相なのでしょうね…(総務省というのは、他の業務内容が明確な省(文科省など)以外の「残り物すべて」が来る傾向があるので)。
個人的には私は青→赤でみただけで、赤→青で見ることも可能だと思います。カップルなどでいく場合、一時的にはなれて、青→赤と、赤→青でわかれてみて感想を語ってみるのもよいかなぁ、とは思います。結構そういう点では(今、コロナが落ち着いている状況では)推せる映画だと思います。
採点対象としては以下が気になった点です。
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(減点0.3) この映画は珍しくも「総務省」という語が明示的に出るのですが、そうであるなら語の使い方はしっかりしてほしかったです。一般社団法人などの管轄が総務省であるのは間違いないですが(各種法律)、「総務法人」という語ないし概念はありません。
(減点0.1) 元の小説通りに起こしたということは理解しても、その「タイムシフト」の簡単な例も映画内で出てこないまま進むので、いわゆるタイムワープもの?という理解に落ち着いてしまいそうですが、裏では数学物理の概念が(現在、リアル日本では研究中ですが)動いていることで、このことは学部1年程度の数学の知識が必要です。
このため、知識があると「え?まさかそれ(ベクトル空間論)を超えて、距離空間、位相空間論の話でもしはじめるの??」と思われても仕方がないかなぁ…(ただ、そこまでみようとすると、それこそ数学科の学生さんや数学科卒くらいの知識がいる)という点は確かにあります(要求される知識が(架空の話とはいえ、現在リアルで研究されていることであるため)どうしても「リアルで」必要になってしまいます。
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絶対、青からピンクがおすすめ
どちらから観るか迷いました、青い→20分後ピンクを観ました。
わたし的にこれは正解でした。
青は「僕が愛したすべての君へ」
ピンクは「君を愛したひとりの僕へ」
物語全体は、子供から高校生までの恋愛パートと、その後の人生パートがあるので、大人でも見やすいかと。
高校生の見ているだけで恥ずかしくなる恋愛だけでなはなく、その後の社会人から老後までの愛情まであるので。
青を観るとところどころ引っかかるところがあって、ピンクを見るとを見ると意味が分かる。
たぶん逆でも同じだと思いますが、ピンクの方が話が深い感じがします。
出来れば声優さんを使って欲しい。俳優さんだと、すこしのっぺりとした印象になり、同時に俳優さんの顔が浮かぶ。あの人の声と思ってしまうので、アニメにはマイナス。特に今作は、子供、青年、大人、老人と同じキャラの登場シーンがありますが、プロの声優さんなら1人で演じ分けられたはず、この点はとてもマイナス。
観た人にはわかると思いますが、
青の本当の主役は、和音(メガネ女子)です。
ピンクの主役は、暦(男)です。
この辺りを深く感じるためには、青→ピンクの順で観ると良いと思います。
目終わると、それぞれの切なさが染み渡ります。
いずれせよ、両方観ないと理解出来ないのは、鑑賞料金が2倍かかるので不満なところもありますが、新しい試みという部分もあります。
エンディングで、「そういうことか!」というアハ体験という意味では斬新で面白い。
また、同時公開なので、どちらから観るのか?迷ってしまうという問題もありつつ、どちらからでも観ることが出来るという新しさでもあります。
それぞれしか観なければ★3.5ずつという感じですが、両方観ると★4.5以上という感じです。
新しい試みということで、★5に。
企画倒れのまだマシに観れる方
公開日に2作連続で見てきました。
大分県民です。
ついでに原作の小説2作+外伝1作の既読組です。
それでも言います。なぜこっちでNTRを匂わせるような胸糞展開にしてしまったんだ。
まず原作小説2作品についてですが、これらは肉じゃかとカレーのように「具材はだいたい同じでも別物の料理」と言えるほどに違いのある物語でした。
原作小説「僕愛(青表紙とポニテ少女)」はハッピーエンド。
原作小説「君愛(赤表紙とワンピ少女)」はバットエンド。
そしてどちらを「最後に読むか」で読書後の感想が違ってくるというものです。
ポケモンのマグマ団とアクア団のようなVer違いではなく、ピカチュウとニャース、サトシ達とロケット団くらい視点が違っているストーリー軸で描かれていたものです。
「僕愛」のヒロインは瀧川和音。主人公の高崎暦との恋愛関係を描いたSF物です。
もう一方の「君愛」のワンピース少女の影も見えますが、こちらはストーリーには直接関与しない、いわゆる「匂わせ」程度のものの「ハズでした」。
本作映画。
「僕愛(青表紙とポニテ少女)」は主人公だけハッピーエンド。
「君愛(赤表紙とワンピ少女)」はモヤットエンド。
本来であれば……とういうか原作では、世界線が頻繁に変わる中で主人公と彼女の同一性について悩みながら恋したり告白したりという恋愛模様が進むといったストーリーでした。
なまじ「自分が今いる世界とどれだけ異なる存在なのか」がIP端末(シュタゲでいうダイバージェンスメーターの個人版)で数値としてわかる為、「1ズレた世界の彼女は元の世界の彼女と同じ人なのか?」「10世界がズレていたら?」「0.1世界がズレているだけでも別人では?」という哲学的な悩みと進む物語でした。
映画本作、ほぼほぼ悩みません。
数値のズレに愕然とする描写もちょっとありますが、ほぼほぼ悩みません。
裏テーマとしてSF要素と密接に関係して進む物語なのに。ほぼほぼ悩みません。
でも恋愛映画としてシンプルにまとまっているのかといえばそんなことはありません。
四コマ漫画のような出来事が描写されているだけで、「雑」に進行するだけ。
下手に脚本を削ったが故に説明不足が目立ちます。
恋愛映画としてマトモなのはSF要素がほぼほぼ絡まない最初の十数分だけ。
ただただ原作小説の恋愛所を局所的に映像化した。そんな感じです。
極めつけは中盤以降(壮年期)に起こるとある事件。
原作は正月の神社参拝で起きた事件が、なぜか映画では謎のSFフェスに。なぜ変えた?
そして(ネタバレ防止の為にぼやかしますが)和音だけが悪者になっていて、主人公の暦はほとんど悩んでいないという……
じゃあ削った脚本の上映時間分はどこ行ったの?と言えば……おそらく後半の「君愛」の劇中シーン部分でしょう。
「僕愛」なのに「君愛」のシーンが流れます。それもがっつり。
「君愛」でもレビューに書きましたが、「え? 制作予算尽きてもう一方の作品のシーンでお茶を濁した?」と本気で手抜きを疑いましたよ。
電通さん、この制作予算を削って宣伝費に回したとか……やってないですよね?
もう一方の「君愛」のレビューにも書きましたが、これらの2作は初めから「企画を楽しむ事」を前提として作られていると感じます。
企画だから映画の中身はどうでもいい。2作品をリンクさせる策として、思い付きで雑なことをしたらこんな作品になった。そんな印象を受けました。
当然、こっちでも普通にノイズが増えて混乱してややこしくなっただけです。回想効果以前に、ただ上映時間の水増しにしかなっていない。
普通に一本の独立した映画として作ってくれていた方がまだ楽しめていたと思います。完全に逆効果でしょう。
ついでに「僕愛」と「君愛」で技術水準がかなり異なっていることが明確になっていてツッコミどころにしかなっていません。
違う世界と強調したかったのかもしれませんが、雑。もっと他にできる演出あったでしょ。
なにより、下手にワンピ少女を登場させたことでNTR要素も加わっています。
和音のパラレルシフトも同様。中盤の事件とごっちゃになって混乱します。
企画を優先し、「君愛」とのリンクの為に原作改変したことで、はっきりと「改悪」と言えるものとなっています。
主人公の暦お爺ちゃんだけなんかいい感じに終わって、和音お婆ちゃんが報われてない。素直にみんなハッピーエンドでよかったのに。
まさかプロデューサーの人が脚本を振り回したとか……やってないですよね?
2作品の考察以前に、映画を終始見る事自体が苦痛なくらいです。
この映画2作をまとめても、原作小説の片方単品の満足度に負けてしまいます。
はっきり言います。どちらか片方一本観て嫌な予感を感じたら、もう一本は観なくていい。
完全なる企画倒れです。
多くのシーンが君愛とダブり損した気分
君愛に続いて観賞した。
両親が離婚し母について行った高崎暦は、成績トップで高校に入学したが、総代挨拶を辞退し、代わりに総代をした瀧川和音から声を掛けられた。和音は85離れた並行世界から来たと言い、その世界では彼女と暦は恋人同士だと言った。そんな和音に徐々に恋心をいだき、付き合い、結婚し、子供ができ、その子が大きくなり、子が結婚して孫ができ、自らの死期が近づいた時、並行世界の和音からこっちの和音に手紙が届き、栞の事を頼まれる、てな話。
母親に付いて行った場合の暦の世界なんだけど、和音と愛し合ってる様にもみえないのに成り行きで結婚し、君愛のシーンが多く出てきて、ほとんど感動が無かった。恋愛作品かと思って観ると残念な感想になりそう。
和音役の橋本愛の声が好きじゃないのもあるし、キャラクター的に可愛くないから魅力が無かった。
君愛、僕愛のどっちから観ても感想はそんなに変わらない気がした。
こっちを僕愛と呼ぶなら、君愛の方が好み。
いずれにせよ、多くのシーンがダブっていて、なんか損した気分になった。2本見せるための宣伝が上手だな、と思った。
後にこちらを見ました
原作未読、事前知識一切入れずに見ました。時間が丁度良かったので、先に「君を愛した」を見て、20分後にこちらを鑑賞。
個人的には、「僕を愛した」→「君を愛した」の順番で見たほうが「うおーそういうことだったのか!」となって泣けると思いました。
以下ネタバレ含む。
こちらは、主人公の男の子と、ヒロインの女の子のパラレルワールドものの恋愛映画。
家族愛要素が強め。
こっちの作品だけでも成立してる感はある。
場面が頻繁に切り変わるので、今どっちの世界にいるか微妙に分かりづらい。
もう一本の方のこよみは父親に引き取られた世界で、こちらのこよみはお母さんに引き取られた世界で分岐している。
お母さんに引き取られた場合はしおりに出会うことがないので、しおりが死なないっぽい。
しおりが、研究所で例の機会のフタ開けてくれてサーっと逃げていったのは何故?分からない。
85の世界から来たかずねは、結局存在しなかったのか?
でも明らかに言動おかしかったし、多分いたんだろう。まだ消化できていない。
時々、交差点の幽霊状態のしおりが出てきていたような気がするけど、こっちの世界ではしおりは幽霊にならないのでは?分からない。
ところどころ、「0じゃないと本当の君じゃない」的なセリフがあったけど、個人的にはそこは同意できなかった。どの世界に行っても愛してるって言うならどのかずねも愛すべき。
幽霊が消えるシーンでこよみの端末がエラーになったのは、もう1つの世界から虚質が流れ込んで混ざったからエラーになったのかな?
エラーつながりで、研究室でかずねがこよみに告白したときにエラーが出たのは単なる演出?何かの伏線?
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