劇場公開日 2022年2月11日

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「現在から過去への伏線」ちょっと思い出しただけ ABCDさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5現在から過去への伏線

2022年7月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

現在から過去へ少しずつ遡っていくストーリーは同じく伊藤沙莉主演の『ボクたちはみんな大人になれなかった』を思いださせる。恋愛の結末が分かっている切なさは、『花束みたいな恋をした』と似たようなものを感じる。
この映画は、一年ずつ同じ日を遡っているから、それ以外の日は想像するしかない。どちらかが実際に別れを切り出す場面とか、初めてデートに行く場面とか。見ている側がいろいろ考えられるのが良い。
最初に時間が遡っている事を説明するのが難しいけど、それをコロナによる生活様式の変化で表現していて新しい。オリンピックによりタクシーの形状が変わったのもしっかり表現されてる。

大きな出来事ではなく、ただ何気ない日常や会話が描かれる。
その会話の何気ないひと言がストーリーを作り出す。

終盤、今のシーンに戻った2人それぞれの表情からは恋愛の儚さではなく、何かポジティブなものを感じざるを得ない。きっと人生は、昔そんなこともあったけなー、
と思い出すことの連続なのかもしれない。

ABCD