SAYONARA AMERICAのレビュー・感想・評価
全4件を表示
アメリカは戦後、日本にたくさんの素晴らしい音楽を届けてくれました。あ、資本主義もね
2021.12.16(木)
本日で上映終了の「SAYONARA AMERICA」をUPLINK吉祥寺で。
パンデミック前の2019年、細野晴臣がデビュー50周年を迎え、初となるアメリカでの単独公演をニューヨークとロサンゼルスで開催した。
2021年、新型コロナウイルスによって人々が同じ空間で音楽を楽しむことも難しくなってしまったため“マスクがなかった世界”をしのび、細野晴臣の集大成ともいえるライブとなったアメリカ公演の模様を新たにまとめ、ソロライブのドキュメンタリーとして公開された作品。
劇場前の入り待ちで長い列を作るアメリカの観客へのインタビューでアメリカにもディープな細野晴臣ファンが結構いるのが判る。
ライブのMCで細野晴臣が「アメリカは戦後、日本にたくさんの素晴らしい音楽を届けてくれました。あ、資本主義もね」に、会場から「sorry!」(会場大爆笑)。観客のノリがいい。
当時のライブツアーメンバーとのラジオ対談等、細野晴臣の最近の姿も盛り込まれているが、「2年前に行っといて良かった」「早くマスク無しでコンサートやりたい」ってセリフがツラいね。夕空を見上げる細野晴臣は、今何を思うのか。
追記:2023.1.11には高橋幸宏が、2023.3.28には坂本龍一が亡くなり、YMOのメンバーは細野晴臣ただ一人になってしまった。残念。
過去への二重の憧憬と訣別
細野晴臣というミュージシャンは時代ごとにカメレオンのようにその音楽性を変化させ続けてきた。キャリアも半世紀になる細野が近年傾倒していたロック以前の1950年代のアメリカンミュージックの集大成となった、2019年のアメリカ公演のライブを軸にこの映画は構成されている。
注目すべきは、たった2年前のライブであるにもかかわらず、コロナ以前/以後という社会的心理的断絶が存在することである。楽曲の合間に、現在の細野が遥か昔に感じられるというコロナ以前を振り返るカットが何度も挿入されている。特に象徴的なのは、伸び切った髪の細野が、ビルの屋上でギターを爪弾く映像を背景にしたモノローグのシーンである。
2019年から1950年代への、そして2021年からコロナ以前の時代への二重のノスタルジアが通奏低音としてこの映画に流れている。そして、細野自身の意思表示としての「サヨナラ・アメリカ(、サヨナラ・ニッポン)」によって映画は締め括られている。共にポストコロナという未だ見ぬ時代を目の前にした私たちに、細野の決意は共鳴するに違いない。
【"このまま、サヨナラアメリカにならないよね。"と細野さんは言った。2019年のカリフォルニアとニューヨークのリラックスしたコンサートとコロナ禍の現在、活動50周年を迎えた細野さんは何を思うのか。】
- 「NO SMOKING」から二年。世界は激変した。それは、音楽業界も同じだった。-
・細野さんのコンサートに並ぶアメリカの人々の楽しげな姿。
・細野さんの音楽がどれだけ好きかを熱く語る人々。
ー 愉快で、気が利いている。狂気と温かさが同居している。アメリカ人よりも、アメリカン・ロックテイストを知っている・・。-
・ヴァン・ダイク・パークスと交流する嬉しそうな、細野さんの姿。
・細野さんの音楽のルーツが1940年代のブギウギであった事。
- それにしても、物凄い音楽の幅である。アメリカ人が、驚くのも納得である。-
・コロナ禍の2021年、たった2年前にツアーに入った、高田蓮、伊藤大地と語らう姿から紡がれる言葉。
”早く、マスク無しでコンサート、遣りたいなあ・・。”
<今作を鑑賞して、”早く、マスクなしでロックコンサートに行きたいよ!”と思った作品。>
ライブレビューな映画
アメリカにツアーしたときの様子を
コロナ以前、コロナ後の世界の対比を含めて描いた物語
なんと言っても
このメンバーの奏でる音楽がとてもよく感じられた
演奏する音楽も全体の音像もとてもいい
観ていてライブに引き込まれていく感じだった
細野さんはこのライブでこの方向性の音楽活動に区切りをつけたいようだ
今後どんな活動していくのかが気になる
老いてなお魅力的な音楽を作り続ける姿勢に感服した
そしてこの編成の音源が欲しいなぁとひたすら思った映画だった
全4件を表示