「今は、過去の先に滲む前向きな夜明から」ちょっと思い出しただけ 室木雄太さんの映画レビュー(感想・評価)
今は、過去の先に滲む前向きな夜明から
ジャームッシュへの敬愛と、閉塞感漂う社会の空気も閉じ込めて。心理描写に合わせながら変化させた時系列を物語として紡ぐ。好きなテイストの構成であり、監督のセンスも光る。暮らしの中の対話、姿勢。小さな一つ一つの瞬間が、明日への心の糧となっていく。この作品は、そうした日常の普遍をスクリーンの中で切取り示す事で、私達にそっと“ちっぽけではない”存在なのだと教えてくれていたのだ。都市の中で、二人の様な関係性が今日も生まれ、そして終わっていく…星の煌めきの如く、それは美しいいとなみなのだ。
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