「まだまだ胸キュン映画いけるみたい、純度高めだが中身は薄め」君が落とした青空 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
まだまだ胸キュン映画いけるみたい、純度高めだが中身は薄め
良くも悪くも胸キュン映画はこうでなくっちゃ!と噛みしめるように観ていた。福本莉子さん含め、キャストが我得。楽しかった。
中学生の頃、『ストロボ・エッジ』を観て、こういうのはお兄さんお姉さんが主演するものだと思っていたのに、気が付いたら同い年がヒロインって…。月日が経つのって早いものね…。また、前評判からすると危なっかしいテイストであることは間違いなかったが、蓋を開けると、ホントにその通りだった(笑)。タイムリープものである以上、このシチュエーションが次にどうなるか読めるし、中盤のプロットはどうも歯切れが悪い。テーマというテーマが押し切ってこないのも事実。
だが、全体的に構図が固まっていたからこそ出来る部分も大きかったというか。2人のすれ違いと見えなかった部分がタイムリープで補完される事で、どう来てもいいと身構えられた。ライバルもソフトタッチだし、一級品とは言えないのも事実。かといって、胸キュンモノに質を求めすぎるとアラばかり目立つ。何も考えず、観ながらキュンキュンするくらいが楽しいのだ。
そんな主演は待望のシンデレラ、福本莉子さん。『思い、思われ、ふり、ふられ』でも魅せた透明感と等身大な姿は、今作の座長としても発揮している。受け止めきれない思いや戸惑い、キュンとさせるシーンなどにも深みが増していて、感情の揺れが更に繊細に。また、松田元太さんも良い意味で主張が控えられ、純度の高さを上げている。
そして何より、胸キュン映画に欠かせない2番目ボーイは板垣瑞生さん!彼が居たらもう安心(笑)。ライバルには横田真悠さんって…。個人的に、堀田真由さんの後釜を担う恋敵ヒロインだと思っているので、バシッとハマった気がする。友達の莉子さんもいいよね。
この手の映画にしては、胸キュンパートは少ないとは思う。だが、互いが繋がっている中での綻びから始まるだけあり、安心して楽しめたのも事実。やっぱまだ胸キュン映画いけるな。笑