「そして、人生は進む」ちょっと思い出しただけ Maamiifuuさんの映画レビュー(感想・評価)
そして、人生は進む
池松壮亮演じる主人公の誕生日の一日を6年にわたってふり返る。現在地は、コロナ禍の中、照明技師として修行中の日常。それから時間を遡ってストーリーが進む。怪我をしてダンサーを辞めたこと、そして彼女(伊藤沙莉)と別れたこと。彼女との楽しい日々のこと。出会った頃のこと。説明のシーンはないが、別れた理由も、惹かれ合った理由も二人の会話や表情から十分に理解できる。そして最後のシーンでまた現在地に戻る。お互い、偶然に相手のことを見かけるけれども感情が乱されることは、もうない。色々あって今の自分が確かにここにあるという納得感がある。彼女の方は何と結婚して子どもが生まれていた!池松壮亮役の主人公は家も生活スタイルも友人関係も変えることはなく前に進んでいる。二人とも「ちょっと思い出しただけ」。観ている私の方は動揺して切ない気持ちになった。
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