劇場公開日 2022年2月11日

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「誰にでもあるんだ」ちょっと思い出しただけ ろくぶくさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5誰にでもあるんだ

2023年1月3日
Androidアプリから投稿

「お姉さんは今、幸せ?」冒頭、若い女性からの質問に、すぐ肯定できないタクシー運転手の女性。そこから話が巻き戻されていく。日付は全て7月26日。元彼であるテルオの誕生日だ。

劇の打ち上げで出会い、うやむやな関係を続けつつ、1年後に告白。翌年はふたりで楽しく誕生日を祝い、1年後、喧嘩。明くる年の誕生日は、別の男性(恐らく今の主人)から声をかけられ、今に至る。

結婚して子を産み育てても、完璧に幸せとは言い切れないし、過去にひたすら惚れた人を思い返すことがあるんだと、思えた。恋人がいるのに、誰かを「ちょっと思い出し」てしまう。現に今もそう。おまけにクリープハイプの「exダーリン」に夢中だ。

それは、誰でもあるのかと、思えた。

葉の「このまま関係を続けていくと、自分が持っていかれそうになる」「最初から、会話なんてできてなかったんだろうね私たち」が、すごく刺さった。ふたりの会話が、常に葉から話して、常にテルオは聞き流している印象だったから。恋愛は惚れた者が負けるのだ。

こうだから私は良くないと思わず、みんなそうなんだと思って、やわらかく生きていけたらいい。

ろくぶく