「さっぱり」ちょっと思い出しただけ カイトさんの映画レビュー(感想・評価)
さっぱり
特定の日付を何年も繰り返し、一組のカップルの別れから出会いまでを遡っていく本作。
タクシードライバーの伊藤沙莉とダンサーの池松壮亮というなぜかしっくりくる配役やバーのオーナー國村隼、気のいい成田凌、待ち続ける永瀬正敏など脇を固めるキャラクターの抜群の安定感で鑑賞中ずっと心地よかった。
淡々としながらも入り込む余地のある本作の雰囲気はなかなか作り出せないと思う。
観終わった後の不思議とさっぱりとした感じはキャラクターの性格も作用しているが、特に物語の大きな特徴である思い出を遡る構造が作り出していると感じた。
今まで幾度となく製作された恋愛映画でも本作のように見せ方や構造を変えることで鑑賞後に抱く感情がこんなにも違うのかと驚いた。
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