「リーアム兄さんがトラック野郎お兄さんに」アイス・ロード かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
リーアム兄さんがトラック野郎お兄さんに
『96時間』のリーアム・ニーソン主演の雪道トラックノンストップサスペンス。
【ストーリー】
カナダ北部マニトバ州の鉱山で岩盤崩落事故が発生した。
急遽集められたドライバーたちは雇用主のジム(ローレンス・フィッシュバーン)から、すでにシーズンが終わったウィニペグ湖のアイスロードを、鑿岩機を積んだ30tトラックで縦断してくれと依頼される。
自分たちのトラックが必要なマイク(リーアム・ニーソン)とガーディの兄弟はそれを受けるが、仲間のドライバーたちの中に、事故原因となった鉱山会社の息のかかった裏切り者がいた。
リーアム兄さん安定のお仕事。
今回はトラック野郎なのでスタイリッシュなアクションは見られませんが、家族のために焦ってがんばる中年を演じさせれば、スクリーンで抜群の存在感を放つこの職人芸。
セガールの沈黙シリーズ(などと言うものはありませんが)や、寅さん釣りバカ日誌を見るようなこの安心感。
テレビで北米で冬季にのみ使われるアイスロードの話題を見たので、おっとそうだまだ見てなかったと視聴しましたが、まったりした良きサスペンス・ロード物でした。
若き女性ドライバーのタントゥ役、アンバー・ミッドサンダーもかわいかったです。
北米のアイスロードとは凍結した海や湖を、ハイパワーのモンスタートラックで昼も夜もなく運搬される、冬季限定の流通路だそうです。
さすがアメリカ(カナダ)、流通でも無茶しますね。
それ以外の季節には、フェリーで運んだり、地域によると孤立したままなんてこともあるとか。
そういう地形だから、水上セスナ機なんかが発達したんでしょうね。
アメリカのニッチな世界を描いたこの作品。
トラック野郎アメリカ版(冬季限定)と見ても、なかなか楽しめるエンタメです。