「ちょっと思い出しただけなのかぁ。」ちょっと思い出しただけ osincoさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと思い出しただけなのかぁ。
目黒シネマにて、ジム・ジャームッシュ『ナイト・オン・ザ・プラネット』との二本立て。
オマージュ映画との二本立てという魅力的な企画。
恋愛ものはそれ程なのですが、結果、観て良かったです。
実は本命だった『ナイト・オン・ザ・プラネット』が、想像以上にブラックだったり、やかまし過ぎたりで、若干胃もたれしてしまい…笑
細部まで丁寧に作られた、邦画ならではの良作で回復しました。観る順番が逆じゃなくて良かった(たくさんオマージュシーンがあるので、観ておくのはオススメです)。
池松壮亮くん、伊藤沙莉さん、2人とも自然すぎる演技で素晴らしかったです。
特に池松くんはナチュラル過ぎて、何度も台本合わせやリハーサルをしてる画が浮かびません。
彼の部屋の雰囲気がとても好きな感じでした。
程よく年を重ねた部屋と家具とファブリックたち。空の開けた景色、雑多に緑がたくさん、それからネコ。
どこの物件なのかなぁ〜
あらすじもあまり見ていなかったので、同じ日の時を遡ってることに気付いたのは途中から。自分は5年日記を付けていて、毎年曜日がズレていくとわかっていたのに、前後のどちらにズレるか忘れてしまい、いい加減だなぁと苦笑い。
池松くん演じる主人公の誕生日の7月26日を辿っていく。ドニーさんが7/27生まれ、鍼の師匠が7/28、そして自分もそろそろ一つ歳を重ねるな。
ちょうど、7月に観られたのは良かったです。
タクシーのシーンもバリエーションがあって、家のシーンから、いつもの通り道の変化もとても凝ってます。誕生日だけに、いろんなケーキも出てきて。
成田凌さんは奇人役が上手だなぁ。
ちょい役だけど、渋川清彦さんもうまいなぁ。
國村隼さんもとてもいいのですよ。
鶴瓶さんの"家族に乾杯"の収録を観に行ったときのゲストが國村隼さんでした。懐かしい。
6年間というのがなんともちょうど良かった気がします。変わりゆく日々と、変わらないものと。
あぁ、葉が選んだ妥協を、私は出来ないんだよなぁ。。女は強い。
終わってしまった2人のラブラブ期や、恋人未満期のもどかしさを観ながら、自分の過去をちょっとだけでなく、ガッツリ思い出したりしました。笑
●メモ追記
・マスク
・コロナ禍
・オリンピック
今まさに旬を閉じ込めている。
5年後、10年後、20年後…何を感じるかな。
・映画の元のエンディング曲がじわじわくる。