「ハチャメチャドキュメンタリー」最強殺し屋伝説国岡 完全版 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
ハチャメチャドキュメンタリー
すっかり阪本監督の虜になってしまい、今作を心待ちにしていました。
率直に感想を述べると、すげー笑えました。ドキュメンタリー風の映画なのに、ここまで笑ってしまうとは恐れ入りました。
阪本監督が殺し屋国岡のドキュメンタリーを撮るという触れ方が物語が始まりますが、普通に拳銃を机に置いていたり、ライフルを棚の後ろにねじ込んでいたりと、銃器の扱いが雑だったり、二度寝を推奨したり、服選びにも少しこだわったりと、人間くさい場面を存分に楽しめます。劇場はずっと湧いていました。
全体のドキュメンタリーの撮影を阪本監督が手がけており、銃撃戦の中にも思いっきり飛び込んで行ったり、部下を飛び込ませたりと、この映画で1番クレイジーなのは撮影クルーです。なんで巻き込まれないんだ?とかそんな細かい事どうでもよくなるくらいぶっ飛んでて面白かったです。監督の撮影を大体の殺し屋は許可するし、モザイクしてくれたら許すという寛容さ。しかも監督が前に出過ぎたら危ないよと優しく忠告してくれるのがもう面白すぎます。それさえ無視して特攻していく監督もクレイジーです。
国岡さんは殺し屋としてのキャリアは2年ながら凄腕の持ち主で、遠距離での銃での暗殺を撃つだけの簡単のお仕事と評するくらい腕が良いです。基本的には人目につかないところで、拳で一撃や銃やナイフを用いた近接戦闘、念の為の爆弾を用意するなど、ベテランの風格を漂わせる強者です。他の殺し屋たちも登場しますが、基本的に足を引っ張ったりする奴らが多いので、国岡さんのまともっぷりが発揮されます。
舞妓の殺し屋、ベテランの殺し屋、ヒットガールに憧れた殺し屋、ホワイトベアーという死ぬために用意された部隊、野良殺し屋と色んな種類の殺し屋を堪能できます。特に殺丸というど直球な名前のキャラがコメディリリーフになっており、彼が出演しているシーンはずっと面白かったです。彼の生き様も一本の映画として見てみたい…
後半はバトルが繰り広げられますが、ひたすら連打という北斗神拳も真っ青なアチャチャチャチャ-!を体験できます。銃もナイフも放りっぱでの拳と拳のガチファイトは手に汗握るものがありました。タイトルが出るタイミングも非常に素晴らしかったです。
最後にブラック企業の社長を殺すという序盤なんとなくM-1見ながら言っていた発言をサラッと回収するあたりも最高です。社長を殺すまでもハイテンポで殺戮を行っており、爽快感満載でした。
エンドロール後に、序盤にトラブった親子に裁判で勝利し、勝訴を広げ、東京へ向かう、どこか次の舞台を匂わす良い終わり方でした。
単独でもとっても面白いですし、「黄龍の村」「ある用務員」「ベイビーわるきゅーれ」へと続く殺し屋ユニバースの原点としてもとっても楽しい作品に仕上がっていました。監督やキャスト陣の裏話もとっても興味深く、特に阪本監督が半裸で国岡さんと対峙するシーンは是非見てみたいなと思いました。
鑑賞日 10/23
鑑賞時間 19:25〜21:00(舞台挨拶あり)
座席 C-8