劇場公開日 2022年2月11日

  • 予告編を見る

「切なさを忘れてニヤニヤしてしまう」ちょっと思い出しただけ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0切なさを忘れてニヤニヤしてしまう

2022年2月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

予告編を観たときから期待感しかなかった本作。クリープハイプの曲を聴いて、映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」を観て臨んでしまった。
7月26日を1年ずつ過去に遡って観ていく方式。だから、あの行動やあのセリフの意味が後で判明するというやつだ。あーこれが後々あのセリフにつながるのかってわかるのは、まだつきあっている(つきあうことになる)シーンのとき。とても幸せなシーンなのに切ないったらありゃしない。別れのシーンはお互い言ってることや考えていることがわかるだけに思い出して余計に切なくなる。あー、これはズルい。
でも、過去のシーンが切ないだけではなく、楽しそうで幸せそう。別れることになるってのを忘れて、2人のセリフ一つひとつにニヤニヤしてしまう。池松壮亮と伊藤沙莉が本当につきあってるんじゃないのかって勘違いするくらいに2人が自然体でいい。こんな恋愛だからこそ、たまに思い出して切なくなっちゃうんだよな。自分の過去の恋を思い出してしまった人も多い気がする。楽しかったよな、あのとき…なんて。それを思い出すのもこの映画の特典なんじゃないかと思ってしまう。
ちなみにクリープハイプの「ナイト・オン・ザ・プラネット」という曲を事前に聴きこんでおいてよかった。むしろこの曲から映画ができたんだな。歌詞が本当に映画そのままだった。
「花束のような恋をした」「ボクたちはみんな大人になれなかった」「明け方の若者たち」といった、過去の恋愛をふり返るエモい映画が近年増えた気がする。そんな映画が大好きな人間だから、言ってしまうのかもしれないが、あえて言おう!傑作であると!(ギレン風に)

kenshuchu