ちょっと思い出しただけのレビュー・感想・評価
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ちょっと…だけではない思い出したこと
クリープハイプの尾崎世界観が
ジム・ジャームッシュ 監督 の名作
「ナイト・オン・ザ・プラネット/Night on Earth('91)」
から着想を得て書き上げたという
「Night on the Planet」
この楽曲に触発された監督のオリジナル脚本
ちょっと…だけではない思い出したこと
ドライバーの葉(伊藤沙梨)
照明スタッフの照生(池松壮亮)との別れから
出会った頃へと
ある一日が巻き戻されていく
とても自然な2人
一緒に過去に戻り
思い出巡りをしたような
そんな気持ちに
何気ない日々の美しさ
誰にでもありえる日常を、こんなに彩り豊かに美しく、キラキラに
描けるなんて。見終わったあとジーンがずっと続きます。
ネタバレするのであまり詳細は言えないのですが、勧善懲悪とかハッピーエンドとか
そういう言葉では言い尽くせない、じんわりする映画です。
くすっと笑える要素があちこちに散りばめられているのもじんわり。
主演の池松さんが出色。声も、表情も、間も、すべてよい。もっと池松さんの映画をみてみたくなりました。意外と?屋敷さんが良い演技してました。
エンディングロールの歌が解題だ。
あたかも簡単に見えるナチュラルメイクのように、実は高度なテクニックを駆使して、平凡な会話劇を作り上げ、耐え難いほど切ない恋愛映画を作り上げた才能に感服する。それを演じる俳優、描ききった監督、素晴らしい。
消えない存在
今日は久しぶりに天気が良いから、同居人が掃除機を引っ張り出して、いつも絶対にしない掃除をしている。本当は朝早くにモップで掃除済みだけどな。言えないで「ありがとう」。
体調が良くないからテレビがうるさくて消した。同居人は不在にして見ていないのに、消すと怒る。しぶしぶ黙ってつける。
そんな午前を過ごしてここに座っている。
ベッドルームの日めくりカレンダーは11月9日のまま。まだめくれない。
私が映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』を観たのは今年の9月11日。
参加したライブ「クリープハイプの日」で新曲として演奏され、印象が強く、観てみたいと思った。
世界のあらゆる街の同時刻、タクシー車内の描写。
人の崇高さ、孤独、先入観の怖さ、言葉の暴力、そしてあたたかさ、救い。
タクシーは人の本質があらわになる独特な場所。
クリープハイプの曲「ナイトオンザプラネット」が原案というこの映画を観た。
余計な説明がなくて、観る側に投げてくれるのが心地よい。
「?」と思いながらついて観ていくと、いつしか照生と葉の心をなぞっている。
クリープハイプの曲は映画に添えられる、というよりも、寄り添って溶けている。
演奏シーンもあり嬉しい。
映画側から捉えるクリープハイプは初めてで新鮮だった。
フォトアプリで「~年前の今日」みたいな写真を見せられる。ほとんど忘れている。
誰しも思い出せる恋愛があるというけれど、私はそれは35年前のもの。
写真は1枚も残っていないし、楽しい思い出よりも別れの時の嫌な思いしか残っていない。
東京の夜は明るくて、闇は貴重たが、ひとり暮らしには大敵。
かつての私も人のぬくもりを求めて街に出た。
たとえそれが本物ではなくても満たされた(気になっていた)。
主人公二人の日々は本物だ。出会えたことが羨ましい。
この映画で時をさかのぼることで伏線を逆に追うことになる私たちは、
ラストで胸がいっぱいになり、どうしようもない希望を持つことになる。
クリープハイプを愛し、ずっと曲を聴いている私には、最高の贈りものだった。
尾崎さんのあの目が忘れられない。
上映後、迷わず観客賞に投票した。
器用な監督の魅せ方、対照的にらしさは少し足りず
やっぱり器用で魅せてくれるな…なんて思う監督。凄く意図したところを客観的に見せてくれるので楽しいし、グッとくる。監督の舞台挨拶での話も交えながら記していく。
クリープハイプの「ハイプ」を取ったという映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』を昨年、尾崎世界観が制作。そこから映画にしたという。コロナ禍でマスクをしているシーンはあるものの、時代を記すためのアイコンとして機能している。
最近良く見るエモエモ系の寂しいラブストーリーかと思ったら、結構ベクトルは違うと思う。 7/26を繰り返していく中で変わり続ける関係を細かく描いていく。凄く2人芝居であるのだけど、2人の人生の中にいくつもの人がクロスしていって、その変化に驚きと優しさを覚えながら進んでいく。
キャストも割と出ているが、タクシーの乗客によるワンシーンが多め。しかし、河合優実さんや尾崎世界観さんといった方の変化も帯同していることで、経過に気づきをくれる。エモいんだけどハマりすぎてちょっとシンプルに感じた。随所にモチーフとなった作品の色を感じさせているっぽかったので、あとで観たい。
何処まで言っていいのか分からないのでこの辺で。下にネタバレ付きでQ&Aの箇条書きを記しておく。ヤングアダルトに響く優しい言葉、最後に腑に落ちる感覚がたまらない。
生きることを丁寧に映していた
ああまた良かったころの過去を振り返る系恋愛映画かという気持ちと、松居大悟×池松壮亮×クリープハイプを久しぶりに見られることへの期待と、このタッグなら何か世に挑みかかる要素があるはずという願いを抱えてTIFFで鑑賞。
観られて本当によかった。
主人公達の日常のルーティンを映し、街を映し、そこに生きる人を映し、やがてそのルーティンが愛しい過去から連なるものであったことを知る。人生がふと交差したり離れたりして、生きていれば出会い直すことだってできるよなと思う。
生きている、そのことを説教くさくなく感傷的になりすぎず、リズミカルにコミカルに、ゆっくりと描いている映画。そして台詞が美しくて出てくる人達が可愛く、映像が練られていて(そのように感じて)、映画のロマンが詰まりに詰まってた。
池松壮亮さんと伊藤沙莉さんの二人はやっぱり素敵。伊藤沙莉さん演じる、タクシー運転手の葉の女性像が男性監督のフィクショナルな妄想に堕していなくてかっこ悪さも込みでかっこいい。池松壮亮さん演じる照生は、目に涙をたくさん溜めてもそれを落とさず零さないことに照生という人を見た気になれた。
一体過去は誰の目線なのか、とか、そんなことはどうでもいい。公開されたらまたこの映画に出会いたい。
ちょっと思い出しただけ…
怪我でダンサーの夢破れた男とタクシードライバーの女。ビターな現実から過去の記憶への遡及、定点観測的に1組の男女を見ることで、より一層にエモーショナルさを引き立たせる。松居大悟×池松壮亮×伊藤沙莉×クリープハイプが織りなす珠玉の恋愛物語。タイトルも非常に秀逸な物語でした。
そもそもクリープハイプの由来であり、尾崎世界観のオールタイムベストである「ナイト・オン・ザ・プラネット」から着想を得た話ということで映画ファンの心をくすぐる。
ストーリーはもちろん、登場人物のキャラ像、クスッと笑ってしまうような微笑ましい会話劇が並外れて良かった。そして、一見すると、どの登場人物も無関係に見えるが、根底には“愛”や“悲哀” 、“希望”みたいのがそれぞれのキャラクターから読み取ることができた。群像劇として観ても非常によくできていると思う。
映画のセリフみたい
セリフ一個一個がすごく自然で、池松壮亮と伊藤沙莉の素が出てるような演技、そして既視感と聞いたことしかないシーンの数々、、
あああ知ってる、、ってずーーーっとなりました。なんでこんなに刺さるんだい??
まるで私に向かって描いているみたいだったけど、多分これみんな思ってる。みんなそうおもうように練られてるからすごい。
別れた後から遡っていくから、どんどん感情移入してしまう感じがなくて、客観的に見れてしまうから怖くて良い。出会い始めから徐々に描くと、登場人物に感情移入し過ぎてしまって多分冷静な判断ができない。でも遡って、さらに誕生日の1日だけを描いているから、刺さりながらもある程度映画との距離を保てる。
だからこそラスト、人生ってやっぱそうゆうもんよねーってゆう爽やかな気持ちで終わってしまう。とってもずるい映画だった。
そしてクリープハイプの曲がとっても良い。劇中歌も、英語字幕のおかげで少し歌詞がわかったから、作品にリンクしてすごく心地よかった。
公開と、楽曲のリリースが今からとっても楽しみ!!!
せつなくもユーモアいっぱいで楽しい作品
TOKYO FILM 2021
松居大悟監督の誕生日にワールドプレミア、意図的かどうかはともかく、それは大いに意味のあることだったわけです。
色々考え抜いた作品だと感じたけれど、あまりオリジナリティというものは感じませんでした。色んな要素を咀嚼しながらエンタメ映画が出来上がっていた印象です。
楽しければいいんでしょう。
とすると、個人的には、もっと早い終幕でも良かったのでは?と思ってしまいました。ただ長くそして切なさが大きくなって終わってしまったなぁという勝手な思いなのですが─。
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