「地球の危機でも国家はまとまれない」ドント・ルック・アップ トダー・オートマタさんの映画レビュー(感想・評価)
地球の危機でも国家はまとまれない
ネットフリックスオリジナル映画
約半年後に彗星が地球に衝突するということを知った
天文学者と大学院生が政府に危機を知らせようと奮闘するが
政府もメディアも危機感をもっていなくて危機が進んでいくという内容
ネットミームや大衆の分断についてはちょっとわかりにくく感じた
日本人も同じようなことになりそうだなと感じるので
ブラックコメディらしいがあまり笑えない
『彗星の衝突』というのは
気候危機や新型コロナなどのメタファーだと思うが
彗星衝突はわかりやすい危機なのでこれらと比べていいのかわからない
一度は政府が専門家を総動員して
彗星を起動をそらすためのミッションを進めるが
(ただし選挙のためのイメージアップ演出などが入っている)
そこでミッションを成功させていればハッピーエンドだったのに
土壇場でミッションを中止し
テック企業トップの提案で彗星からレアメタルなどを採掘しその後は破壊するという内容に急遽変更になる
この急激な変化はアメリカでは
大手テック企業が政府に多大な影響を及ぼすという意味なのだろうか?
日本だったら良くも悪くも最初の計画に固執しそう
緊急生放送までしたんだから
でも同時に最初から不合理なミッションになりそうだと思った
しかし、変更された内容については専門家からの疑義が初期からあり
批判する人はクビになったりで問題を抱えたまま計画が進んでいく
最後は案の定、計画が失敗し地球が滅亡し一部の人だけが生き残るという
計画が失敗したときの保険で
冷凍睡眠により富豪や権力者だけ生き残ろうとする設備を作れるなら
いろいろできそうな気がするが
権力者たちが自分たちだけ生き残ろうという風刺はアメリカでは現実なんだろうなと思った
ケイトの両親が絶縁した理由はちょっとよくわからなかった
陰謀論者になったと思ったからだろうか?
最後に天文学者が家族たちと最後の晩餐を過ごす
孤独死を予測したテック企業のアルゴリズムも完ぺきではないということを考えているのか
大統領は女版ドナルド・トランプを意識しているみたいだが
陰謀論とか人種差別主義とかがあまりないのでトランプっぽく感じない