「ゆるーい殺し屋像を描かせたら日本一の監督」最強殺し屋伝説国岡 完全版 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ゆるーい殺し屋像を描かせたら日本一の監督
阪元裕吾監督の映画を観るのは3本目。まだ3本なので断定はできないが、ゆるーい殺し屋像の描き方が抜群にうまい。本作に出てくる殺し屋・国岡もそう。協会から仕事を請け負うフリーランスの殺し屋という立場なのに、ドキュメンタリー映画の撮影に応じているという設定がそもそもゆるい!
京都から大阪の樟葉まで電車で移動し、ショッピングモールの屋上?でシートを広げ牛丼やポテチを食べながらライフルを構えターゲットが来るのを待つという初っ端の仕事ぶりからして笑えた。
出演している俳優さんたちは見事に無名。だからモキュメンタリーとしてのリアルさは感じる。ただ、アクションが若干しょぼいのが残念なところ。予算とかスタントの力量とか、もちろん限界はあるので仕方がないとは思う。だってこの映画の魅力はアクションではなく、国岡をはじめとした殺し屋たちのゆるさなんだから。
いやー、笑えた。殺し屋を描いた映画なのにこんなに笑えるなんて。阪元監督にもっと予算与えてもう少し規模の大きい映画を作らせるスポンサーが現れないものか。そして、そんな大掛かりな映画でも、阪元監督には変わらずゆるーい殺し屋像を描いてほしい。
コメントする