ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
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自分の人生もちょっと思い出しただけ
2時間しっかり見入ってしまいました。余韻がすごい。
葉と照生が楽しそうにしている姿がキラキラしていればしているほど、結末を知っている観客は胸が苦しくなります。特にタクシーでの口論から一年前に遡って幸せそうな二人を見ていたら涙が出てきました。ただそこから遡って出会いに近づくにつれて逆に微笑ましくみれるという不思議な体験をしました。おそらく自分の中であの頃は仲良くやれていたのに、という後ろ向きな見方から素敵な時間だったんだな、という前向きな見方に変わったからだと思います。
お酒が飲める年齢になって恋愛をした事がある方ならこの登場人物たちに自分の思い出を重ねる瞬間があるはず。それくらい伊藤沙莉さんと池松壮亮さんのリアルな演技が素晴らしかったです。
洋画大好き人間ですが、こういう素敵な邦画を同じ感性で受け取れるのは幸せだなーと感じます。
チョッと眠くなる
高い評価が付いてる作品と言うことで、好奇心で見てみたが感情移入は全くできなかった‼️。色々と映画に於けるテクニカルな部分は確かに見て取れるが、どうも演出も演技も過剰。会話で引っ張る演出を🎥恋は光で見せつけられたが、本当に対局。画面は暗くテンポは鈍い。それも含めて解釈してるムキもあるが、稚拙だ。舞台劇のシーンとかに至っては🎥グレイテスト・ショーマンを見たあとだけにお遊戯にしか見えなかった。誕生日を起点に物語が逆回転するのも、なにか小賢しさしか感じない❗二人の心のうつろいも笑いばっかりでなんだこれって見てる方は興ざめである。良い意味で自主映画っぽいと言う評価はあるが、この作品は悪い意味でその傾向がある。良かったのは國村準のみ。
邦画のスタイル
個人評価:3.8
人は色んな事を忘れながら生きていくけれど、なかにはどうしても忘れられない記憶や、過去の出来事がある。村上春樹はそれを絶望や人の死によって描いていくが、邦画という枠組みでは、青春や夢追い人というカタチで切り取る事が多く、そういった作品はとても好感が持てる。
本作も主演の2人がとても良い演技で、物語に入り込めるが、同時に他作にも同じ様なキャラクターが多くあり、特筆すべきポイントはなかった。しかしながら良作ではあった。
ちょっとどころではない
大好きなクリープハイプが主題歌という事もあり、観に行った作品。
初めて見た時は時系列が掴めなくて少し混乱すると思うけど、まあ分かってくるのでそこは問題ナシ。
主演の池松壮亮と伊藤沙莉のコンビがとてもしっくりきて、暖かい作品でした。繊細過ぎるテルオと積極的な葉ちゃんがすれ違うシーンが本当に心にきてしまい、泣いた。アドリブか??と思わせるくらい自然な演技と映像のトーンがすごく自分好みで、何よりクリープハイプの曲が3つ全部フルで聴けた事も感動。途中高岡早紀が出てきたところも、ナイトオンザアースへの愛を感じて良かった。
最終的に別れてすぐ葉ちゃんが結婚して子供産んでたシーンはこれ現実でもよくあるよなあと思ったし、ケーキ買ってるあたりテルオとの思い出は本当に素敵なよき思い出だったんだなあとなんだかジーンと来てしまいました。
自分の恋愛経験からも思うものがありすぎて共感の嵐だった事も星五つの内訳かなーと思ったので、恋愛経験乏しい人はあまり共感できないかも。
とにかくキャスティングが最高、何度も見てしまう暖かい映画だった(もうすでに4回観た)。今年観た中でも1番かな、また観ます。
失うからこそ、得るもの
名作。こんな自然に仕上がるなんて。
あざとい味付けより、素材のよいものが集まれば、そうなるのでしょうか?秘訣はわかりませんが、僥倖です。
ただ黙って観て、じーんとして、沁みわたるのを感じるだけでいい。いちいち、解説や推測するのもヤボに感じてしまう。
それでもヤボを承知で言えば、この二人は「ちょっと思い出しただけ」ではない。逆です。きっと一生、忘れられない。ことあるごとに思い出すだろう。痛みとともに。でもうんと時間が経てば、優しさとともに。
さりげない、でも代わりのきかない大切なものと、出会って、育てて、失って。でも人生、次の章に進むためにまた大切なものを求めて、生きていく。
それは、俗に言う「勝ち組」にならないと得られない特権、ではない。人間なら誰もが、その種を持っている。種を蒔けるか。育てられるか。愛を。幸せを。「特別じゃない」感を、沙莉さんと池松さんが、絶妙に醸し出しています。
育ってきてもうすぐ収穫の時と思って喜んでいたら、うっかり枯らしてしまう。そんなつもりなかったのに。人生には、一晩の台風や地震みたいな試練が必ずやってきて、試される。
取り返しがつかない、とか思ってしまえば、結果に後悔し執着する。絶望感に、心折れる。
だから、(ちょっと思い出しただけ)と自分にも言い聞かせる。それは痛みをごまかすためだったり、自分で悲しみの重さをディスカウントしているのかもしれません。それとも、悟りか?
いずれにせよ、一歩前に進むために。
本当は、すごく大切なものを失った。
そんなこと、わかっている。
でも、どうしようもない。
相手も大事、でも自分も大切。
その折り合いのつけ方。
世界はすべて、それを繰り返す。
自然にうまくいく時もあれば、どうにも噛み合わなくなってしまう時もある。大きく失敗すれば、戦争にすらなる。
この二人は、大戦争になる前に、終息させられる二人でした。
何事にもタイミングというか、ちょうどいい刻(とき)があり、それが縁を作り、縁を終わらせる。
映画は人生の教科書。と、レジェンド・淀川長治氏が仰っていました。恋愛は、一つの国と一つの国とが同盟を探るみたいなものですね。相手に合わせれば、しばらくは上手くいくけれど、やがて互いの質・望みが白日のもとにさらされる時が来る。摩擦となるズレは点のようでもあり、世界観のような全体でもある。
自分と相手、違う国同士だったんだとお互いが知る。
理解しようと対話を続けるしかない。言葉と言葉以外で。
もうこれ以上は無理と思えば、糸をほどく。
無理に手に入れようと結んだまま引っ張っても、逆に糸は切れてしまう。
お互い幸せになるために、手放すしかない。
だから幸せな人生というジグソーパズルは、誰のも、どこかしらピースが欠けているもの、なのかもしれません。
ちょっと思い出す。失ったピースを。
失いたくて失った訳じゃないけれど、失ったからこそ、思いを馳せるようになる。失ったピースがあった場所に、代わりに思いが芽吹く。
こんな思いのことも、愛と呼ぶのでしょうね。
タイトルが、素晴らしくいい土台になっています。
脚本も、監督が書かれたのですね。役者の皆さんや音楽、それ以外も全ての要素が結晶化されて、天衣無縫の一本になりました。
これって失恋映画?
結局、3回観てしまいました。
1回目に観終わって、この映画は6年間の失恋を振り返る映画・・・
と、思ったのです。
でもなんか釈然としなくてもう一度初めから観ました。
いやぁー、失恋じゃなかったです。
『気がつけばママになっていた』
と、クリープハイプがラストの歌詞で歌ってるし、テルオさんが、
赤ちゃんを抱っこ紐で胸に抱えて、
ヨウちゃんを迎えてました。
またまた釈然としなくて、3度目を途中まで観ました。
テルオさん(池松亮介)の2021年7月26日の誕生日から6年間の誕生日の一日から、
ヨウさんとテルオさんの恋の日々を振り返る映画なのです。
テルオさんは3年前に大怪我をしてダンサーの道を諦めて、今は照明係をしています。
そして年月を振り返って、ヨウとテルオの愛の日々。
最後には出会いが・・・
その翌年には、愛の告白が・・・
そのまた翌年には、愛のすれ違いから、別れが・・・有ります。
3度も観たのは、恋の復活(復縁)が、ちっとも見えて来ないからです。
いったい、どこで愛を取り戻したのだろう?
どこで『気がつけばママになってたの?』
お部屋が足りないよ!!
もうひとつ、部屋なくては!!
赤ちゃんを、何処に隠してたの??
ジグソーパズルの1000ピース。
最後のピースをカチッとはめたたみたいだけど、
赤ちゃんの気配がなさ過ぎるよ!!
前提が、「ナイトオンザプラネット」だったはずでしょ!!!
ウィノダ・ライダーはママじゃない!!
ちょっと嘘臭い!!
ラストにちょっと難点あり。
でも、騙されて、振り回されて、
面白かったです。
あれっ!!
DVD2枚組コレクターズ・エディションの方の、
ジャケット写真、見てよ!!
ネタバレバレだよ!!
分かりづらく、そして、基本無音の映画
夫婦で観ました
演技が非常に良かったです。最高でした。
ただあまりにも構成が分かり辛かったです。
なぜ年号があるカレンダーではなく、時計で表現したのかが分かりません。
誕生日に限定していましたが、そのために何故足を怪我したのか、などの情報が薄く気になってしまいました。
あと基本的に音楽がなかったですが、もっとあっても良いと思いました。タクシーのシーンで「恋愛映画ならここでいい音楽が流れる」的なセリフがありましたが、この映画では音楽なしでした。監督のこだわりとも感じましたが、個人的にはもったいないと感じました。バーも無音でしたが、現実世界の方が音楽に溢れてますね。
演技がとても良かったので、非常にもったいなかったです。
ただ、ニューヨークのツッコミの方は、ちょっとそのまんまのキャラで出てましたね。ちょっと異物感ありました。
ちょっと思い出したなあ…
現在があって、
過去に縋り付いて、
なんだか少し申し訳ない気持ちになった。
過去って美化されがち。
そんな夢物語ってほど、キラキラしてたわけでもないのに
現状と比べられるのって
過去だけだから、仕方ないけど、
今は今で美しくしなくちゃいけないよなぁ…
って思った。
これは、予告なしで見た方が良い。
意味ありげな日付、時刻。
小さくなっていくねこ
マスクやオリンピック
この映画の説明をして下さいって
言われて「ちょっと思い出しただけ」という映画です。と答えたらジャームッシュの話とかできるでしょとお叱りを受けました。以上!
ちょっと思い出してく
この映画の時間軸は現実とは異なる。
でもだからこそ、過去がいかに今に繋がっているのか分かるようになる。
私もたまにちょっと思い出す人がいる。その人のことを思い出すきっかけになる映画だった。
音楽と主演の演技が丁度良くマッチしていて、気がついたら自分も東京のあの場所にいる感覚だった。
この映画はきっとまたちょっと思い出すだろう。
タイミング、そして引きずる
伊藤沙莉さん、池松壮亮くん、そして松尾大悟監督なので、以前からずっと見たかったこの作品。
ゆっくり、噛みしめるように見られました。
主演のお二人はもちろん、他の方々もとても素晴らしかったです。
時間が戻っていく。
そうよね〜。
あぁ、何でそんなことに。
などなど、分かるところが多すぎて、
1日経ってもなんかまだ引きずってしまっています 笑
ラストにはとても驚いたけど、
人生はタイミングなんだなぁ、と。
この作品の良さを言葉にして説明するのはなかなか難しいですが(印象を選べません)見てよかった!
ずっと会話になんて、なってなかったのかもね
池松壮亮さんと伊藤紗里さんを観ているだけでも良かった。
色々な要素があって、ニューヨークの屋敷さんもちょうど良かったし、なんかみんなちょうどよかった。
話の流れもちょうど良かったです。
【追記】
改めて観たら屋敷さんのシーンはちょうど良いではなくて、とても良かったです。
またまた東京テアトル
公開するのを忘れていたので、変な時期のレビューになっちゃった。
お、配給はまた東京テアトルだ。「花束みたいな恋をした」「くれなずめ」「あのこは貴族」、なんか配給会社の路線って感じのものがあるんだね。
主人公の元カレの誕生日7/26を、東京オリンピックの2021年から7年間、主人公の記憶として遡りながら振り返っていく話。それぞれの年は、目覚まし時計の日付曜日表示から始まり、フェードアウトで終わる。そして次々と提示されるエピソードは、21年月曜日、20年日曜日、19年金曜日、18年木曜日、17年水曜日、16年火曜日と年を遡っていき、最後は一転して主人公と元カレの現在の姿で終わる。なかなかいかした作り。
ちょっと思い出しただけの過去の恋を、見ず知らずの人に映画として見せる。そこにはどんなテクニックが必要なのだろうか。観る前の時間にちょっと考えてみた。
① 多くの人の心に「あるある」「そうだったよなあ」といった共感を生み出す内容
② 次のシーンもしくは結末を観たくなる仕掛け
-1 謎を提示して謎解きを観たいと思わせる
-2 よしあし両方の結末が予想される分岐点を見せて、結末を観たいと思わせる
-3 淡々とした空気の中にハッとさせたりほっとさせたりドキッとさせたりと、小さな起伏をちょこちょこ埋め込んで結末まで引っ張り続ける
観終わって、①なのかなあ(俺には該当する部分なかったけど)、それとも②-3 だったのかなあ、という感じ。飽きずに観ていられる、素敵な映画でした。
エンドロールでスペシャルサンクスにジムジャームッシュ監督の名前があるけど、クリープハイプの尾崎世界観が好きな作品「ナイトオンザプラネット」に着想を得て作った曲「Night on the Planet」に松井監督が触発されて作った映画が本作だったのね。たしかに全編通じて、映画好きたちが作った映画って感じが充満してた。俺もそういうの、嫌いじゃない。
主人公と尾崎さんの最初と最後の会話。「どこかで会いましたよね」もいかしている。
「ナイトオンザプラネット」は未見だけれど、今度観てみよう。観ていたらこの映画、2倍楽しめそうだったから。ただ、同監督作品の「パターソン」リスペクトなのはわかるなあ。毎年、出かける際に講演で座っているジュンさんにあいさつし、地蔵を拝む。その繰り返しだが、そのシーンの中にちゃんと揺れがある。同じことが繰り返されるだけにみえる毎日に、詩があることを映像で見事に紡ぎ出したジャームッシュ監督へのリスペクトだね。
映画好きとして、かなり楽しかったです。
「コロナ禍」以前を振り返ったなら…
【鑑賞のきっかけ】
劇場鑑賞を逃していた一作。
動画配信での鑑賞が可能となっていたので、早速、鑑賞開始。
【率直な感想】
<2021年7月26日月曜日から物語は始まる>
本作品は、照生という劇場で照明係を行っている男性と、葉というタクシードライバーの女性のラブストーリーです。
趣向として面白いのは、やはり、照生の誕生日である7月26日を1年ずつ遡るという形式で描いていくところです。
さて、この7月26日月曜日というのは、照生の住む家のカレンダーに表示されていることで特定されます。
そして、2021年というのは、葉が乗っているタクシーに東京オリンピックのロゴが書かれているのと、冒頭、彼女が乗客との会話で「東京オリンピックやるとは思わなかったですね」と話していることから。もちろん、この年の7月26日は実際に「月曜日」でした。
しかも、東京オリンピックの開催は、2021年7月23日から8月8日まで。
つまり、この作品の「第1日目」は、正に東京オリンピックの開催真っ只中。
日本中が、新型コロナウィルス感染者数が増加するのでは、と懸念を感じていた時。
フィクションでありながら、年月日が特定されるというのは、珍しいです。
でも、この作品は、ラブストーリーではあるけれど、「コロナ禍」の前を振り返ることが大きなテーマなので、こういう設定になっているのでしょう。
<冒頭の1日は最重要>
2021年7月26日から1年ずつ遡るという展開上、冒頭15分くらいの「第1日目」の内容はとても重要です。
そこで描かれていることの本当の意味が、後の物語展開の中で分かる部分が多く盛り込まれているからです。
今回、劇場鑑賞は逃しましたが、動画配信で良かったことは、作品を観終わった後に、もう一度、冒頭の部分を鑑賞できたことです。
これにより、私は、この作品の物語がかなり緻密に出来ていることがよく分かりました。
<設定にも緻密さがある>
物語展開は、どう書いてもネタバレになるので触れませんが、ここでは、「コロナ禍」という点で、リアリティを感じさせる部分がありますので、お話します。
冒頭の「第1日目」の中で、照生が勤めている劇場で公演が行われ、彼が舞台の照明を手掛けます。
ここで行われている演劇なのですが、セリフや歌が一切なしのダンス(BGMは流れます)。
観客たちは、もちろんマスクを着用しています。
では、何故、演者は全く無言なのか。
それは、新型コロナウィルス感染症対策のため、と思われます。
演者が大声で歌ったりした場合、飛沫感染はしないのか?
そういう劇場側の配慮と考えられます。
実際、当時、国内の劇場のいくつかで、公演中止となったケースがありました。
そして、対照的なのが、このシーンの後、葉のタクシーが一人の男性客を拾うのですが、その男性が、「今日は、本当はライブだった」と語ります。
つまり、男性はバンドの一員で、舞台で生演奏をして歌う予定だった。
それが、飛沫感染を恐れた劇場側の配慮で中止になったと考えられるのです。
こうした部分のリアリティは、作品づくりの巧みさが窺えるところです。
なお、この2つのシーンは、ある部分で、後の展開の中で重要な点を含んでいるのですが、その部分はネタバレになるので、触れません。
【全体評価】
本作品は、ラブストーリーであり、確かに恋愛模様を楽しむという要素があります。
しかし、先述のとおり、「コロナ禍」から遡ることで、「コロナ禍」の前と後では、観客自身の日常も大きく変わってしまったことに気づかされる、そんな作品であったと感じています。
ただ、いくら「コロナ禍」以前を懐かしがっても、人生は後戻りできない。
だから、「ちょっと思い出しただけ」と控えめに表現しているのでしょう。
いつかは思い出になる
楽しかった日々も
…別れた彼も
いつかは思い出になる
噛み合わない会話からはじまり
どうなるのかな~と思いつつ
出会いから二人の過去が
一年づつ遡っていく
付き合っている中で楽しいふたりが
彼の足の怪我を境に亀裂が…
ちょっとしたことでお互いの想いが
…言わなくてもわかるだろとか
……言ってくれないとわからないとか
良くあることですが
相手の言っていることが
考えていることが
…わからなくなる
気持ちが離れて想いが遠退いて
修復が効かなくなって
…終わる
好きだったふたりなのに…
最後にちょっと思い出して
懐かしく想い更けるところが
…よかった
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