「何もかも"上手だな"と思えた」ちょっと思い出しただけ サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
何もかも"上手だな"と思えた
2022年劇場鑑賞12本目 秀作 68点
個人的に、明け方>>>今作>ボクたち〜>>>>>>>花束
こんな感じ
言わずもがな主演二人はもちろん、脇を固める人たちみんな演技は素晴らしい。
確かに伊藤沙莉ハマり役ですが、自分はタイトル拒絶の端的に言うとモテる華のある女性に少し憧れを持っているあの役の方が好きだしジャンルは違えど彼女の代表作品は揺るがなかった。
池松壮亮もわたくしが大好きなドラマmozuを皮切りに飛躍していった(本人もそう自負している)ので大好きな役者さんで、表情の演技はもちろん賛否を生んでいる話し方や顔つきさえも、リアルを投影している様だった。
例えばもしわたくしがあの世界線のダンスのレッスンする施設にいる一人だったら少しだけ彼は鼻につくなあとも思っているかもしれない、けどより伊藤沙莉といる時の方があの話し方や顔つきが顕著に出るのでそれは劇中でもあった世界にあの二人しかいないから、あのいちゃいちゃであったりタジタジだったりしたったらずなのだと、、、まぁこんなん書かなくても観た人ならわかるよね。笑
前置き長くなりましたが、当方が一番評価したいのは脚本で、一言目にあった他3作品の中でもとりわけより現実味がある味付けにも関わらず、随所に小出しにされる設定や伏線の回収の様が、映画好きでめちゃめちゃ観まくった人が映画好きのために現代のニーズに合わせて作った感を凄く感じた。
あとは一番伊藤沙莉の役が凄く良く描かれていた。一番それを物語っているのが誕生日に花を届けに訪れたが後輩から同じくお祝いの品を受け取っている時に出会し、距離が近くなんやねんこいつみたくなってる後に、急な雨に降られながらいつもの公園ではぐれた奥さんを待っているおじさんの代わりに探しに行く。必要とされたい、いや誰かの為になりたい。いやもっというと偽善なのかもしれないし自己満なのかもしれない。
あのシーンが個人的に一番好きだし、それ以外のシーン含め凄く良く彼女の女性らしさが描かれていた。
他には設定や見どころ、伏線回収でいうと、彼の名前がてるおで照明係だったり、離婚記念の乗客が彼が住む前に住んでいた住人だったり、冒頭とラストシーンのトイレ借りに訪れた人が何度か会っていたバンドのボーカルで、その人自身の成長も少し辿れる(人気のない裏路地で路上ライブ→小さいホールを埋める程に→タクシーを乗り回すほど売れ→コロナ禍でチケットの払い戻しどうこう〜となるまで忙しくなる様)点、タクシーでの伊藤沙莉の別れ話で放った言葉、彼が降りたあと放った言葉、降りて一人座ってケーキを食べる時の斜め上からの撮り方、最後にぜんぶ持ってったニューヨークと結ばれたんかい、運命ゆうてたしなのシーンや明け方の綺麗な景色に想いを馳せてる長回しからの主題歌など、、、きっと2回観ても面白い作品だと思う。
あ、あとなんだかドライブマイカー要素もあったよね車の中でのセリフの会話劇から同じく舞台を取り扱う点など、。
良い作品ですが点数が伸び悩んだのは、きっとジャンルの問題でわたくし自身がもっと歳を重ねて振り返る恋が増えれば想いも強くなると思うし、同ジャンルの花束に比べたらよっっっぽど良かったあれは吐き気した。
是非