「邦画らしい邦画」ちょっと思い出しただけ もふもふさんの映画レビュー(感想・評価)
邦画らしい邦画
繊細な表現
繊細な演技
繊細な挿入歌
独特なこの感じが、
あっ邦画だなって感じが率直な感想です。
この作品を観ると、
誰もが自分の過去の恋愛を思い出す。
そんな映画です。
以前、
私は職場の上司にスナックに連れられ、
そこでスナックのママが歌った十八番を聴いて
10代の頃にお付き合いしていた彼女のことを思い出しました。その歌は当時繰り返し聴いていて、耳に焼きついていたからだ。
思い出したというより、
心が、感情が、その時代にタイムスリップしたかのような。
タバコの煙に包まれているはずの深夜の酒場から、
彼女と付き合う前に、一緒に歩いた夏の夕暮れの「けやき通り」にいるかのような。
スナックのママが唄う懐かしいメロディが胸に渦巻き、
ほんの一瞬で、当時の彼女と付き合ってから別れるまでの4年半が心の窓を通り過ぎた。
長く、押し入れにしまい込んでいた記憶。忘れ去られようとしていたメモリーが自分の意思に関係なく、さらさらと目前を流れていった。
あぁ、そんな時代もあったんだな。
青くさい、どうしようもない、輝いて、愛おしい、戻らない。
そんな時代があったんだな。
かつての恋人を時々、思い出すこともある。
そんな私は妻と子供二人と幸せに暮らしている。
きっと当時の彼女も誰かと幸せに暮らしているはず。
あれから連絡を一切とっていないから、どうしているかは本当のところ全くわからない。
知る必要もない。
ただ、遠くから幸福を祈るばかりである。
そんな気持ちにさせてくれた映画でした。
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