「生きることは単純なことなのに、人は色々と考えて自分から難しくしているように思う」土を喰らう十二ヵ月 未佐緒00さんの映画レビュー(感想・評価)
生きることは単純なことなのに、人は色々と考えて自分から難しくしているように思う
前半は明るいノリで年の離れた恋人ともうまくやっているように思える、この部分だけなら山奥で自給自足の生活、小説を書いて暮らしている、誰もが憧れる田舎暮らしと見えるけど、これは健康な体があって、勿論多少のお金もなければ続けるのは難しいかもしれないと思ってしまったわ。
主人公のツトムは小説家という設定なので、一人でいるのが苦にならない好きという人は良いかなと思ってしまったけど。
映画の中でもスマホや携帯を使っているシーンはないし、真知子との連絡は電話だけみたいだ。
一緒に暮らそうかとツトムから言い出したけど、後半ではやっぱり一人の生活を求めるのは現実が見えて死に対して考えを改めたせいだろうか。
勝手だと責める真知子もだけど、こういうとき、最初に話を持ちかけられたときに即決したほうがいいと思うのだ。
年の差は分かりきっているし、少しでも二人の時間を過ごしたいなら悩む時間の方が勿体ないと思うのよ。
食べて体を動かして生きて行くのは単純で死が怖いというのも人間なら当然、シンプルなことだけど人は難しく考えてしまうんだろう。
使い切れないほどの金があっても体が弱かったり病気で動けなければ人生は幸せとは言えないと思う、でも、その反対も有りなのだ。
奥さんの遺骨をどうするのと真知子は最期の別れ際聞くけど、それを伝えなかったのは男としてのプライドか見栄、優しさなのか、どうなんだう。
松さんの演じる真知子は力強くてしっかり者という感じがするので別れた後は前を向いて、ツトムの元を訪ねたり、電話をかけたりという事はしないだろう。
でも、他の女優さん、例えば井川遥さんだとツトムがご飯を食べているときに、いきなりやってきてお「お腹空いたー」と家の中に入ってきそうな気がする。
「結婚したんじゃないのか」と聞いても、んっ、なんのこと?ととぼけそうな気がするのだ。