劇場公開日 2022年11月11日

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土を喰らう十二ヵ月のレビュー・感想・評価

全125件中、41~60件目を表示

3.570代男性版の『リトル・フォレスト』

2022年12月8日
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鑑賞方法:映画館

ずっと気にしていた作品ですが、11月の大作の公開ラッシュに4週遅れでようやくの鑑賞です。
まずは何はさておき、予告編から目が釘付けになる土井先生監修の精進料理。子供には理解できないけど、大人になってみれば大枚叩いてでも食べてみたい料理のあれこれ。作品内でも真知子(松たか子)が完全に胃袋を掴まれていますが、さもありなんと言わざるを得ない説得力でお腹の鳴りが止まりません。そして、こんな調子が1年分続いては「リアル垂涎」しそうだと感じている中盤、物語は動き出します。
そもそも観る前に抱いていた本作への印象は『リトル・フォレスト 夏・秋(14)&冬・春(15)』ですが、概ね間違ってないと感じました。これらはまさに「死生観」のお話です。二つの作品の違いは単に主人公が「20代女性」か「70代男性」であり、若い時に思い悩む「生きる意味」と年齢を重ねて逃れようのない「死ぬということ」という、一見真逆の話のようでありつつ結局は生と死は表裏一体なことを「自然」と相対しながら気づいていく物語で、どの世代にもこういう生活に憧れる理由がまさに「生きている」「例外なく死ぬ」意味を直感的に感じられることが想像できるからなのだと思います。
一般論として、「死」には当然のようにネガティブな印象がありますが、劇中で亡くなり送られるある人物の「葬式」という儀式で、集う人たちが笑い合って故人にいて語らう様子を見ると、やはり重要なのは「生き方・生き様」なのだなと思いつつ、やはりツトム(沢田研二)が仕切る「通夜振る舞い」にまた涎が止まりません。あぁ、美味しいそう。。w

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TWDera

4.5おとなの映画

2022年12月5日
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鑑賞方法:映画館

ロケ地の景色に感動しました.
同年代のジュリーがいい!!。あんな映画見たかった。

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ハイキングコース

4.5お腹は空いたけど心は満腹になりました

2022年12月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

知的

2022年映画館鑑賞69作品目
12月4日(日)フォーラム仙台
リピーター割引1100円

原作未読

監督と脚本は『ナビィの恋』の中江裕司

13年前に妻を亡くし長野の山奥で自給自足の生活をしている老作家の話
老作家は口減らしでまだ幼い頃に禅寺に預けられ13歳で脱走した
時折仕事で尋ねる女性編集者とは男女の関係になりつつあった
老作家は食生活の1年間をエッセイで書き記すことにした
地元には妻の母が一人暮らしをしている
ある日義弟夫婦に頼まれ義母を家を訪ねると義母は亡くなっていた
義母の葬儀は筋違いだが老作家の自宅で行われることになった
老作家は遺影も棺桶も地元業者に頼み女性編集者に助けられ料理を作り義理の弟夫婦が坊さんを呼んでないのでお経を読んだ
そのうえ遺骨も預かることになった

冒頭のジャズっぽい騒々しい音楽はいらない
車と自然の音だけで良かった

タイトル出しが好き
主人公が作家という設定を有効活用している

殆ど吠えない大人しい犬が愛らしい
一般的には室内で飼うタイプじゃないが豪雪地帯なら当然
馬鹿犬とも言われるが実際は賢そうでユーモラス
後ろ姿にも悲哀を感じた
いるといないとでは大きく違う

身勝手な義理の弟夫婦が面白い
かかあ天下なところも相まって
主人公が決して怒らずお人好しな点もなかなか

真知子が乗ってくる車が松本ナンバーから最後は横浜ナンバーなっている
芸が細かい

昼飯食べないで昼過ぎに鑑賞したので空腹感が半端なかった

小僧時代に禅寺で精進料理を覚えた作家のツトムに沢田研二
担当編集者の真知子に松たか子
ツトムの亡くなった妻の弟の妻・美香に西田尚美
ツトムの亡くなった妻の弟・隆に尾美としのり
チエの遺影を作成した写真屋に瀧川鯉八
ツトムが小僧時代にお世話になった禅寺の和尚の娘・文子に檀ふみ
チエの棺桶を作ってくれた大工に火野正平
ツトムの亡くなった妻の母・チエに奈良岡朋子

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野川新栄

4.0必見!仙人ジュリーの自給自足お料理教室!!  人はやがて対人関係を卒業し、自然と一つに...シニア版"リトル・フォレスト"映画

2022年12月2日
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鑑賞方法:映画館

 少年時代に京都の禅寺で精進料理の作り方を教わった著者が、記憶をもとに1年間に渡って身近な食材で作り続けた料理について綴ったクッキングブック兼味覚エッセイを原作とした自給自足の食生活映画。
 雪深い山荘で気ままに暮らす初老の男の一年の食事、それに連なる他者と自然との交流を通して研ぎ澄まされていく彼の死生観。
 自分の身の周りの自然と向き合い、土と格闘しながら何か月も前に仕込んだその実りを喜びとともに口にする…そこにある些細な現実に一つ一つ感謝しながら生きる生活は素敵ですが、それと同時にほぼ自己完結して人と人との友愛・軋轢と対立する生き方でもあり、ただそこに在ろうとするのかそれとも我を撒き散らし合いながら爪痕を残すのか、その相克とバランスを問うた作品でもあると感じました。
 何はともあれやぱりジュリーファンがその客層の大半ではあるかとは思いますし、その向きに決して不興を買うような内容でもないと思いますが、そうではない層にもそうではない層それぞれにそれぞれの形で刺さる作品ではないかと思います。

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O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)

3.5門前の小僧習わぬ経を読む

2022年12月1日
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鑑賞方法:映画館

この作品が水上勉のエッセイが原作という理由だけで観に行きましたが、中々興味深い作品でした。
私の中での水上勉という存在は、高校時代(半世紀前)に日本映画の名作を見漁っていた頃の名作映画の原作家という印象が強く、それで原作も釣られて読み好きになった作家さんでした。

その水上さんが一時期でもこういう生活をしていた事に驚きましたが、大正・昭和前期生まれの人ってこういう根本的強さをまだ持った人が多くいたような気がします。
更に、少年時代の禅寺での修行によって“三つ子の魂百まで”ではないが、そこで習った“生きる”ことの原点を身に付けていた人だからこその達観なのでしょう。
私らの様な昭和中期以降生まれの人間には環境が揃わないと中々出来ない様な自給自足生活で、個人的には非常に羨ましかったです。

ただ、同じエッセイが原作の作品だと『日々是好日』の方が映画自体の面白さは感じたな。
人は達観した人生より、自分に近い未熟(不完全)からの成長の方が見たいですからね。

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シューテツ

3.5土を喰らう 旬の膳の映画

2022年11月30日
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水上勉の晩年に書かれた生活と旬の料理のエッセイ、を原作にし中江裕司監督と料理家土井善晴氏が脚本にしたフィクション
原作はずっと昔に読んだ記憶があるけれど、歳の離れた恋人で編集者の真知子(松たか子)とやり取りする物語は記憶にありません。
 自然の光の中の撮影が美しく、旬の素材が土から芽吹く存在感が素晴らしい。
 ちょっと暗い家の台所。昔あった土間にタイルの洗い場が懐かしい。自給自足の生活には土を流せる洗い場は必須。

 とにかく旬のものを損うことなく食す膳がこの映画の魅力。
 土に根ざした生活、自分のありのままに生きているツトム(沢田研二)は全てに達観している様に見える。
恋人?という設定の真知子を旬の美味いもの、本当の精進料理でもてなし自分の皿のものまで与える。
それを美味しそうに食べる真知子の姿にご満悦。
時にはマチコ、マチコと呼び手伝わせる。
自分との距離感がパートナー(伴侶)というよりも
愛犬のサンショとかぶって見える。
人恋しさもありマチコと共に生活するも家族ではなく、ただ時を過ごしているように見える。
 ツトム自身が倒れ自分の健康が損なわれてからは
「独りで生まれて独りで死んでいく」と言う、このくだり。
 世捨て人の義母の葬儀を取り仕切り、
やはり人は人と生きていることを感じたはずなのに…
 迷惑をかけたくないという思いもあるだろうけれど
ちょっと最後が独善的に見えた。

「昔の人は旨いもん食ってたんだなあ」と言う火野正平が素直。
旬の料理で日本酒が飲みたくなる。

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gomako1933

4.0贅沢の極み

2022年11月30日
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四季の移ろいと旬の物はなんと贅沢なものだろうか
もちろんそれだけの苦労はかかるわけだけれど、こんな生活が送れるなら悪くはないか

生きるという事は動く事、だから腹が減るし腹が減るから飯を食う
飯を食うとはすなわち生きる事で生きる事は死ぬ事

毎日死と隣り合わせだからこそ美味しくご飯を食べたいものだ

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moto

4.0地に足のついた、土の匂いのする映画

2022年11月29日
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生命が今まさにそこにあり、強くあり儚くもあり、といった情感に溢れていました。
丁寧に四季を追った美しい画も素晴らしい。

観終わってお腹がすいていたけれど、ちょっとメニューに妥協は出来ず(笑)

一つ、観た方にご意見お聞きしたいんですが、松たか子さんの手皿の所作って演出上の狙いなんでしょうかね?

あと犬が!
犬がもう可愛くて可愛くて。いいお芝居してます。ロケハン中についてきた、白馬在住の犬、だそうです。

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こぐま

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2022年11月29日
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りゃんひさ

4.0良い!

2022年11月27日
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日本の原風景の一環を垣間見た良い映画であったと思います。

沢田研二が沢田研二に見えなくと良かった。役になっていました。
エンディングの歌も良かった!!

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taiyasan

3.0適度に運動して‼️❓まともなものを喰い‼️❓それなりに恋をしたら‼️❓

2022年11月26日
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沢田研二の風評が傲慢であるとか聞いていたけど、どうだろうか。
彼の歌とお経を聴いたら、彼は良い人だと信じることにした。
美味しそうな料理やお漬物、でも、私には厳しすぎる自然。
彼と松たか子を見てると、加藤茶さんが性生活してるのだろうか、などと、余計な心配などする、ほんと余計だ。
たまたまロケ地と今見たブラタモリが同じだ、笑える。
良い自然なんだろう、自然に乾杯、鶴瓶か?
土井さんの料理を是非食べたいものだ、親父の土井勝のことだが。
映画館は沢田研二のファンばかりでした、空いてるのに後ろの席を取り私の席を蹴る不思議なおばさんは余計でした。

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アサシン5

4.5タイトルなし(ネタバレ)

2022年11月26日
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泣ける

笑える

怖い

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LS

4.0五感で感じる映画

2022年11月25日
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Panda

4.0ジュリーにオファーしてくださってありがとう

2022年11月25日
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知的

幸せ

正直言ってキネマは不満だった、納得いかなかったので、これがあって、ほんとに良かった。よくぞジュリーにオファーしてくださった。
マチコが車でやってきた長野の家では、ツトムが炊飯器ではなくかまどでご飯炊いて、蛍光灯ではなくランプを灯りにして、ストーブではなく囲炉裏で暖をとってる。時代はいつ?w
電話が使えるんだから電気は来てるのに。
食事も同じ、肉も魚も卵も食べない冷蔵庫の要らない暮らし。時代は関係ない、自分がどう生きるか。
拘り強い。芸術家だ、言っちゃ何だが偏屈だ。
いやー。ぴったりじゃないですかw
雪深い長野であんな大きな窓のある家が囲炉裏でどれだけ暖まるか。冬は寒いのが当たり前なんですね。抗わない。
弟夫婦は普通の人だ。拘りなさそう。肉も魚もしっかり食べてそう。姑やツトムを同類の偏屈だと思ってそう。だから姑と折り合い悪い。
姑が亡くなって。姑と同じように独り暮らしてたツトムは独り暮らしをやめようとする。気持ちはわかる。いつ自分だって姑みたいになるか。一方で、ツトムは奥様を亡くしてる。亡くなった時、奥様には自分がいた。『いた』けど亡くなって、ツトムはきっと無力感でいっぱいだっただろう。ずっと遺骨を手放せない。姑と奥様の何が違うのか。きっと考える。

以前、人間が生きてれば老いるのが当たり前で、枯れて朽ちていくのが美しいんだとインタビューに答えてらしたジュリー。煩悩の塊みたいな芸能界にあって、お坊様みたいなことをいう人だと思ってたらぴったりの役が来たw
まるでこの映画のために作ったかのような96年の『いつか君は』を主題歌にしたと発表されてから今日まで何度リピしたことか。

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串団子

3.5食と生き方、そして死に方。

2022年11月25日
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沢田研二が演技をしてるのをあまり見てません。
かなり昔ビールのCMで自然でいい感だったのと、
魔界転生は、、あれは人間じゃなかったな、、、決して優れているとは思わないんですが、独特の抜け感というか、自然な感じが素敵だなと思う人です。
嫌な感じの西田が新鮮。
壇ふみは佇まいが素敵すぎる。
松たか子は前半もっさり後半仏頂面、主人公に人生振り回される可哀想な役回りであったが的役であった。

話は精進料理と自然の中でつつましく生きる作家の話し。個人的には俗な部分である彼女との関係なんかもっと掘り込んでも映画として面白かったと思うんだけど、あえて触れてない。
ある意味身勝手な作家の食と終活を描いただけの話しなんだけど四季を愛で、その恵みをいただく生きかたは日本人にはビンビン来る。
どの料理も美味そうで身体に良さそう!
しかしまあ、そんな生活していても病気にはなるし、いずれは死ぬんだなと、、だったらジャンクフードにまみれ飽食して死ぬのも対極として有りだな、、などと色々思うことあり。

身も心も洗われる様な映画だった。

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masayasama

3.5ひとことReview!

2022年11月24日
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泣ける

知的

幸せ

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極東新天地

3.5美味しそうなお料理と日々の移ろいを眺める時間。

2022年11月24日
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ゆめ

4.0いろいろ考えさせられ、誰かと語りたくなる映画です

2022年11月24日
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CMではスルーしてしまう映画、評判が高くて鑑賞。
信州の美しい大地と空、季節。そして土井善晴さん本格参画の気品漂う美味しそうな料理が人の生命と自然の関りの機微を24節気のスコープとともに繊細に描く非常に行間が多い深い物語。
エンドロール後いろいろ考えさせられ、誰かと語りたくなる映画です。

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masayoshi/uchida

4.0自然を喰らい生と死を見つめる

2022年11月23日
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豊かな自然が美しく、精進料理が美味しそう。
どこか世捨て人のように見えるがちゃっかり年下の彼女がいる。
日々の忙しさに追われている身からしたら、憧れるし落ち着く落ち着く。
その中でもしっかりと生と死について向き合い、また生きる。力強さを貰えた。

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いたかわ

4.5「生きることは喰らうこと」

2022年11月23日
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鑑賞方法:映画館

「生きることは喰らうこと」。
自然なかで自然に感謝して生きるという、現代では難しくなった昔のような生活を長野で体現している作家を主人公とした水上勉さんの作品を原作にした作品。
私のような効率化自体を目的化してしまっているような生活とは真反対のような生活であり、とてもすごいなと思いました。毎回の食事を丁寧に手作りし、それに使う食材も自分で調達して。
出てくる料理がどれも本当に美味しそうで、映画の題名通り12ヶ月の四季の移ろいがとても美しく表現されていました。
経済的には豊かではなかったとしても、「食」という軸となるものを勉さんはしっかりと持っていて自分の道をしっかりとゆく素晴らしい生活をされているなと感じました。
また、松たか子さん演じる恋人との関係や、そのお婆さんや地域の人達との関係も温かくていいなぁと思いました。

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波風龍雄