「美術が良かった」劇場版 からかい上手の高木さん 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
美術が良かった
西片はかわいい。男子中学生がこんなにかわいく描かれている作品は珍しい。女子が可愛く描かれることはいっぱいあるけど。その可愛さを体現している梶裕貴さんの芝居が素晴らしい。
劇場版ということもあってか、テレビシリーズよりも美術の存在感が大きくなったように思う。舞台は小豆島という小さな島だが、どんな雰囲気なのか、テレビシリーズではそこまで強く伝わってこなかったが、劇場版では島の雰囲気がよく伝わってきた。舞台のリアリティがぐっと増したので、キャラクターの実在感も増している。テレビシリーズを観ている時は、小豆島に行きたいとあまり思わなかったのだが、劇場版では行ってみたいとすごく思った。
永遠に恋人未満の状態が続きそうなテレビシリーズと異なり、重要な一歩を歩み出す2人を描いているが、3人娘のエピソードも合わさって、短い青春の儚さがきちんと描けていてよかった。青春は終わるから尊いということがちゃんと守られている。
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