「お腹は空いたけど心は満腹になりました」土を喰らう十二ヵ月 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
お腹は空いたけど心は満腹になりました
2022年映画館鑑賞69作品目
12月4日(日)フォーラム仙台
リピーター割引1100円
原作未読
監督と脚本は『ナビィの恋』の中江裕司
13年前に妻を亡くし長野の山奥で自給自足の生活をしている老作家の話
老作家は口減らしでまだ幼い頃に禅寺に預けられ13歳で脱走した
時折仕事で尋ねる女性編集者とは男女の関係になりつつあった
老作家は食生活の1年間をエッセイで書き記すことにした
地元には妻の母が一人暮らしをしている
ある日義弟夫婦に頼まれ義母を家を訪ねると義母は亡くなっていた
義母の葬儀は筋違いだが老作家の自宅で行われることになった
老作家は遺影も棺桶も地元業者に頼み女性編集者に助けられ料理を作り義理の弟夫婦が坊さんを呼んでないのでお経を読んだ
そのうえ遺骨も預かることになった
冒頭のジャズっぽい騒々しい音楽はいらない
車と自然の音だけで良かった
タイトル出しが好き
主人公が作家という設定を有効活用している
殆ど吠えない大人しい犬が愛らしい
一般的には室内で飼うタイプじゃないが豪雪地帯なら当然
馬鹿犬とも言われるが実際は賢そうでユーモラス
後ろ姿にも悲哀を感じた
いるといないとでは大きく違う
身勝手な義理の弟夫婦が面白い
かかあ天下なところも相まって
主人公が決して怒らずお人好しな点もなかなか
真知子が乗ってくる車が松本ナンバーから最後は横浜ナンバーなっている
芸が細かい
昼飯食べないで昼過ぎに鑑賞したので空腹感が半端なかった
小僧時代に禅寺で精進料理を覚えた作家のツトムに沢田研二
担当編集者の真知子に松たか子
ツトムの亡くなった妻の弟の妻・美香に西田尚美
ツトムの亡くなった妻の弟・隆に尾美としのり
チエの遺影を作成した写真屋に瀧川鯉八
ツトムが小僧時代にお世話になった禅寺の和尚の娘・文子に檀ふみ
チエの棺桶を作ってくれた大工に火野正平
ツトムの亡くなった妻の母・チエに奈良岡朋子