劇場公開日 2022年2月11日

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「ちょっと思い出す過去は宝物」ちょっと思い出しただけ あやこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ちょっと思い出す過去は宝物

2022年2月13日
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鑑賞方法:映画館

主役の2人の演技が秀逸。何より2人の声が、もうそれだけでノスタルジー。感情をデフォルメするような発声の間や抑揚に引き込まれてしまい、役者にとって声は武器なんだなと確信した。
東京はキラキラで、エネルギッシュだけど、故に孤独を痛感する街でもあって、葉や照男のように真面目で繊細な若者は、日々葛藤しながら、愛や夢を求めて生きている。そんな不器用な2人の恋愛は、ドキュメンタリーみたいに自然な演技で、終始キュンとした。
タクシーの乗車客には、いろいろな人間模様が垣間見れるように、どの登場人物にも抱えるものが見て取れ、群像劇にも思えた。
また、余計な説明が少なくて、こちらがあれこれ想像できる余白のある映画だった。良質な本や映像作品は、そういうものだよなぁと改めて思った。
最後の場面、葉は、自分の恋愛を昇華して、今の自分や、過去の諸々、そして人生を肯定したのだなと解釈。思い出はやっぱり宝物!

あやこ